あらすじでわかる『テセウスの冒険』|かんたんギリシャ神話入門

当ページのリンクには広告が含まれています。
あらすじでわかる『テセウスの冒険』
とと(父)

こんにちは!
かんたんギリシャ神話入門の時間だよ!

ことと

今回は、怪物ミノタウロス退治
の物語で有名なアテナイの王…

ことと

テセウスの冒険』をあらすじで紹介するわよ

ヒヒ

一般の書籍では端折られがちじゃが、
意外とクセの強い逸話が残っておるのじゃ

とと(父)

ではさっそくいってみよう!

※本編の内容は、テセウス個人の記事と同一のものです。

目次

英雄テセウスの誕生秘話

テセウス(Θησεύς)はギリシャ神話に登場する人間族の英雄です。

古代ローマのフレスコ画「テセウス」紀元45~79年
古代ローマのフレスコ画
「テセウス」
紀元45~79年
出典:Stefano Bolognini

彼の父親となるアテナイの王アイゲウス(Αἰγεύς)は、イオニア人のメタ(Μήτα)やアバンテス人のカルキオペ(Χαλκιόπη)といった複数の女性を妻に迎えましたが、ついぞ男子の後継ぎに恵まれることはありませんでした。

王位を狙う3人の兄弟、パラス(Πάλλας)ニソス(Νῖσος)リュコス(Λύκος)との政治的な駆け引きや、現実的な後継者問題に強い不安を抱いた彼は、ある時、神託の聖地デルフォイ(Δελφοί)にて神々の託宣たくせんを受けようと思い立ちます。
※男の子を授かる方法を神さまに聞こうとした、ということ

しかし、お告げの巫女みこピュティア(Πυθία)の口から語られたのは、

ピュティア

葡萄酒ぶどうしゅの革袋の膨らんだ口を、アテナイの
高みに至るまでは解いてはならぬぞょ~

という、極めて難解な言葉だけでした。

アルベール・トゥルネール-古代デルフィの想像図1894 年
アルベール・トゥルネール
-古代デルフィの想像図 1894年 PD

アイゲウス王はこの神託の意味を理解できず、失意のまま帰路につきますが、その道中、トロイゼンの王ピッテウス(Πιτθεύς)のもとに立ち寄り、何の気なしに神託の解釈を求めてみます。

すると、賢王けんおうとも称されたピッテウスは神の言葉の意味を即座に理解し、自らの血をアテナイ王家のそれと結びつけるために、とある策を講じることにしました。

その夜、トロイゼン王はアイゲウスを盛大な祝宴でもてなし、酒に酔わせ、彼の寝室に自身の娘アイトラ(Αἴθρα)を派遣します。

泥酔したアテナイ王は王女と交わり、彼女はこの時、物語の主人公であるテセウスを身ごもることになりました。

とと(父)

同じ夜に海神ポセイドン(ΠΟΣΕΙΔΩΝ)アイトラと交わったため、テセウスは”二重の父性”をもつ存在ともいわれているよ!

ヒヒ

戦いの女神アテナ(Αθηνη)アイトラの夢に現れ、
海辺で神々に供物を捧げるよう命じたともされるぞぃ

スース美術館のネプチューンのモザイク 3世紀
スース美術館のネプチューンのモザイク 3世紀
出典:Habib M’henni PD

アイゲウス王はトロイゼンの地を後にする際、王女アイトラに以下のような指示を残したと伝えられています。

アイゲウス

この大岩の下に、わしの「剣」と
一組の「サンダル」を隠したから

アイゲウス

もし男の子が生まれて、この岩を持ち上げられるようになったら、2つのアイテムを持たせてアテナイへと向かわせるのじゃ

アイゲウス

この「剣」と「サンダル」が、わしの
真の後継者であることの何よりの証拠となるであろう

アイトラ

清々しいまでの丸投げ~☆

ギリシャの風景

その9ヶ月後、アイトラは、無事に美しい一人の男児を出産しました。

テセウスと名付けられた男の子は、優しい母と賢き祖父ピッテウスに愛されてすくすくと育ち、幼少の頃から同年代の子どもたちを圧倒するほどの身体能力と胆力を示したといわれています。

半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)がトロイゼンを訪れ、有名な「獅子ししの毛皮」を脱いだ際、他の子どもたちがそれを本物の野獣と勘違いして逃げ出したのに対し、テセウスだけは斧を手に取って戦おうとしたこともあったのだとか――。

その後も大したトラブルに見舞われることなく、至って健康に成長した彼は、やがて屈強な肉体を誇る立派な青年となりました。

精悍せいかんな顔つきへと変わったテセウスを見て一安心した母アイトラは、ある日、彼を呼び出し、その出自と使命を明かすことにします。

アントニオ・バレストラ『父の剣を発見するテセウス』18世紀前半
アントニオ・バレストラ
『父の剣を発見するテセウス』
18世紀前半 PD
アイトラ

あのなぁ、お前さんの実の父親は、
アテナイの王であるアイゲウス様なのじゃ

アイトラ

お前が成長してこの大岩を持ち上げられるようになったら、下に隠しとる「剣」と「サンダル」を持たせてアテナイへと送り出すよう言われとった

アイトラ

要するにお前は王の血を引く者で、
今が旅立ちの時というわけじゃ

テセウス

ママン、大岩ってこれのことかい?

こうして、例の大岩をいとも簡単に持ち上げたテセウス青年は、かつて父アイゲウスが残したという「剣」と「サンダル」を身に着け、一路アテナイを目指して旅立ちました。

ニコラ=ギイ・ブレネ『息子テセウスに父が武器を隠した場所を見せるアイトラ』1768年
ニコラ=ギイ・ブレネ
『息子テセウスに父が武器を隠した場所を見せるアイトラ』
1768年 PD

この時、彼は16歳――。

アイトラは安全な海路で目的地へと向かうよう懇願しましたが、英雄ヘラクレスに憧れた息子はこれを退け、あえて危険と困難が多いであろう陸路での移動を選択したといわれています。

かくして、古代ギリシャ随一ずいいちの英雄ともうたわれたテセウス冒険譚ぼうけんたんが幕を上げましたが、その前途には想像を絶する数多くの試練が待ち受けているのです。

あらすじでわかる『英雄テセウス』の物語

とと(父)

テセウスの活躍を見てみよう!

ことと

それぞれのお話の詳細は個別記事でも解説しているので、
良ければそちらも見てみてね

アテナイを目指すテセウス、さまざまな敵を打ち倒す!

さて、故郷トロイゼンを飛び出して徒歩での旅を開始したテセウスは、ギリシャ本土とペロポネソス半島をつなぐコリントス地峡ちきょうを経由して、サロニコス湾の向こう側に位置する都市アテナイを目指すことにしました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次