こんにちは!
かんたんギリシャ神話入門の時間だよ!
今回は、ギリシャ一有名といっても過言ではない
最強のスーパーヒーロー…
『ヘラクレスの冒険』をあらすじで紹介するわよ
神々の女王ヘラにイビリ倒された、超絶苦労人の人生
『12の功業』が特に知られておるのじゃ
ではさっそくいってみよう!
※本編の内容は、ヘラクレス個人の記事と同一のものです。
英雄ヘラクレスの誕生秘話
ヘラクレス(Ηρακλής)はギリシャ神話に登場する半神半人の青年で、最も有名な英雄の一人です。


出典:ニューヨーク公共図書館 PD
彼の母親となる王女アルクメネ(Ἀλκμήνη)は、ミュケナイの王エレクトリュオン(Ἠλεκτρύων)とその王妃アナクソス(Ἀναξώ)の間に生まれた、非常に美しい娘でした。
数多くの兄弟姉妹に囲まれて育った彼女は、長じて後、ティリンスの王子アムピトリュオン(Ἀμφιτρύων)と結婚します。
この夫婦は、紆余曲折を経てテーバイへと移り住むのですが、ここで見目麗しいアルクメネに目を付けたのが、可愛い女の子には目と節操がないオリュンポスの王・雷霆の神ゼウス(ΖΕΥΣ)。
うっわ~、ほんとにマジで美人じゃん
あの子ガードが堅いって噂だし、どうやって近づくかなぁ~
彼は、アムピトリュオンが遠征に出ている隙を突き、夫の姿に変身して、一人その帰りを待つアルクメネに接近。
首尾よく彼女を騙したゼウスは、月の女神セレネ(Σελήνη)に命じて「夜」を3日間も続けさせ、2人きりで過ごす時間を思う存分に楽しみました。


なんっかやたらとしんどかったのよねぇ~、あの夜


――それから、しばらくして。
普段と変わらぬ生活を送ったアルクメネは、ある日、自分のお腹に子が宿ったことに気が付きます。
当然、夫アムピトリュオンとの間にできた赤ん坊であると信じて疑わぬ彼女でしたが、ここからが地獄の日々の始まりでした。
というのも、その胎内に宿った3つの生命のうち、1つが主神ゼウスの血を受け継いでいたからです。
さらにこの父親が、アルクメネの妊娠を知って、とんでもなく死ぬほど余計な真似をしてくれたからです。


-オリュンポス十二神 PD
わっはっは、次に生まれてくるペルセウスの子孫が、
全アルゴスの王となるであろう
※ヘラクレスは、半神の英雄ペルセウス(Περσευς)のひ孫にあたる
いや~、めでたい、めでたい
そう、新たな息子の誕生を今から喜んだゼウスが、オリュンポスの神々の前で、その子が成長した後に「王」となることを宣言したのです。
その「オリュンポスの神々」には、最高神の正妻である結婚の女神ヘラ(Ἥρα)も含まれていたのだから救いようがありません。
ブチブチブチブチ……
またやってくれたのぅ……あんの色ボケ爺ぃ‼‼
夫の浮気相手に対するえげつない報復に定評のあった神々の女王は、出産の女神エイレイテュイア(Ειλειθυια)と運命の女神モイライ(Μοῖραι)の3姉妹に命じて、アルクメネのお産を徹底的に妨害させることにしました。


『ゼウスとヘーラー』 1597年 PD




さらにヘラは、ミュケナイとティリンスの現支配者であるステネロス王(Σθένελος)とニキッペ(Νικίππη)の子で、やはりペルセウスの血を引くエウリュステウス(Εὐρυσθεύς)の出産を早め、妊娠7ヶ月の段階で彼が誕生するよう強要――。
ゼウスが、
次に生まれてくるペルセウスの子孫が、
全アルゴスの王となるであろう
と宣言した対象が、別の赤ん坊になってしまうよう、人間たちの運命を意図的に捻じ曲げてしまいました。
まーた神々のやりたい放題で人間が振り回されているのね
ちょっと引くレベルの執拗さだわ
このため、ミュケナイの王位はヘラクレスではなく
エウリュステウスが継ぐことになったのじゃ


それでも怒りがおさまらないヘラは、これまた出産を司る女神ルキナ(lux)*に命じて、さらにアルクメネのお産を妨害させます。
※エイレイテュイアと同一視されるほか、ヘラの一側面とも言われる
グェェェェェェ…
し、死ぬこれ…
ただでさえ予定日を大幅に超過しているうえ、異常に身体の大きな赤ん坊をその身に宿していたアルクメネは、7日7晩もの間とんでもない陣痛に耐えなければなりませんでした。
幸い、非常に賢かった侍女の一人ガランティス(Γαλανθίς)が、主人の出産に神々が介入していることに気が付き、その機転によって一時的に妨害を中止させることに成功します。
アルクメネはその隙に、元気な3人の赤ん坊を産み落としました。


