日常で使うあの言葉、語源はギリシャ神話だった!意外な由来の慣用句・単語集

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日常生活でも自然に使われている、ギリシャ神話の神々に由来する「慣用句」及び「単語」
とと(父)

こんにちは!
かんたんギリシャ神話入門の時間だよ!

ことと

今回は、いつもとはちょっと趣向を変えて……

ことと

ギリシャ神話の神々に由来する、さまざまな
慣用句単語をざっくりとご紹介するわよ

ヒヒ

神話にそこまでの興味がなくとも、
「あっ!これ知ってる~」と楽しんでもらえるじゃろう

とと(父)

ではさっそくいってみよう!

このシリーズでは、忙しいけど「ギリシャ神話」についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。

雄大なエーゲ海と石灰岩の大地が生み出した、欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。

人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。

今回は、日常生活でも自然に使われている、ギリシャ神話の神々に由来する「慣用句」及び「単語」を一挙にご紹介します!

ドミニク・アングル『神々の父ゼウスとテティス』1811年
ドミニク・アングル
『神々の父ゼウスとテティス』
1811年 PD
目次

ニュースやビジネスでよく聞く「慣用句」・「表現」

どんな神さまたちが言葉の由来とされたのか、さっそく見ていきましょう。

ことと

詳細は個別記事でも解説しているから、
よければそちらも見てみてね

パンドラの箱を開ける

意味

「触れてはならないタブーに触れ、災難を招く」こと。

あるいは、「一度解放すると取り返しのつかない災厄や問題を引き起こすもの」を指していう言葉。

さまざまな災いを引き起こす原因となるものの例え。

「パンドラのはこ」とも。

由来

人類最初の女性パンドラ(Πανδώρα)

神話

パンドラは、雷霆らいていの神ゼウス(ΖΕΥΣ)が人間に災いをもたらすために作った、あらゆる魅力を備えた女性です。

彼女は「絶対に開けてはならない」と言われていた箱を好奇心から開けてしまい、病気や嫉妬などの災いが世界に飛び散りました。

ちなみに、「箱」というのは比較的後世において出てきた解釈で、正確には「ピトス(πίθος)」と呼ばれる壺あるいはかめであったとされています。

パンドラ

あと何千年、悪口いわれなあかんの、あーし

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『パンドラ』1896年
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
『パンドラ』
1896年 PD

パンドラの詳細はコチラ!

アキレス

意味

足にある脹脛ふくらはぎの腓腹筋・ヒラメ筋をかかとの骨にある踵骨隆起に付着させる腱。

比喩ひゆ的に「強者がもつ唯一の弱点」あるいは「致命的な急所」を指す言葉としても用いられる。

由来

半神の英雄アキレウス(Ἀχιλλεύς)

神話

アキレウスはトロイア戦争の時代に活躍した無敵の英雄です。

赤ん坊の頃、母親が冥界のステュクス(Στυξ)に彼を浸して「不死身の肉体」にしましたが、その際につかんでいた「かかと」だけが水に浸からず唯一の弱点となりました。

最終的に、光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ)に導かれたトロイアの王子パリス(Πάρις)の放つ矢がここを射抜き、アキレウスは敵地にて命を落とします。

アキレウス

わざわざこんなピンポイントな場所に当たるかね

フランソワ=レオン・ベヌヴィル『アキレスの怒り』1847年
フランソワ=レオン・ベヌヴィル
『アキレスの怒り』
1847年 PD

アキレウスの詳細はコチラ!

ハルシオン・デイズ

意味

冬至前後の天候の穏やかな時期、あるいは平穏な時代、穏やかな日々を表す英語表現。

由来

テッサリアの王女アルキュオネー(Αλκυονη)

神話

アルキュオネーは夫ケユクス(Κήϋξ)を亡くした悲しみから海に身を投げ、神々によってカワセミ(アルキュオネ)に変えられた女性です。

冬至前後の2週間、風の神アイオロス(Αιολος)が海に吹く風を静め、カワセミとなった娘が海の浮巣うきすで卵をかえすのを優しく見守ったという伝説から、穏やかな繁栄の時期を指す言葉になりました。

アルキュオネー

夫を海の藻屑もくずにしたのも、その神々だけどな

ハーバート・ジェームズ・ドレイパー『ハルシオン』1915 年
ハーバート・ジェームズ・ドレイパー
『ハルシオン』
1915 年 PD

アルキュオネーの詳細はコチラ!

プロメテウスの火

意味

「人類の進歩を促すが、一歩間違えると身を滅ぼすイノベーション」などの比喩ひゆ表現。

原子力やAIなど、人間の力では制御できないほど「強大でリスクの大きい科学技術」の暗喩あんゆとしても用いられる。

由来

先見の神プロメテウス(Προμηθεύς)

神話

プロメテウスは、天界から「火」を盗み出し、未熟だった人間たちにこれを与えた“人類推し”のティタン神族(Τιτηνες)です。

この行為に激怒したゼウスは、彼をコーカサス山脈の頂上に縛り付け、永遠に大鷲おおわしに肝臓をむさぼられるという刑に処しました。

この罰は3万年ものあいだ続き、プロメテウスは後に半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)によって救出されています。

プロメテウス

食い散らかされた内臓は、
次の日には綺麗に回復しちゃうのよね

ヤン・コシエール『火を運ぶプロメテウス』1637年
ヤン・コシエール
『火を運ぶプロメテウス』
1637年 PD

プロメテウスの詳細はコチラ!

