こんにちは!
かんたん世界の神話入門の時間だよ!
今回は、いつもとはちょっと趣向を変えて……
世界の神話の神々に由来する、「曜日」と「月」
のお話をざっくりとご紹介するわよ
神話にそこまでの興味がなくとも、
「へぇ、そうだったんだ~!」と楽しんでもらえるじゃろう
ではさっそくいってみよう!
このシリーズでは、忙しいけど神話についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。
欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。
人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。
今回は、日常生活でも自然に使われている、「曜日」と「月」の由来になった神々を一挙にご紹介します!


『神々の父ゼウスとテティス』
1811年 PD
どんな神さまたちが由来とされたのか、さっそく見ていきましょう。
詳細は個別記事でも解説しているから、
よければそちらも見てみてね
「曜日」の由来となった神々一覧!
まずは、(日)~(土)の
「曜日」の由来を調べてみよう!
そもそも「曜日」とは何か、
そこからざっくりと押さえるぞぃ
「曜日(day of the week)」は、七曜(7つの天体)が守護するとされる日を表す語句である。
「曜日」が循環する7日の組を「週」という。
日本語では各曜日に、日曜日・月曜日・火曜日・水曜日・木曜日・金曜日・土曜日の七曜を冠する。
世界各国では曜日に番号、土着の神、イベントなどを充て、七曜の関係がすたれている地域もあり、各言語での独自の呼び方が存在する。
Wikipedia


7つの惑星や神々の名称を一定順に並べて規則的に巡回させる「週」と「曜日」は、古くはシュメール人が導入し、バビロニア人も採用したといわれています。
この概念は、ローマ文化圏を経由してゲルマン社会にも伝播し、後にキリスト教徒らも広く用いたことで、ほぼ世界のスタンダードと呼べるような枠組みとなりました。
つまり、現在に残る「曜日」の設定は、
以下のような流れでできあがったのよ
- メソポタミア文明発祥の「七曜」の概念が、ローマ文化圏に伝わる。
- ギリシャ・ローマの神々が七つの天体に当てはめられ、自動的に各曜日の担当者も決定する。
- この概念がゲルマン社会にも普及し、各曜日には北欧神話の神々も当てはめられる。
- キリスト教文化圏で一般的になったことから、最終的には日本もこの枠組みを採用する。
つまり「曜日」には、ギリシャ神話と
北欧神話の神々が絡んでいるんだ!
では、さっそく具体的な内容を見ていくぞぃ
各曜日ごとに、当てはめられた天体と
各神話の神さまをまとめているわよ
日曜日(Sunday)


みんな大好き、だけど夕方になると悲しくなってくる「日曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「太陽」で、担当するのは上記の神々です。
ギリシャ神話のヘリオスは「太陽」そのものを擬人化した原始的な神格で、「月」や「暁」を司る姉妹と共に「昼」と「夜」のサイクルを象徴しました。
しかし、時代が下がると光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ)が台頭し、次第に太陽神としてのポジションも彼に取って代わられてしまいます。
一方、一年中どんよりと曇っていて死ぬほど寒かった北欧地域ではそこまで偉大さを感じられなかったのか、「太陽」は最高神の創造物に過ぎず、女神ソールもまた天体の「運行」と「満ち欠け」を支える一労働者に過ぎませんでした。
さらに彼女とその弟は、最終戦争ラグナロクの始まりにおいて、2匹の狼スコル(Sköll)とハティ(Hati)に飲み込まれるという憂き目に遭っています。
わしは太陽そのものなんやけど、君は違うんやねぇ
わたしは、あくまでも太陽を牽く馬車の御者で、
なんならもともと人間ですねん……
一切休憩もないガチのブラック労働ですわ……


『太陽のヘリオス』
1588年-1589年 PD


『ソールとマーニを追いかける狼たち』
1909年 PD
「日曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!




月曜日(Monday)


本人に落ち度はないのだけれど、何となくみんなから忌み嫌われがちな「月曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「月」で、担当するのは上記の神々です。
ギリシャ神話のセレネは上述した太陽神ヘリオスの妹で、兄と共に「昼」と「夜」のサイクルを象徴しました。
ヘリオスとアポロンの立場が入れ替わるのに伴い、「月」を司る彼女の代わりには、狩猟の女神アルテミス(ΑΡΤΕΜΙΣ)が登場したりもしています。
また、ローマ神話のマーニも上記のソールとは兄妹関係にあり、ラグナロク勃発の際には二人揃って仲良く狼の餌食となりました。
ギリシャ・ローマと北欧で男女の立ち位置が違うのも、
なかなかに面白いわよね
待遇が違い過ぎて悲しくなってきますた…


『セレネ』
1650年頃 PD


-ソールとマーニ
1895年 PD
「月曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!