『ヘラクレスの誕生』 年代不明 PD
最初の2人は、イピクレス(Ἰφικλῆς)とラオノメ(Λαονόμη)の兄妹。
こちらは、本物の夫アムピトリュオンとの間にできた子どもたちでした。
そして、残るもう1人こそが、今回の主人公ヘラクレス――。
主神ゼウスの血を引く息子で、とんでもない苦労人としての人生を歩むことになる、ギリシャ神話随一のスーパーヒーローです。
彼の幼名(本名)は「アルケイデス(Ἀλκείδης)」といって、実際に「ヘラクレス」と呼ばれるようになるのは、だいぶ先の話なんだ!
とはいえややこしすぎるので、当ブログでは
便宜上「ヘラクレス」表記で統一しているわよ


『蛇を締める幼いヘラクレス』 1890年
出典:ニューヨーク公共図書館 PD
神々の妨害を受けながらも、無事に出産を終えたアルクメネ。
ようやく平穏が訪れるかと思いきや、8ヶ月後、そんな彼女を次なる恐怖が襲いました。
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
アルクメネが赤ん坊の様子を見るために寝室を覗き込んだところ、そこには見覚えのない、2匹の恐ろしい毒蛇の姿が。
それだけでも十分にヤバすぎる状況ですが、兄弟のイピクレスが泣きじゃくる一方で、生後間もないヘラクレスは、その蛇たちを一瞬のうちに素手で搤め落としてしまいます。
実はこれ、いまだに怒り冷めやらぬヘラが、不義の子に対する嫌がらせとしてけしかけたものでした。
※ヘラクレスが自分の子か確かめようとしたアムピトリュオンが放ったとも


『我が子に驚くアルクメーネー』 1676年 PD
ぐぬぬぬぬぬ……
一から十までなんか腹立つクソガキじゃのぅ……
こうして、嫉妬深い神々の女王に完全にロックオンされたヘラクレスは、ここから涙なしでは語れぬ、苦しみに満ちた波乱万丈の人生を送ることになったのです。
ヘラクレス誕生の詳細はコチラ!


【別伝】いろいろな逸話が語られたよ!ヘラとヘラクレスの因縁!
一説によると、ヘラクレスのポテンシャルとヘラの怒りを恐れたアルクメネは、神の血を引く幼子を市外の野原に捨てたとも言われています。
ある日、ヘラが戦いの女神アテナ(Αθηνη)を伴って下界を散歩していた時のこと。
※ゼウスの命でアテナがヘラを連れ出したとも
あっ、ヘラの姐さん、あんなとこに赤ん坊が
捨てられとりまっせ
あらあら、こんなに可愛いのにのぅ
それが、夫ゼウスの不義の子ヘラクレスであることを知らぬヘラは、愛らしく頑健な赤ん坊に愛情を覚え、自分の乳を与えます。
しかし、死すべき人間の母から生まれたとはいえ、生後数日の時点で怪力無双の片鱗を見せたヘラクレスは、想像をはるかに超えた力でヘラの乳房を吸いました。
痛ェェェェェェェ!!!!
ヘラがあまりの苦痛に思わず飛びのいたので、彼女の乳はあたり一面に飛び散り、それらは無数の星となって「天の川(Milky Way)」になったと伝えられています。
※ゼウスがヘラクレスを不死にするために、こっそりヘラの乳を吸わせたとも


『天の川の起源』 1575年 PD
この後、アテナは不死の力を得たヘラクレスを母アルクメネのもとに返し、彼を大切に育てるよう告げたとも言われています。
いずれにせよヘラクレスは、母の胎内にいる時点からヘラの恨みを買い、とんでもない苦難の人生を歩むことになりました。
何がどうなっても、結局はヘラに憎まれる…
そういう運命だったのじゃなぁ~
今回の主人公ヘラクレスが成長し、ちょうど少年期から青年期へと移る頃、彼は、今後の方向性や進路について思い悩む時期を迎えていました。
そんな若き英雄の前に現れたのが、美徳の女神アレテー(Αρετη)と悪徳の女神カキア(Κακια)です。
アレテーは、ヘラクレスに「真理」と「節制」の道を示し、たゆまぬ努力によって「美徳」と「名誉」を追求する生き方を説きました。
一方でカキアは、若き青年に「快楽」と「怠惰」の道を示し、他者の労働から「富」と「楽しみ」を頂戴する人生を勧めます。
ヘラクレスは、頭の中に天使と悪魔が登場する、よくあるアレのような絵面で悩み抜きましたが、最終的にはアレテーが示す「栄光」の道を選び取ったと伝えられています。