「日常会話」や「感情」を表す言葉

パニック(Panic)

意味

突然の恐怖や予期せぬ事態により極度の不安に陥り、頭の中が混乱したり、正常な判断や行動ができなくなったりする心理状態のこと。

由来

牧神パン(Παν)

神話

パンはギリシャ神話に登場する牧神で、山々や森、牧草地といった自然環境を司り、羊飼いや狩人たちの守護神としても崇敬を集めました。

彼は森の神あるいは山岳の神として旅人の前に不意に現れ、相手に「恐怖」や「動揺」、「苦悩」などの感情を与えるとも信じられていたそうです。

彼が突然上げる「叫び声」は、人間や動物たちを理性を失った極限の恐慌きょうこう状態に陥れました。

パン

まぁ、いわゆるデバフ技ってやつやね

ウォルター・クレインによる-牧神パンの挿絵 年代不明
ウォルター・クレインによる
-牧神パンの挿絵
年代不明 PD

パンの詳細はコチラ!

エコー(Echo)

意味

「こだま」や「反響(音や電波が跳ね返ってくる現象)」を意味する言葉。

「残響」あるいは「山びこ現象」とも。

由来

山の精霊エコー(Ἠχώ)

神話

エコーはおしゃべり好きな山の妖精で、ゼウスの浮気を隠そうと最高神の妻ヘラ(Ἥρα)にウザがらみを続けた結果、罰として「自分から話せず、他人の言葉を繰り返すことしかできない」という呪いを受けました。

その後、彼女は美少年ナルキッソスを相手に手痛い失恋を経験し、肉体を失って「声」だけの存在(山彦=エコー)になったと伝えられています。

エコー

ギリシャのツートップに板挟みにされて、
どないせぇっちゅうねん!!

アレクサンドル・カバネル『エコー』1887年
アレクサンドル・カバネル
『エコー』
1887年 PD

エコーの詳細はコチラ!

ナルシスト(Narcissist)

意味

自分自身を過剰に愛し、自己陶酔している人のこと。

あるいは自己を性的な対象とみなす状態を言う。

正確には「ナルシシズム(narcissism)」で、日本で浸透している「ナルシスト」という表記は正しい熟語としては認められていない。

由来

テスピアイの狩人ナルキッソス(Νάρκισσος)

神話

ナルキッソスはボイオティア地方のテスピアイに住む眉目秀麗びもくしゅうれいな美少年です。

傲慢な性格をしていた彼は、多くの人々から求愛を受けましたが、そのすべてを冷酷に拒絶。

憤怒の女神ネメシス(Νέμεσις)にらまれたナルキッソスは、池の水面に映る自分の姿に恋をしてしまうという呪いを受け、思いが伝わらないことの辛さをその身で実感しつつ衰弱し、やがて息を引き取って水仙の花に変じました。

ナルキッソス

望まぬ恋愛を拒否する権利は、
わしにもあったはずだがねぇ

ヤン・ルース『泉のナルキッソス』1650年
ヤン・ルース
『泉のナルキッソス』
1650年 PD

ナルキッソスの詳細はコチラ!

ミゼリー(misery)

意味

「悲惨さ」や「苦悩」、「不幸」を意味する英単語。

由来

苦悩の女神オイジュス(Ὀϊζύς)

神話

オイジュスは「悲惨さ」や「悲嘆」、「苦難」や「苦痛」といった人間のネガティブな感情を象徴する女神です。

彼女のローマ神話名「ミゼリア(Miseria)」が、英単語の「misery」の語源となりました。

オイジュス

特にこれといったエピソードがないのよ

苦悩の女神オイジュス
オイジュスのイメージ
ImageFXで作成

オイジュスの詳細はコチラ!

ジンクス(Jinx)

意味

科学的根拠に基づかず、経験に基づき唱えられることの多い「縁起の悪い言い伝え」を指す言葉。

一般的な迷信や民間伝承で語られる、呪いや不運やマイナスの運を引き寄せる性質のこと。

由来

呪術の精霊イユンクス(Ιυνξ)

神話

イユンクスは、自然界の精霊ニンフ(Νύμφη)の一柱で、「呪術」や「魔法」と関連付けられた存在です。

彼女は、魔術的な呪具じゅぐである「イユンクス(iynx)」の発明者とされ、コマのように回転させる輪にアリスイ(鳥)を結びつけたこの道具は、一般に“恋愛成就”の魔法に用いられました。

イユンクス

どの時代でも、女子の心をつかんで
離さぬコンテンツじゃ!

呪術の精霊イユンクス
イユンクスのイメージ
ImageFXで作成

イユンクスの詳細はコチラ!