火曜日(Tuesday)


「まだ2日目かぁ、週末が遠いなぁ」という印象しかない「火曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「火星」で、担当するのは上記の神々です。
ギリシャ神話の軍神アレスは戦争の「荒々しさ」や「破滅的な側面」を象徴する存在で、無益な殺生に飢えていて血を求める、「戦略」や「正義」「秩序」とは無縁の、残忍で獰猛な破壊の神でした。
当然ながら、彼は古代ギリシャ中で嫌われていましたが、ローマ時代にマルスとして昇華することで、ようやく市民からの人気と崇拝を獲得しています。
一方、北欧神話に登場するテュールは大胆不敵にして勇猛果敢な戦士であり、冷静沈着で知的な一面も併せもつかなりの人格者でした。
古い時代においては最高神であったともいわれる彼は、巨狼フェンリル(Fenrir)を拘束する際に自らの身を挺し、負傷して隻腕の戦士となっています。
テュール、腕が‼‼wwwww
うわぁ、こういうノリのDQNマジで嫌いだわぁ……


『ウルカヌスに驚かされるマルストヴィーナス』
1827年 PD


『ÍB 299 4to』より
テュール PD
「火曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!




水曜日(Wednesday)


「えっ、今日まだ水曜なの!?木曜だと思ってた!!」と絶望する中日の「水曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「水星」で、担当するのは上記の神々です。
ギリシャ神話のヘルメスは伝令役であるのみならず、「商売」や「貿易」そして「占術」、はては「詐欺」や「窃盗」までも司るマルチな神格でした。
彼は、貴族層には忠実に仕える一方、時には主人に対して盗みや詐欺を働くトリックスターとして、民衆から絶大な人気を得ていたようです。
一方、オーディンは誰もがよく知る北欧神話の最高神で、天地創生の段から活躍し、特に「知識」と「知恵」を得るためなら死ぬ寸前まで身体を張ることもいとわない、ストイックな性格で知られました。
一見、ヘルメスとオーディンには特に似通った点がないようにも思えますが、彼らは「知識の神」であるという共通項からこのポジションに当てはめられたとされています。
他所の最高神さまとご一緒できるなんて、
まぁまぁ名誉なことだね
直接の語源は、「オーディンの日」を意味する
表記「Woden’s day」なのじゃ


『野原にあるメルクリウス像』
19世紀 PD


『オーディン』 PD
「水曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!




木曜日(Thursday)


「あと1日頑張れば週末!」とわずかにHPが回復する「木曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「木星」で、担当するのは上記の神々です。
説明するまでもなく、ゼウスは泣く子も黙るギリシャ神話の最高神。
あまりにも尊敬されて絶大な崇敬を集めたことから、ギリシャ各地に彼の子孫を名乗る神々や人物が登場し、結果としてとんでもない絶倫浮気おじさんにされてしまった稀有な存在です。
一方のトールは北欧神話最強とも謳われた屈強な雷神で、伝説の武器「ミョルニル(Mjölnir)」を手に、敵対する巨人族の頭蓋骨を叩き割ることを趣味としていました。
木曜日には、「雷」という共通点から、これらの神々が当てはめられたようです。
女好きなのは、事実だけどねっ☆
英語読みで「ソー」、
つまり『マイティ・ソー』じゃ


『テティスとゼウス』
1750年 PD


『トールと巨人の戦い』
1872年 PD
「木曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!




金曜日(Friday)
| 天体 | 金星(Venus) |
|---|---|
| ギリシャ神話 | 愛と美と性の女神アフロディーテ(ΑΦΡΟΔΙΤΗ) |
| ローマ神話 | 愛と美の女神ウェヌス(Venus) |
| 北欧神話 | 愛と美の女神フレイヤ(Freyja)または 愛と豊穣の女神フリッグ(Frigg) |


朝から夕方にかけて徐々にボルテージが上がっていく、みんな大好き「金曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「金星」で、担当するのは上記の神々です。
アフロディーテは最高神をも魅了する力をもった美しい女神で、天空の神ウラノス(Οὐρανός)の切断された“局部”から誕生したという、エキセントリックなエピソードをもったギリシャ神話随一の猛者です。
その美貌はいつの時代も人々の心をつかみ、『ヴィーナスの誕生』といった数々の美術作品のモチーフともなりました。
一方、北欧神話からはフレイヤが当てはめられる場合とフリッグが当てはめられる場合があるようです。
彼女たちはいずれもが「美」を司る見目麗しい女神で、最高神オーディンの妻という属性も共有していました。
※そもそもフレイヤとフリッグが同一視される傾向もあった。
北国の方って肌が綺麗で羨ましいわぁ~
サーモンみたいに“脂”が乗っていて
セクシーだしぃ~☆
(ピリピリピリ…
あなたこそ、その“お生まれ”からして
殿方との相性が良さそうー
憧れちゃうわぁ~(ビキビキビキ…
さぞモテモテなんでしょうね
嫉妬しちゃうわぁ~(ブチブチブチ…


『ヴィーナスの誕生』PD


-『フレイヤと首飾り』
1890年 PD


-フェンサリルに集うフリッグと侍女たち
1882年 PD
「金曜日」を担当する神々の詳細はコチラ!