『ヘラクレスの選択』 1596年 PD




あらすじでわかる『英雄ヘラクレス』の物語
ヘラクレスの活躍を見てみよう!
それぞれのお話の詳細は個別の記事でも解説しているので、
良ければそちらも見てみてね
若きヘラクレス、女神ヘラの呪いにより家族の命を奪う!
あれから、18年後――。
筋骨隆々とした凛々しくも逞しい青年に成長したヘラクレスは、
- 継父アムピトリュオンから「戦車の操縦」
- 狡猾な盗人アウトリュコス(Αὐτόλυκος)から「レスリング」
- オイカリアの王エウリュトス(Εὔρυτος)から「弓術」
- 双子の英雄カストール(Κάστωρ)から「剣術」
- 吟遊詩人リノス(Λῖνος)から「竪琴の演奏」
を学び、ガチガチの英才教育を受けた文武両道の人物として知られるようになりました。
その身長は6尺(約180cm)もあり、眼は火のように輝いていて、力においてはすべての者たちに勝り、矢を射ても槍を投げても命中しないということがまるでなかったと伝えられています。


初期ヘレニズム時代のギリシャのオリジナルを基に制作されたローマ帝国時代の複製
出典:Jastrow CC BY 2.5
しかし、彼は生まれつき粗暴な性格をしていたらしく、とあるトラブルによって、師の一人であるリノスの命を奪ってしまいました。
※殴られたのでキレてやり返したら死なせてしまった
この一件自体は、正当防衛により不起訴処分となりましたが、暴力事件の再発を恐れたアムピトリュオンは、ヘラクレスを山の牛飼い場で養育することにします。
そんな折、テスピアイの地で、とある獣害事件が発生しました。
キタイロン山から下りて来た獰猛な獅子がテスピオス(Θέσπιος)の領地で暴れまわり、彼と継父アムピトリュオンが所有する牛の群れを襲うようになったのです。
有り余るエネルギーを持て余したヘラクレスは、この害獣退治に名乗りを上げ、見事に任務を達成――。
彼は戦利品として得た獅子の毛皮を頭にかぶり、以降これは、英雄ヘラクレスを象徴する代表的なアイテムとして知られるようになりました。


ちなみに、神の血を引く英雄の遺伝子を欲したテスピオス王は、ヘラクレスがテスピアイに滞在した50日のあいだ、50人の愛娘たちを毎晩代わるがわるその寝室へと派遣。
その結果、彼女ら全員が予定通り身ごもり、当の本人が知らぬ間に、総勢51名もの子どもが誕生したと伝えられています。
毎晩、同じ子が通って来てると思ってたよ
51名のヘラクレスの子どもたちはコチラ!


その後、テスピアイを後にしたヘラクレスは、先王時代のトラブルに端を発する多額の賠償金問題を抱えたテーバイの街を訪れました。
彼はそこで、補償を請求しに来たオルコメノスの使者を酷い目に遭わせて送り返し、真正面から堂々と宣戦を布告――。
戦いの女神アテナ(Αθηνη)から武器を授かったヘラクレスは、自ら将軍として兵を率い、その圧倒的な力をもって敵勢を撃破したうえ、これまでに支払ってきた賠償の倍にもなる貢物をテーバイの地にもたらすことに成功します。


な、なんだか突拍子も脈絡もない
ムーブをかましてるように見えるわね…
とはいえ、この降って湧いたような奇跡の大勝利に、テーバイの王クレオン(Κρέων)は諸手を挙げて大歓喜。
テンションMAXのうっきうき状態となった彼は、ヘラクレスへの褒美として、娘の一人であるメガラ(Μεγάρα)をその妻にと差し出しました。
この縁談もなんやかんやでトントン拍子に進み、夫婦となった2人のあいだには、テリマコス(Θηρίμαχος)、デイコオン(Δηικόων)、クレオンティアデス(Κρεοντιάδης)という3人の息子たちも誕生します。
さらにヘラクレスは、このタイミングで、
を授かり、人間からも神々からも愛される、まさに絵に描いたような「人望のある英雄像」を体現しました。
※自慢の「棍棒」だけは自前らしい