タナトス(Thanatos)

意味

心理学者フロイトが提唱した「死への衝動」で、「デストルドー(destrudo)」とも。

「生への衝動」を表す「エロス」の対極となる概念。

由来

死の神タナトス(Θανατος)

神話

タナトスは冥界の王ハデス(ΑΙΔΗΣ)に仕える神で、人々に「非暴力的な死」、あるいは「穏やかな死」をもたらした存在です。

彼は「残酷な死」や「暴力的な死」を与えるようなことはせず、あくまでも定められた運命に従って仕事をしていただけなのですが、どこに行っても忌み嫌われるという損な役回りを押し付けられた男でもありました。

タナトスの名称はこの他にも、「死恐怖症」を意味する英単語「Thanatophobia」や、「安楽死」を意味する英単語「euthanasia」、「死生学」を意味する英単語「thanatology」などの語源にもなっています。

タナトス

真面目に役所の仕事をしていたら、
いきなりボコボコに殴られたこともありました

ヤチェク・マルチェフスキ『Thanatos I』1892年
ヤチェク・マルチェフスキ
『Thanatos I』
1892年 PD

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エロス(Eros)

意味

フロイト心理学における「生への欲動」を指す用語。

対義語は「タナトス(死の欲動)」。

由来

愛の神エロス(Ἔρως)

神話

エロスは「愛」を司る神です。

ローマ神話においてはクピド(Cupīdō)またはアモル(Amor)、英語でキューピッド(Cupid)と呼ばれる彼の名称からは、翼を持つ可愛らしい幼児や美しい青年の姿が思い浮かぶかもしれません。

実は、そのイメージはかなり時代が下がってからできあがったもので、もともとのエロスは『天地創生』の段、ギリシャ神話の最初期に現れた極めて原始的な存在でした。

エロス

「キューピーちゃん(Kewpie)」も俺っち由来だよん

アンジェリカ・カウフマン『エロスの勝利』1750-1775年
アンジェリカ・カウフマン
『エロスの勝利』
1750-1775年 PD

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ヒュプノシス(hypnosis)

意味

暗示によって誘い込まれる、睡眠に似た変性意識状態(催眠状態)や催眠術そのものを指す言葉。

由来

眠りの神ヒュプノス(Ὑπνος)

神話

ヒュプノスは「眠り」を擬人化した原始的な神格です。

彼は、特に双子の兄弟である死の神タナトスと対を成す存在として見なされることもありました。

2人はそれぞれ隣り合う洞窟で暮らしており、そこには太陽や月の光が一切差し込まず、じめじめとした地面は、眠りを誘う「ケシ」などの植物に覆われていたとされています。

ヒュプノス

Zzzzzzz……

イーヴリン・ド・モーガン『眠りと死、夜の子供たち』1883年
イーヴリン・ド・モーガン
『眠りと死、夜の子供たち』
1883年 PD

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ルナティック(lunatic)

意味

「狂気じみた」「常軌を逸した」「精神に異常をきたした」という意味を表す英単語。

「lunacy」も同様。

由来

月の女神セレネ(Σελήνη)

神話

セレネは「月」を象徴する古い女神で、ティタン神族の第2世代として「昼」と「夜」のサイクルを象徴しました。

彼女は毎晩、大洋の巨神オケアノス(Ωκεανος)が象徴する川から天空へと昇り、夜空を照らしながら月の周期を司ったと言われています。

古い時代においては、月が人を狂わせるとも信じられていたことから、セレネのローマ神話名である「ルナ(Luna)」が上記の語源となりました。

セレネ

月に代わって、おしおきよ!

アルベール・オーブレ『セレネ』1880年
アルベール・オーブレ
『セレネ』
1880年 PD

セレネの詳細はコチラ!

フューリー(fury)

意味

「激しい怒り」や「憤り」を意味する英単語。

「激怒した」や「猛烈な」を表す「furious」も同様。

由来

復讐の女神エリニュス(Ἐρινύς)

神話

エリニュスは3姉妹からなる女神たちで、「正義」と「秩序」を守り、それを冒涜ぼうとくする者への「報復」や「処罰」を司る神格でした。

彼女たちが守護していたものの中でも、特に重んじられていたのが、古代社会における最重要の価値観──血縁の掟です。

エリニュスは血族間における侮辱ぶじょくや暴行を犯した者を追求し、彼らに厳しい罰を与えました。

彼女たちの英語名である「フューリー(Fury)」が、上記の語源になったとされています。

エリニュス

お兄さん、まだ償ってない「罪」あるよね?

エリニュス

ちょっと事務所まで来てもらいましょか

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー『オレステスの後悔』1862年
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー
『オレステスの後悔』
1862年 PD

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ハーモニー(harmony)

意味

「調和」「一致」「和合」を意味する英単語。

由来

調和の女神ハルモニア(Ἁρμονία)

神話

ハルモニアはあらゆる要素の統一の原理を体現した女神で、「夫婦の調和」や「争いと不和の鎮静」、「戦争における兵士の統率のとれた行動」などを司りました。

いかにも平和的な神格である彼女ですが、実は戦いの神アレス(ΑΡΗΣ)と愛と美と性の女神アフロディーテ(ΑΦΡΟΔΙΤΗ)の不倫の末に生まれた、不義の子でもあったとされています。

そのためか、ハルモニアとテーバイの王カドモス(Κάδμος)の結婚をよく思わない神々も多く、彼女とその子孫たちは理不尽なまでの苦難の人生を送ることとなりました。

ハルモニア

親ガチャをはずすととんでもねぇ目に遭うのよ

エヴリン・デ・モーガン『カドモスとハルモニア』1877年
エヴリン・デ・モーガン
『カドモスとハルモニア』
1877年 PD

ハルモニアの詳細はコチラ!