土曜日(Saturday)
| 天体 | 土星(Saturn) |
|---|---|
| ギリシャ神話 | 農耕の神クロノス(Κρόνος) |
| ローマ神話 | 農耕の神サトゥルヌス(Sāturnus) |
| 北欧神話 | 特になし |


多くの人々が最強の無双モードに突入する一方で、一瞬のうちに過ぎ去っていく「土曜日」。
この曜日に当てはめられた天体は「土星」で、担当するのは上記の神々です。
クロノスはギリシャ神話の初期に登場したティタン神族(Τιτηνες)の一柱で、父ウラノスから権力を奪い、そして息子ゼウスによって玉座から引きずり降ろされるという象徴的な役割を果たしました。
理由は定かではありませんが、この「土曜日」には北欧神話の神々が当てはめられず、そのままクロノス及びサトゥルヌスが担当することになったようです。
わしだけ一人、寂しい……


『我が子を食らうサトゥルヌス』
1819-1823年 PD
「土曜日」を担当する神の詳細はコチラ!


七曜に当てはめられたメソポタミア神話及びバビロニア神話の神々も、追ってまとめようと考えとるぞぃ
ちなみに、上記で紹介した7惑星それ自体にも、
それぞれ擬人化された神さまが存在するよ!
惑星を司る神々はコチラ!


「月」の由来となった神々一覧!
続いて、1年12ヶ月の「月(Months)」に
まつわる神々を紹介するわよ
「曜日」ほどは神話神話していないので、
ざっくり一覧にまとめてご紹介するよ!


| 月 | 由来 | 概要 |
|---|---|---|
| 1月 (January) | 出入り口と扉の守護神ヤヌス (Janus) | 前と後ろに2つの顔をもつ、物事の始まりと終わりを司るローマ神話の「門」の神。 |
| そこから、過去(去りゆく年)と未来(やってくる年)を同時に見守る存在として結びつけられた。 | ||
| 2月 (February) | 慰霊と清めの神フェブルウス (Februus) | 古代ローマにおいて、毎年2月に執り行われた慰霊祭フェブルアーリア(Februalia)の主神。 |
| 慰霊祭の名称がそのまま月の名前になったらしい。 | ||
| 3月 (March) | 軍神マルス (Mars) | 「火曜日」にも登場したローマの軍神。 |
| 古代の暦では3月が「最初の月」だった。 | ||
| 4月 (April) | 愛と美と性の女神アフロディーテ (ΑΦΡΟΔΙΤΗ) | 「金曜日」にも登場したギリシャの美神。 |
| そのエトルリア名(Apru)から来ているそうな。 | ||
| 5月 (May) | 豊穣の女神マイア (Maia) | ローマ神話に登場する春と豊穣の女神。 |
| 同一視された関係で、ギリシャ神話に登場する星の精霊マイア(Μαῖα)が関連付けられる場合も。 | ||
| 6月 (June) | 結婚の女神ユノ (Juno) | ローマ神話に登場する結婚と女性の守護神で、ギリシャ神話の結婚の女神ヘラ(Ἥρα)に相当する。 |
| 「6月の花嫁(ジューン・ブライド)」などの言葉でよく聞く。 | ||
| 7月 (July) | ユリウス・カエサル (Julius Caesar) | ユリウス暦を創った共和政ローマ末期の政治家。 |
| 8月 (August) | アウグストゥス (Augustus) | ローマ帝国の初代皇帝。 |
| 9月 (September) | ラテン語で「第7の」を意味する「Septem」 | 暦を変えた際に事務手続きをミスったかららしい。 |
| 10月 (October) | ラテン語で「第8の」を意味する「Octo」 | |
| 11月 (November) | ラテン語で「第9の」を意味する「novem」 | |
| 12月 (December) | ラテン語で「第10の」を意味する「decem」 |
なんか、後半テキトーじゃね?
1年の最初の月を「3月」から「1月」に変更
した際に生じたズレなのだそうじゃ
当ブログでは、以下のような「語源・由来まとめ記事」も公開しています。






ギリシャ神話をモチーフにした作品
参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!
おわりに
今回は、日常生活でも自然に使われている、「曜日」と「月」の由来になった神々について解説しました。
ギリシャ神話とローマ神話、そして北欧神話
を横断していて面白かったわね
教養・豆知識としてはちょうどよいレベル感の話だよね!
パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。
神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。
これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!
また来てね!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
- アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
- T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
- 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
- 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
- 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
- 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
- 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
- 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
- かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
- 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
- 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
- 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
- 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
- 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
- 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
- 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
- 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
- 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
- かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
- THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/
他…










