こんにちは!
今回はギリシャ神話より
四季の風の神々アネモイを紹介するよ!
今回はグループ単位での紹介ね
彼らはどんなキャラクターなの?
彼らはアストライオスとエオスの息子で、
風神として「四方位」と「四季」を象徴したんだ!
天からの恩恵とも脅威とも見なされ、
さまざまな文脈で描かれた4兄弟の神々なのじゃ
ではさっそくいってみよう!
このシリーズでは、忙しいけど「ギリシャ神話」についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。
雄大なエーゲ海と石灰岩の大地が生み出した、欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。
人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。
今回は、星神アストライオスと暁のエオスの息子たちで、古代ギリシャ世界を駆け巡った「四季の風」を司り、さまざまな文学・信仰の文脈に登場した4柱の神々アネモイをご紹介します!
忙しい人はコチラから本編にすっ飛びじゃ
この記事は、以下のような方に向けて書いています。
- ギリシャ神話にちょっと興味がある人
- ギリシャ神話に登場する神さまのことをざっくり知りたい人
- とりあえず誰かにどや顔でうんちく話をしたい人
- ギリシャ神話に登場する「四季の風の神々アネモイ」について少し詳しくなります。
- あなたのエセ教養人レベルが1アップします。
そもそも「ギリシャ神話」って何?
「ギリシャ神話」とは、エーゲ海を中心とした古代ギリシャ世界で語り継がれてきた、神々と人間の壮大な物語群です。
夏には乾いた陽光が降り注ぎ、岩と海とオリーブの木が広がる土地に暮らした人々は、気まぐれで情熱的、そして人間以上に人間らしい神々を生み出しました。
神々は不死である一方、人間と同じように嫉妬し、愛し、怒り、そしてときに残酷な運命に翻弄されます。
現代に伝わる物語の多くは、ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』、ヘシオドスの『神統記』などの古代叙事詩を原典としています。
王族の愛憎劇に始まり、神々の争いや英雄たちの冒険、時に神と人間の禁断の関係まで——
あらゆる欲望と感情が渦巻くギリシャ神話の世界は、きっとあなたの心を掴んで離さないでしょう。


14世紀ギリシャの写本 PD
「ギリシャ神話」の全体像は、以下で解説しているよ!


四季の風の神々アネモイってどんな神さま?
四季の風の神々アネモイがどんな神さまなのか、さっそく見ていきましょう。
いくぜっ!
簡易プロフィール
| 総称 | アネモイ Ανεμοι | |||
|---|---|---|---|---|
| 総称の意味 | 風 | |||
| その他の呼称 | アネモス(Ανεμος) アエタイ(Αηται) アイテース(Αητης) ※「風」の意 | |||
| ラテン語名 (ローマ神話) | ヴェンティ(Venti) ヴェントゥス(Ventus) | |||
| 英語名 | アネモイ(Anemoi) | |||
| 神格 | 四季の風の神々 | |||
| 名称 | エウロス Ευρος | ゼピュロス Ζεφυρος | ノトス Νοτος | ボレアス Βορεας |
| 名称の意味 | 東風 | 西風 | 南風 | 北風 食い尽くすとする説も |
| その他の呼称 | ユーラス ユーロス | ゼファー ゼフィールなど | ノトゥス | ボレアース トラキオン(Θρηικιον) |
| ラテン語名 (ローマ神話) | エウロス(Eurus) | ファヴォニウス(Favonius) ゼピュロス(Zephyrus) | オースター(Auster) アウステル | アクイロ(Aquilo) |
| 英語名 | エウロス(Euros) | ゼピュロス(Zephyros) | ノトス(Νοτος) | ボレアス(Boreas) |
| 神格 | 東風の神 秋の神 | 西風の神 春の神 | 南風の神 夏の神 | 北風の神 冬の神 |
| 性別 | 男性 | |||
| 勢力 | ギリシャの神々 | |||
| 上司 | 風の神アイオロス(Αιολος) | |||
| 主な拠点 | トラキアのハイモス山(Αἷμος) アイオリア諸島 ほか、個別の設定もあり | |||
| 信仰の中心地 | ギリシャ各地 | |||
| 親 | 父:星空の神アストライオス(Αστραιος) 母:暁の女神エオス(Ἠώς) | |||
| 兄弟姉妹 | 土星の神ファイノン(Φαινων) 木星の神ファエトン(Φαεθων) 火星の神ピロエイス(Πυροεις) 水星の神スティルボン(Στιλβων) 明けの明星の神エオスフォロス(Εωσφορος)またはポスフォロス(Φωσφόρος) 宵の明星の神ヘスペロス(Ἑσπερος) ※上記2神は「金星」として後に統合されている | 惑星の神々アストラ・プラネタ(Αστρα Πλανητα) | ||
| 正義の女神アストライア(Αστραια) ほか、異父兄弟姉妹も存在 | ||||
| 配偶者 | 個別の記事を参照のこと。 | |||
| 子孫 | 個別の記事を参照のこと。 | |||
概要と出自
アネモイは、ギリシャ神話に登場する「四方の風」を司る神々です。