サイキ(Psyche)

意味

「精神」や「魂」、「霊魂」を意味する英単語。

由来

魂の女神プシュケ(Ψυχή)

神話

プシュケはもともと女神ではなく、とある王国の王女、つまり普通の人間族でした。

とあるきっかけから愛の神エロス(Ἔρως)と結婚した彼女は、紆余曲折を経てしゅうとめである愛と美と性の女神アフロディーテ(ΑΦΡΟΔΙΤΗ)をも黙らせ、魂を司る女神として昇華したと伝えられています。

その名称は上記の語源となり、転じて「心理学(psychology)」や「精神医学(psychiatry)」、「サイコパス(psychopath)」といった用語にも発展しました。

プシュケ

末永くよろしくお願いいたしますわ、
義母かあさま(ビキビキビキ…

フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』1798年
フランソワ・ジェラール
『プシュケとアモル』
1798年 PD

プシュケの詳細はコチラ!

ヒーロー(Hero)

意味

「英雄」を指す英単語。

由来

結婚の女神ヘラ(Ἥρα)

神話

ヘラは古代ギリシャ世界に君臨した神々の女王で、出産や母性、貞節に加えて女性全般の守護をも司る女神です。

彼女はこのほかにも、空や星々と関連付けられ、基本的には家族および家庭生活と深く結びついた神格として、古い時代から崇敬を集めました。

しかし、浮気性の主神ゼウスを夫としたことから、不倫相手に怒りの制裁を加えまくるブチギレおばさんとしてのキャラクターが定着してしまっています。

上記の語源とされたギリシャ語の「へロス(Heros)」が、「ヘラ」の男性形であると考えられていました。

ヘラ

泥棒猫は、何者であっても根絶やしにする……

ゲイヴィン・ハミルトン『ゼウスとヘーラー』1770年
ゲイヴィン・ハミルトン
『ゼウスとヘーラー』
1770年 PD

ヘラの詳細はコチラ!

意外な「英単語」や「固有名詞」

ヨーロッパ(Europe)

意味

六大州の一つで、ユーラシア大陸の北西部およびその周辺の島々を含む地域を指す。

欧州おうしゅう」とも。

由来

フェニキアの王女エウロペ(Εὐρώπη)

神話

エウロペはフェニキアに住む美しい王女です。

その美貌に一目惚れした最高神ゼウスは、真っ白な美しい牡牛おうしに変身して当人に接近し、彼女を背中に乗せてクレタ島へと連れ去ってしまいました。

エウロペが連れて行かれた西方の土地一帯が、彼女の名前をとって「ヨーロッパ」と呼ばれるようになったとされています。

エウロペ

すんげぇスケール感で後世に名前が残ったけど…
問答無用で拉致されてますからね

レンブラント・ファン・レイン『エウロペの誘拐』1632年
レンブラント・ファン・レイン
『エウロペの誘拐』
1632年 PD

エウロペの詳細はコチラ!

アジア(Asia)

意味

六大州の一つで、一般的にヨーロッパを除くユーラシア大陸全般を指す地域。

ただし、古代ギリシャ人にとっての「アジア」は現在のトルコあたりのことを指す。

由来

水の精霊アシア(Ασια)

神話

アシアは「水」にまつわる無数の神格の一柱として生まれた精霊で、数多くの兄弟姉妹と共に地上の水域の養育・保護を司り、特にアナトリア半島のリディア周辺をその担当地域としました。

彼女が見守ったエリアは現在のトルコ周辺にあたり、古代ギリシャ人がその地を「アジア」と呼んだことから、現代でも使われる広義の「アジア」の語源になったとされています。

ことと

その他には、特にこれといったエピソードがないのよねん

水の精霊アシア
アシアのイメージ
Canvaで作成

アシアの詳細はコチラ!

オーシャン(ocean)

意味

「大洋」や「海洋」を意味する英単語。

陸地に近い身近な海(sea)とは異なり、地球規模の広大で深い海や、太平洋などの五大洋を指す際に用いられる。

由来

大洋の巨神オケアノス(Ωκεανος)

神話

オケアノスは創生初期のギリシャ世界を支配したティタン神族(Τιτηνες)の一柱です。

彼は「泉」や「井戸」、「雨雲」など、地上に存在するすべての「淡水」を司る神格であったと考えられています。

またオケアノスは、この世界をぐるりと取り囲む「大河」そのものとも見なされ、太陽をはじめとした天体は彼の「水」から昇り、そこへ沈むとも解釈されました。

オケアノス

しょうもない権力闘争には参加しなかったから、
ずーっとこの世界に横たわっているよ

大洋の巨神オケアノス
オケアノスのイメージ
Canvaで作成

オケアノスの詳細はコチラ!

アトランティック・オーシャン(Atlantic Ocean)

意味

「大西洋」を意味する英単語。

地球表面の約6分の1を占める、太平洋に次いで世界で2番目に大きい大洋。

北アメリカ・南アメリカ大陸と、ヨーロッパ・アフリカ大陸の間に広がり、総面積は約8,244万平方キロメートルに及ぶ。

由来

天を支える巨人アトラス(Ἄτλας)

神話

アトラスはギリシャ神話に登場するティタン神族(Τιτηνες)の巨人です。

オリュンポスの神々との戦いに敗れた彼には、世界の西の果てに立ち、天空を担いで永遠に支え続けるという特別な刑罰が言い渡されました。

超巨大な彼の名称はこの他にも、地図帳の代名詞である『アトラス』や「アトラス山脈(Atlas Mountains)」、伝説の島「アトランティス(Ατλαντίς)」や「アトラスオオカブト(Atlas beetle)」などの語源にもなっています。

アトラス

もうこの仕事辞めたい……

グエルチーノ『天球を支えるアトラス』1646年
グエルチーノ
『天球を支えるアトラス』
1646年 PD

アトラスの詳細はコチラ!