:西暦1世紀または2世紀のローマ時代の複製 PD
一家は幸せな生活を送りましたが、その様子を苦虫を嚙み潰したような表情で睨みつける、1人の女性の姿が――。
その正体は結婚の女神ヘラ(Ἥρα)、オリュンポスの頂点に君臨する神々の女王です。
彼女は、夫ゼウスとその不倫相手の間に生まれたヘラクレスのことを、執拗なまでに憎んでいました。
ぐぬぬぬ……
不義の子風情が、人並みの幸福を得られる
と思うたら大間違いじゃ!!
それぃ!!
自らの手で台無しにしてまえやぁぁ!!
嫉妬の炎を燃やした女神ヘラは、憎き半神の英雄に呪いをかけ、彼を狂気へと陥れます。
……!!!
ウォォォォオォォォォォォォォォォォ‼‼‼‼
突如として発狂したヘラクレスは、その神懸かった怪力をリミッターが外れた状態でぶん回し、愛する妻メガラと3人の息子たち、そして異父兄弟であるイピクレス(Ἰφικλῆς)の2人の子どもを火中に投じて、その命を奪い去ってしまいました。
※メガラだけは生存するルートもある


-紀元前350~320年頃 マドリード国立考古学博物館
出典:Rowanwindwhistler CC BY-SA 4.0
あ、あんたぁ……
なんてことを……
急にどうしたんや……
バタッ
メガラの気の毒な人生はコチラ!


幸せな家庭生活から一転、目の前に広がるのは地獄のような光景ばかり――。
正気を取り戻したヘラクレスは自身が犯した罪に絶望し、一人テーバイの地を後にします。
彼は、テスピアイの王テスピオスから罪を浄められた後も贖罪の術を求めて各地を放浪し、ついに神託の地デルフォイ(Δελφοί)へと辿り着きました。


-古代デルフィの想像図 1894年 PD
ヘラクレスが、
おぉぉお…
このとんでもなく罪深い私は、
どこに住み何を成せば良いというのでしょうか…
と、神に問うと、神託の巫女ピュティア(Πυθία)は、
汝、ヘラクレス*よ…
そなたはティリンスに住み、そこでエウリュステウスに
12年間仕え、命じられる10の仕事を行うがよい
さすれば汝は不死の存在となるであろう
と告げたと伝えられています。
前項にも書いとるが、本来はここで初めて
「ヘラクレス」の呼称が登場するのじゃな
こうしてヘラクレスは、ミュケナイの王エウリュステウス(Εὐρυσθεύς)に仕える身となり、ここからかの有名な『12の功業』と呼ばれる大冒険が幕を開けることになるのです。
贖罪のヘラクレスと、無理難題だらけの『12の功業』!
さて、デルフォイでの神託を受けたヘラクレスは、そのお告げに従い、エウリュステウス王のもとを訪ねました。
皆さんは、この「エウリュステウス」なる人物のことを覚えておいででしょうか。
そう、ヘラクレスがまだ母アルクメネのお腹の中にいた頃、女神ヘラの策略によって誕生の順番を操作され、主神ゼウスが発した
次に生まれてくるペルセウスの子孫が、
全アルゴスの王となるであろう
という予言の対象に無理やり据えられた、あのエウリュステウスです。


『ヘラクレスはエウリュステウスにアマゾネスの女王のベルトを渡す』 PD
ペルセウスの孫にあたるのがエウリュステウス、ひ孫にあたるのがヘラクレスだから、どちらも条件は満たしているんだよね!


エウリュステウスは最高神の宣言通り、ティリンスやミュケナイといったアルゴスの主要都市を支配する王となっていましたが、やはり神々の無理な介入によってその地位に就いたためか、どう考えてもそれだけの大所帯を率いる器の人物ではありませんでした。
腑抜けの臆病者である彼は、バチバチに気合の入った親戚を見るなり、
(えっ、こんな厳つい筋肉野郎にも王位継承権があんの…?)
(わしの地位、ワンチャン奪われるんじゃね…?)
と、すぐさま保身に走り、邪魔なヘラクレスを亡き者とするために、あえて達成不可能と思われる無理難題を彼に押し付けようと考えます。
いよいよ、ここから『12の功業』が始まるのね
いや~もうね、ほんとに大変だったんだから


「ヘラクレスの12の功業のすべて」
出典:Carole Raddato CC BY-SA 2.0
【第1の功業】ネメアの獅子の討伐
ヘラクレスに命じられた最初の課題は、アルゴリス地方を荒らし回っていた害獣、ネメアの獅子(Νεμέος λέων)を退治することでした。
彼は、神の血を引く膂力を遺憾なく発揮して、満身の力を込めた矢を獣に放ちますが、鋼鉄の皮膚をもつ獅子には、ほんの少しのダメージすらも与えることができません。
そこでヘラクレスは、獰猛なライオンの首を締め上げ、気道を物理的に塞ぐことで窒息死にもち込み、ついにその巨獣を仕留めました。
刃を通さぬ獅子の毛皮は、その後、英雄が装備する防具のアップグレードに活用されています。
第1の功業の詳細はコチラ!