Canvaで作成
古代ギリシャにおいて特に主要な季節風と見なされた彼らは、それぞれ以下のように神格化されました。
| 方位 | 神名 | 基本的な性質 | シンボル |
|---|---|---|---|
| 東 | エウロス (Ευρος) | 「東風」または「南東風」を司る神。 | 重そうなマント 髭 |
| 「秋」の季節と結び付けられる。 | |||
| 雨や蒸し暑さ、不安定な荒天をもたらし、しばしば不吉の象徴とされた。 | |||
| 西 | ゼピュロス (Ζεφυρος) | 「西風」を司る神。 | 花を撒く髭のない青年 |
| 「春」の季節と結び付けられる。 | |||
| 花を運ぶ穏やかな風をもたらす一方で、嫉妬深く破壊的な側面も有するとされた。 | |||
| 南 | ノトス (Νοτος) | 「南風」を司る神。 | 水瓶 |
| 「夏」の季節と結び付けられる。 | |||
| 「嵐」と「豪雨」、「暴風」をもたらす熱風として恐れられた一方、夏の暑さを和らげる存在でもあった。 | |||
| 北 | ボレアス (Βορεας) | 「北風」を司る神。 | 巻貝 分厚いマント ぼさぼさの髪と髭 |
| 「冬」の季節と結び付けられる。 | |||
| 「寒冷」や「暴風」、及びそれらがもたらす破壊力を象徴した一方で、「迅速さ」や「荒々しさ」といった男性的な力も体現した。 |
大昔のギリシャでは季節が「春・夏・冬」の3つと考えられていたから、エウロスは後代において頭角を現したんだよ!


『ボレアスと落ち葉』
1910年 PD
今日では4柱の神々として知られるアネモイですが、古い時代には、その性格や役割がより細かく区分されていたといわれています。
初期の詩人ホメロスやヘシオドスによると、秩序ある季節風を象徴した「アネモイ」に対し、破壊的な嵐の風を司る「アネモイ・テュエライ(Ανεμοι Θυελλαι)*」と呼ばれる神々が存在し、両グループは明確に区別されていたのだとか。
※「ハリケーンの風」の意
最強最大の怪物テュポン(Τυφών)の息子とされた彼らは、原始の奈落タルタロス(Τάρταρος)あるいはアイオリア島の牢獄に封印されたと伝えられています。
しかし、後代において「アネモイ」と「アネモイ・テュエライ」の別は曖昧になり、やがて混同されて現在の4柱の神々という構成に落ち着いた、というわけです。
「善グループ」と「悪グループ」が合併して、
二面性のある集団となったのじゃな






『ゼピュロス、フローラ、キューピッド』
1650年 PD
また、アネモイの女性対応的な存在には、人面の鳥ハルピュイア(Ἁρπθαι)と呼ばれる生き物がいました。
彼女たちは季節の「風」と交わり、不死の駿馬を産み落とすとも信じられていたようです。


アネモイは古代ギリシャ美術において、頭や肩に「翼」をもつ人型の神として描かれました。
それ以外にも、彼らは「馬」の姿で表現され、オリュンポスの王・雷霆の神ゼウス(ΖΕΥΣ)の戦車を牽く役割を担ったとも伝えられています。
4人で仲良くアニ〇ーガスの能力を習得したそうよ(大嘘)