イオニア海(Ionian Sea)

意味

地中海の海域の一つで、ギリシャ半島(バルカン半島南部)とイタリア半島南部の間に広がり、北にアドリア海と接する。

由来

アルゴスの王女イオ(Ῑ̓ώ)

神話

イオはアルゴスの地に住む美しい王女です。

最高神ゼウスに見初められた彼女は問答無用でその寵愛ちょうあいを受けますが、不倫の現場に主神の正妻である女神ヘラが登場。

イオは、状況を誤魔化そうとしたゼウスによって牝牛めうしの姿に変えられ、それを怪しんだヘラが放った凶悪な大虻おおあぶに追いまわされるという憂き目に遭ってしまいます。

逃走の際に彼女が通った海域が、その名をとって「イオニア海」と名付けられました。

また、同じタイミングで「ボスポロス海峡(Bosporus)*」という地名も生まれています。
※「牝牛の渡り」の意

イオ

夫婦喧嘩に無理やり巻き込まれた挙句このざま…
もう人生に疲れたわ……

アントニオ・ダ・コレッジョ『ユピテルとイオ』1531年頃
アントニオ・ダ・コレッジョ
『ユピテルとイオ』
1531年頃 PD

イオの詳細はコチラ!

ボルケーノ(volcano)

意味

「火山」を意味する英単語。

由来

鍛冶の神ヘパイストス(Ἥφαιστος)

神話

ヘパイストスは「天上の職人」とも呼ばれた鍛冶の神で、「火」や「金属加工」、「石工」や「彫刻」、「職人の守護」など、創造に関わるあらゆる要素を司った神格です。

彼は、その見た目を理由に母親である結婚の女神ヘラ(Ἥρα)から育児放棄をされましたが、持ち前の真面目さと能力でのし上がり、最終的には「オリュンポス12神」の一柱に数えられるまでに成功しました。

ヘパイストスのローマ神話名である「ウルカヌス(Vulcanus)」が、上記の語源になったとされています。

ヘパイストス

クソ女どもにもきっちりと報復したったわぃ

ピーテル・パウル・ルーベンス 『ゼウスの雷を鍛えるヘーパイストス』1636年-1638年頃
ピーテル・パウル・ルーベンス
『ゼウスの雷を鍛えるヘーパイストス』
1636年-1638年頃 PD

ヘパイストスの詳細はコチラ!

アテネ(Athens)

意味

ギリシャ共和国の首都で同国最大の都市。

由来

戦いの女神アテナ(Αθηνη)

神話

アテナは戦いや知恵を司る女神で、古代ギリシャ全土で最も崇拝され、重要視された神格の1柱です。

主神ゼウスの頭をかち割って、完全武装に身を包んだ状態で誕生した彼女は、あらゆる技芸技巧をも司るバリキャリウーマンで、アテナが守護した都市にはそのまま「アテナイ」の名称が与えられました。

アテナ

まぁ、これは基本中の基本だわね

レンブラント『パラス・アテナ』1657年
レンブラント
『パラス・アテナ』
1657年 PD

アテナの詳細はコチラ!

キメラ(chimera)

意味

同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態や、そのような状態の個体を指す生物学用語。

嵌合体かんごうたい」とも。

由来

合成獣ごうせいじゅうキマイラ(Χιμαιρα)

神話

キマイラは、「ライオン」の頭部と身体を有し、胴体からは「山羊」の頭部と乳房がはえ、尾の部分は「蛇」の姿をしているという、恐ろし気なビジュアルを備えた奇妙奇天烈きみょうきてれつな伝説上の怪物です。

彼女は巨大で恐ろしく、力強く俊敏な足をもつ獣に成長し、灼熱の炎を吐くことで無敵に近い強さを誇るようになりました。

しかしキマイラは、有翼の天馬ペガサス(Πγασος)を駆るコリントスの王ベレロフォン(Βελλεροφῶν)によって、ほぼ完封に近い敗北を喫しています。

キマイラ

がお~

ローマ時代のモザイク「ペガサスに乗ってキマイラを退治するベレロフォン」西暦2~3世紀
ローマ時代のモザイク「ペガサスに乗ってキマイラを退治するベレロフォン」
西暦2~3世紀 PD
出典:Musée Rolin Autun

キマイラの詳細はコチラ!

クロニクル(chronicle)

意味

「年代記」や「編年史」を意味する英単語。

由来

時間の神クロノス(Χρονος)

神話

クロノスは時間を司る原初の神格で、太古の水の神ヒュドロス(Ὑδρος)と大地の女神ガイア(Γαῖα)の息子とされるほか、天地創造の際に「無」より自ら生じたとも考えられています。

彼は、あまりメジャーではない宗派の世界創生神話において、妻である必然性の女神アナンケ(Αναγκη)と共に、「世界の卵」を分裂させて「地・海・空」からなる、秩序ある宇宙を創造したとも伝えられています。

クロノス

『クロノ・トリガー』とかでもピンとくるじゃろ?

ピエール・ミニャール『キューピッドの翼を切り取る時間』1694年
ピエール・ミニャール
『キューピッドの翼を切り取る時間』
1694年 PD

クロノスの詳細はコチラ!

モルヒネ(morphine)

意味

ケシを原料とする、極めて強力な鎮痛作用をもつオピオイド系化合物。

由来

夢の神モルペウス(Μορφευς)

神話

モルペウスは夢を司る神々オネイロイ(Ονειροι)の一柱で、その名は「形づくる者」を意味します。

彼は「人間」の姿をとって人の夢に現れることを得意とし、歩き方や話の仕方、衣服の着こなし方や物腰まで完璧に再現したとされています。

モルペウスオネイロイのリーダー的存在で、特に王族の夢に現れ、彼らに神々からの意志を伝える役割を担いました。

また、「オネイロイ」という総称自体も、「夢に関する」「夢を連想させる」を意味する英単語「oneiric」の由来となっています。

オネイロス

夢≒眠り≒鎮静ってイメージやろうね

夢の神々オネイロイ
オネイロイのイメージ
ImageFXで作成

オネイロイの詳細はコチラ!

パイソン(Python)

意味

「ニシキヘビ」を意味する英単語。

由来

蛇の怪物ピュトン(Πύθων)

神話

ピュトンは大地の女神ガイア(Γαῖα)の子として生まれた巨大な蛇で、古い時代においてはパルナッソス山(Παρνασσός)の洞窟に棲み、デルフォイの神託所を守護するという非常に重要な役割を担っていました。

しかし、時代が下がって光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ)が台頭すると、彼はデルフォイの神託を掌握すべく現地を来訪。

ピュトンは「古き存在」として光明神の矢を受け、文字通り「怪物」として退治される憂き目に遭いました。

ちなみに、プログラミング言語「Python(パイソン)」の名称の由来は、イギリスのコメディユニット「モンティ・パイソン」なのだそうです。

ピュトン

ぽっとでの小僧に席を奪われちゃったのよ

蛇の怪物ピュトンのイメージ
蛇の怪物ピュトンのイメージ
ImageFXで作成

ピュトンの詳細はコチラ!

トリビア(trivia)

意味

「雑学的知識」や「豆知識」を意味する英単語。

由来

魔術の女神ヘカテ(Ἑκάτη)

神話

ヘカテは魔術と月を司る女神で、両親から「天」「地」「海」を支配する力を受け継ぎ、人間たちに「富」「勝利」「知恵」を、特に船乗りや狩人には「幸運」を、若者や家畜の群れには「繁栄」を与えるとされました。

彼女のローマ神話名である「トリウィア(Trivia)」に「三叉路」の意味があり、それが取るに足らない瑣末さまつなものと見なされたことから転じて上記の言葉の由来となったようです。

ヘカテ

へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~

ウィリアム・ブレイク『ヘカテー』1795年
ウィリアム・ブレイク
『ヘカテー』
1795年 PD

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ヘリウム(Helium)

意味

原子番号2の無色・無臭の気体(元素記号:He)

宇宙で水素に次いで2番目に多く存在するが、地球上では非常に希少で不燃性であるという特徴をもつ。

発見当時、太陽を構成する元素だと考えられていた。

由来

太陽神ヘリオス(Ἥλιος)

神話

ヘリオスは、光明の神アポロンが台頭するよりも古い時代に天を司った太陽神で、ティタン神族の第2世代として「昼」と「夜」のサイクルを象徴しました。

彼は、大洋の神オケアノス(Ωκεανος)が象徴する川の向こう、地の果てにある黄金の宮殿に住み、毎朝そこから太陽の光輪を冠して、翼をもつ4頭の馬にかれた戦車を駆って現れたとされています。

また、ヘリオスのローマ神話名である「ソル(Sol)」は、「太陽の」「太陽光線を利用した」などを意味する英単語「Solar」の語源にもなっています。

ヘリオス

わしは太陽を司るっていうより、
太陽“そのもの”だったのよ

アントン・ラファエル・メングス-正午の擬人化としてのヘリオス1765年頃
アントン・ラファエル・メングス
-正午の擬人化としてのヘリオス
1765年頃 PD

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オーロラ(aurora)

意味

天体の極域近辺に見られる大気の発光現象を指す用語。

由来

あかつきの女神エオス(Ἠώς)

神話

エオスは「あかつき」を司る女神で、ティタン神族の第2世代として「昼」と「夜」のサイクルを象徴しました。

彼女は毎朝、大洋の神オケアノスが象徴する川から天空へと昇り、夜の闇を優しく払いのけ、兄ヘリオス(太陽)の到来を告げる役割を果たしたと伝えられています。

夜明けの光を体現するエオスは、「希望」や「再生」、そして「新たな始まり」などの要素も表しました。

彼女のローマ神話名である「アウロラ(Aurora)」が、上記の語源になったとされています。

エオス

呪いのせいでとんでもない
クソビッチにされちゃったのよ

イーヴリン・ド・モーガン『エオス』1895年
イーヴリン・ド・モーガン
『エオス』
1895年 PD

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タイフーン(typhoon)

意味

「台風」を意味する英単語。

由来

最大最強の怪物テュポン(Τυφών)

神話

テュポンは神とも怪物ともいわれる蛇のような巨人で、世界で最も恐ろしい生き物のひとつです。

物語の設定上「最強最大」とされるその実力は主神ゼウスにも比肩するといわれ、実際にテュポンは一度、オリュンポスの王である彼との戦いで勝利を収めたこともありました。

その名称を上記の語源とする説もありますが、アラビア語の「tufan」、あるいは中国語の「颱風」がもとになったというのが一般的な定説とされているようです。

テュポン

ほぼほぼ勝ってたんだけどね
おれが世界の王だった可能性も全然あるのよ

ギリシャ神話の怪物テュポーン
ギリシャ神話の怪物テュポーン PD

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サイレン(siren)