『オレイテュイアを略奪するボレアス』
1615年頃 PD
アネモイのメンバー
そんなアネモイの面々は、星空の神アストライオス(Αστραιος)と暁の女神エオス(Ἠώς)の息子として誕生。
彼らの兄弟姉妹には、「五大惑星」を司る天の神々アストラ・プラネタ(Αστρα Πλανητα)や、正義の女神アストライア(Αστραια)といった神格も存在します。
※詳細は「簡易プロフィール」参照のこと


紀元前1世紀頃に建てられたアテナイの「風の塔」には、なんと、4柱どころか8柱もの風の神々が描かれていたのだとか。
ここでは、アネモイ4神に加えて神格化された、さらに4柱の風神のデータをまとめています。
| 方位 | 神名 | シンボル |
|---|---|---|
| 北東 | カイキアス (Καϊσίας) | 雹に覆われた盾 髭 |
| 南東 | アペリオテス (Απελιώτες) | 果物と穀物でいっぱいのマント 髭のない男性 ※エウロスと担当方位が入れ替わる可能性も |
| 南西 | リプス (Χείλη) | 船尾 |
| 北西 | スキロン (Σκίρον) | 冬を象徴する大鍋 髭 |
風の神々の通常業務と神話における活躍
「四季の風」を司る神々アネモイは、トラキア地方に位置するハイモス山(Αἷμος)の洞窟に住むとも、風の神アイオロス(Αιολος)が治めるアイオリア諸島に住むとも考えられていました。
多くの物語では、4兄弟は「風の管理者」に任命されたアイオロスの指揮下に入り、神々の命令によって解放されたり閉じ込められたりする様子が描かれています。


『オデュッセウスに風を与えるアイオロス』
年代不明 PD
アイオロスの部下になる前、アネモイは好き勝手に
吹き荒んで世界中を破壊してまわったそうだよ!


アネモイはこの他にも、古代ギリシャの文学や信仰の文脈において、さまざまな形でその姿が描写されました。
最後に、4兄弟にまつわる記述を
ざっくりと一覧で紹介するぞぃ
- 「トロイア戦争」の時代、半神の英雄アキレウス(Ἀχιλλεύς)が親友パトロクロス(Πάτροκλος)を荼毘に付すため、ボレアスとゼピュロスを召喚した。
- 故郷を目指すイタキ島の王オデュッセウス(Ὀδυσσεύς)がアイオリア諸島を訪れた際、アイオロスが彼にゼピュロス入りの革袋を授けた。
※西風に乗って進む作戦だったが、当人たちが失敗している。 - 哲学者アリストテレス(Ἀριστοτέλης)によって、4神を中心とした方位学的整理が試みられた。
- ローマ時代、結婚の女神ヘラ(Ἥρα)にあたる女王ユノー(Juno)の命令で、アイオロスが暴風たちを解放した。
- 4神が神殿で給仕をするなど擬人化が進み、ゼウスの戦車を牽く役割もこの頃に描写された。
- ボレアスがアテナイの王女オレイテュイア(Ορειθυια)を妻に迎えた縁から、同市に北風の神域が設けられた。
- 「ペルシャ戦争」が勃発した際、神託の聖地デルフォイ(Δελφοί)において風神への祈願が行われた。
- シキュオン地方では年に1回、風神への夜間供儀が行われたほか、「エレウシスの秘儀(Ἐλευσίνια Μυστήρια)*」などの密教の文脈でも、風神が崇拝されることがあった。
※農業崇拝を基盤とした実践的宗教で、輪廻転生を信じるなどの特徴があった。 - 古代における自然観では、四季の風神が牝馬と交わり子が生まれると信じられた。
- 詩や哲学においては、しばしば人格を失った「自然現象」として扱われ、航海や嵐を左右する存在、あるいは宇宙の不安定性を象徴する存在と見なされた。
などなど…


『アイオロスに風を放つよう求めるユノ』
1769年 PD
ギリシャ神話をモチーフにした作品
参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!
おわりに
今回は、ギリシャ神話に登場する四季の風の神々アネモイについて解説しました。
4柱いるだけでもすごいのに、
8柱も現れたらもうワケが分からないわね
さすが、擬人化の鬼とされた(?)
古代ギリシャの宗教だね!
パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。
神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。
これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!
また来てね!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
- アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
- T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
- 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
- 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
- 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
- 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
- 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
- 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
- かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
- 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
- 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
- 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
- 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
- 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
- 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
- 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
- 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
- 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
- かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
- THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/
他…


