意味

「警報装置」や「警笛」を意味する英単語。

由来

海の怪物セイレーン(Σειρήν)

神話

セイレーンは上半身が人間の女性、下半身が「鳥」または「魚」の姿をした、半人半獣の海の怪物です。

その歌声は美しく魅惑的で、彼女たちは航行中の人々を惑わし、数多くの船を難破させたと伝えられています。

セイレーンの声は船乗りにとって「死」を意味し、聞けば即座に逃げる必要があったので、その英語名「サイレン(Siren)」が上記の語源にもなりました。

また、セイレーンの名称には、「非常に魅力的であると同時に危険な女性」を指す俗語としての意味もあるとされています。

セイレーン

ボエ~

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス『オデュッセウスとセイレーンたち』1891年
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
『オデュッセウスとセイレーンたち』
1891年 PD

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ミュージック(music)

意味

「音楽」を意味する英単語。

由来

芸術の女神ムーサイ(Μοῦσαι)

神話

ムーサイは「芸術」と「技芸」、「音楽」を司る9柱の女神たちです。

文化や平和を司った9姉妹は、もっぱら詩人や音楽家をはじめとした芸術家のところに現れ、彼らにさまざまな能力や霊感を授けたと言われています。

彼女たちの英語名である「ミューズ(Muse)」は上記の語源となったほか、「博物館」や「美術館」を意味する英単語「museum」や「楽しませる」を意味する英単語「amuse」、「モザイク」を意味する英単語「mosaic」の由来にもなったとされています。

テルプシコラ

それぞれ、専門的な芸術分野を担当したのよ

ギュスターヴ・モロー『アポローンと9人のムーサ』1856年
ギュスターヴ・モロー
『アポローンと9人のムーサ』
1856年 PD

ムーサイの詳細はコチラ!

シリアル(cereal)

意味

穀物、穀類や朝食用の「シリアル」を意味する英単語。

由来

豊穣の女神デメテル(ΔΗΜΗΤΗΡ)

神話

デメテルは豊穣を司る女神です。

その名称は「母なる大地」を意味するとされ、彼女は大地に種を撒いてそれを収穫し、古代ギリシャ人の主食であった「穀物」の生産に深く関わりました。

また、デメテルは「健康」や「出産」、「結婚」などを司る女神とも考えられていたようです。

彼女のローマ神話名である「セリーズ(Ceres)」あるいは「ケレス」が、上記の語源になったとされています。

デメテル

普段は優しいけど、ブチギレたら
世界を滅ぼすレベルで恐ろしいわよ

イーヴリン・ド・モーガン『ペルセポネーを悼んだデーメーテール』1906年頃
イーヴリン・ド・モーガン
『ペルセポネーを悼んだデーメーテール』
1906年頃 PD

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『風の谷のナウシカ』

意味

宮崎駿監督による日本の漫画作品。

1982年に徳間書店のアニメ雑誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品で、1984年に宮崎氏自身の監督による劇場アニメが公開された。

由来

パイアキアの王女ナウシカア(Ναυσικάα)

神話

ナウシカアはパイアキアの王アルキノオス(Ἀλκίνοος)と王妃アレテ(Ἀρήτη)の娘で、「スケリア島」とも呼ばれたパイアケス人の土地で暮らしました。

人格者の両親に育てられた彼女はとても美しく、その容姿は狩猟の女神アルテミス(ΑΡΤΕΜΙΣ)にもたとえられたと言われています。

ナウシカアは、イタキ島の王オデュッセウス(Ὀδυσσεύς)の10年にも及ぶ故郷への旅を描いた物語『オデュッセイア(Ὀδύσσεια)』に登場し、遭難した主人公を親切に助ける素晴らしき善人として、印象的な活躍を果たしました。

そんな彼女の名称が、作品の主人公「ナウシカ」の由来となっています。

ナウシカア

ギリシャ神話では死ぬほど珍しい、
シンプルな善人よ

マルク=シャルル=ガブリエル・グレール『オデュッセウスとナウシカアー』1874年
マルク=シャルル=ガブリエル・グレール
『オデュッセウスとナウシカアー』
1874年 PD

ナウシカアの詳細はコチラ!

その他のギリシャ神話由来の言葉

とと(父)

他にも、ギリシャ神話由来の言葉はたくさんあるんだよ!

ことと

名称の青文字から個別記事にも飛べるわよ

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言葉意味・由来
ミント
(mint)
シソ科ハッカ属の多年草(香草)の総称で、メントール成分による清涼感のある香りが特徴。
冥界の王ハデス(ΑΙΔΗΣ)の数少ない浮気相手で、女神によって踏み潰されたコキュートス川の精霊ミンテ(Μένθη)の名称から。
ハリモグラ
(Echidna)
卵生哺乳類の動物。
その英名の由来となったのが、「すべてのモンスターの母」とも呼ばれた半人半蛇の怪物エキドナ(Ἔχιδνα)である可能性が指摘されている。
クジラ目
(Cetacea)
偶蹄目ぐうていもく(クジラ・イルカ・ネズミイルカなど)に属する水生哺乳類の下目。
主要な物語にちょいちょい登場する海の怪物ケトス(Κητος)の名称から。
リッサウイルス
(Lyssavirus)
狂犬病の原因物質を含む、致命的な感染症病原体となる14種のウイルスの総称。
「狂気の怒り」や「盲目的な怒り」、そして「狂乱」が擬人化された存在である激怒の女神リッサ(Λύσσα)の名称から。
○○痛
(-algia)
「○○痛」の意味の名詞を造る接尾辞で、「痛み」を意味するギリシャ語「álgos」からきている。
※「cephalgia(頭痛)」など。
人々に「苦痛」と「苦悩」、「悲痛」と「悲愴」そして「悲嘆」を与え、「涙」と「嗚咽」をもたらす苦痛の女神アルゲア(Αλγεα)の名称から。
フォビア
(phobia)
「恐怖症」を意味する英単語。
ギリシャ語で「恐怖」を意味する「phobos」が、恐慌の神フォボス(Φοβος)の名称に由来する。
アラクノフォビア
(Arachnophobia)
「クモ恐怖症」の英名。
古代ギリシャ語で「蜘蛛」を意味する「Arachne」が、リディアの機織女はたおりめアラクネ(Αραχνη)の名称に由来する。
オルフェウス教
(Orphism)
古代ギリシャの宗教一派で、オルフェウスが伝えたとされる特殊なストーリーのギリシャ神話を信じ、輪廻転生りんねてんせいや魂の浄化を説いた。
明確な教団組織をもたず、密儀や禁欲生活を主な活動としたとされる。
伝説の吟遊詩人ぎんゆうしじんオルフェウス(Ὀρφεύς)の名称から。
エーテル
(Ether)
アリストテレスが四元素説を拡張して提唱した、天体を構成する「第五元素」。
『ファイナルファンタジー』シリーズなどに登場する架空の薬品の名称にも。
光の神アイテル(Αιθηρ)の名称から。
アポロ計画
(Apollo program)
1961年から1972年にかけて実施された、アメリカ航空宇宙局(NASA)による人類初の月への有人宇宙飛行計画。
光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ)の名称から。
イリス
(iris)
虹彩こうさい」を意味する英単語。
「虹」を意味するギリシャ語「イリス」が、虹の女神イーリス(Ἶρις)の名称に由来する。
サイプレス
(Cypress)
糸杉いとすぎ」を意味する英単語。
ケオス島の美少年キュパリッソス(Κυπάρισσος)の名称から。
アルテミシア
(Artemisia)
キク科の植物の1種ヨモギ属(アルテミシア属)の学名。
狩猟の女神アルテミス(ΑΡΤΕΜΙΣ)の名称から。
ハーマフロダィト
(hermaphrodite)
「両性具有」「雌雄同体」を意味する英単語。
両性具有の神ヘルマフロディトス(Ἑρμαφρόδιτος)の名称から。
プリアピズム
(priapism)
医学用語で「持続勃起症」を意味する英単語。
生殖と豊穣の神プリアポス(Πρίαπος)の名称から。
男性の性的魅力が強調された様子を表す英単語「Priapic」の語源にも。
Argus-eyed「監視の厳重な」や「鋭い眼の」、「油断のない」を意味する英語の形容詞。
百眼の巨人アルゴス(Ἄργος)の名称から。
ジャイアント
(giant)
「巨人」「巨大な」を意味する英単語。
巨人族ギガンテス(Γίγαντες)の名称から。
タイタン
(titan)
「巨大な」「強力な」を意味する英単語。
ティタン神族(Τιτηνες)の名称から。
豪華客船タイタニック号の由来にも。
キクロプス目
(Cyclopoid)
ミジンコの一種、一つ目の種類がいることから。
単眼巨人キュクロプス(Κύκλωψ)の名称に由来する。
エレバス山
(Mount Erebus)
南極にある活火山で、名前の由来となった「海軍艦船エレバス」のそのまた由来が暗黒の神エレボス(Ἔρεβος)とされる。
ポントス地方
(Pontus)
現在のトルコ北部、黒海沿岸地域の古代における地名。
海の神ポントス(Πόντος)の名称から。
ウラニウム
(uranium)
原子番号92の放射性元素で、「ウラン」とも。
天空の神ウラノス(Οὐρανός)の名称から。
地質学
(geology)
地球の歴史や構造、そして地層や岩石といった、地球を構成する物質を研究する学問。
大地の女神ガイア(Γαῖα)の名称から。
このほか、「地理学(geography)」や「幾何学(geometry)」の由来にも。

当ブログでは、以下のような「語源・由来まとめ記事」も公開しています。

ギリシャ神話をモチーフにした作品

とと(父)

参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!

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おわりに

今回は、「ギリシャ神話が由来の慣用句・単語まとめ」について解説しました。

ことと

まとめている途中に絶望するくらい、
ものすごい数があったわね

とと(父)

さすが、世界シェアNo.1といっても
過言ではないギリシャ神話だね!

パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。

神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。

これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!

とと(父)

また来てね!

しーゆーあげん!

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参考文献

  • ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
  • ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
  • ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
  • ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
  • ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
  • アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
  • T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
  • 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
  • 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
  • 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
  • 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
  • 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
  • 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
  • かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
  • 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
  • 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
  • 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
  • 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
  • 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
  • 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
  • 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
  • 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
  • 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
  • かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
  • THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/

他…

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