『ヘラクレスとネメアの獅子の戦い』 1639年頃 PD
【第2の功業】レルネのヒュドラ退治
ヘラクレスは第2の試練として、レルネの泉の近くに棲む九頭の毒蛇ヒュドラ(Ὑδρα)の討伐を命じられました。
半神の英雄は自慢の棍棒を振り回して水蛇の頭を潰しますが、ヒュドラの傷口からは叩きのめすたびに新しい首が生えてくるので、戦っても戦ってもまるできりがありません。
そこで彼は、甥でもある戦車兵イオラオス(Ἰόλαος)と協力し、ヘラクレスが首を斬り落とした直後に、間髪入れずイオラオスがその傷口を焼き塞ぐという作戦で、どうにか勝利をつかみました。
ただし、この仕事はヘラクレスが単独で成し遂げたものではないと見なされ、エウリュステウス王によって「ノーカン認定」を受けています。
ちなみに、ヒュドラがもつ致死性の猛毒は、半神の英雄が放つ「矢」のアップグレードに活用されました。
第2の功業の詳細はコチラ!




『ヘラクレスとヒュドラ』 1475年 PD
【第3の功業】ケリュネイアの鹿の捕獲
ヘラクレスが受注した第3の仕事は、アルカディア地方に棲むケリュネイアの鹿(Ελαφος Κερυνιτις)を捕獲する、というものでした。
その巨大な雌鹿は、狩猟の女神アルテミス(ΑΡΤΕΜΙΣ)が所有する神聖な動物だったため、おいそれと傷付けるわけにはいきません。
そこで彼は、1年間にわたる執拗なストーキング行為でターゲットを疲れさせ、一瞬の隙を突いて彼女を生け捕りにするという作戦を採用しました。
アルテミス本人の承諾も得て雌鹿を王都へと連れ帰ったヘラクレスは、最後には約束通り、その身柄を解放しています。
ちなみに、この鹿をペットにしようと目論んでいたエウリュステウス王は、ブチギレで英雄に次の指令を言い渡しました。
第3の功業の詳細はコチラ!




『ヘラクレスとアルカディアの鹿』 1537年以降 PD
【第4の功業】エリュマントスの猪の捕獲
ヘラクレスは第4の課題として、アルカディア地方を荒らすエリュマントスの猪(Ἐρυμάνθιος κάπρος)を捕獲せよ、という命令を受けました。
彼は、この仕事を始めるにあたって友人のポロス(Φόλος)のもとを訪ねますが、この時、葡萄酒をめぐってケンタウロス(Κένταυρος)*の一族と揉め事を起こし、両者の間には浅からぬ因縁が生じています。
※ギリシャ神話に登場する半人半馬の種族で、複数形はケンタウロイ(Κενταυροι)
本題の方はというと、ヘラクレスはケンタウロスの賢者ケイロン(Χείρων)の助言を受け、猪を雪深い山地へと追い込み、疲弊させることでその捕縛に成功しました。
第4の功業の詳細はコチラ!




『ヘラクレスとエリマンスの猪』 1634年 PD
【第5の功業】アウゲイアス王の家畜小屋掃除
どんな無茶振りに対しても”英雄的活躍”で返してくるヘラクレスに苛立ったエウリュステウス王は、彼に与える第5のミッションとして、エリスの王アウゲイアス(Αυγειας)が所有する家畜小屋の清掃を命じました。
30年近く一切手入れもされずに放置されたその厩舎は、想像を絶する不潔な状態となっていましたが、この仕事に不満を感じた半神の英雄は画期的な対応策を思い付きます。
彼は、付近を流れるアルフェイオス川(Αλφειός)とペネイオス川(Πηνειός)の流れを強引に合流させ、その濁流をもって30年分の汚れを海の彼方へと流してしまったのです。
しかし、エウリュステウスは、仕事をしたのは「川」であるという理由で今回の功業を「ノーカン認定」したうえ、アウゲイアス王もヘラクレスへの報酬の支払いを拒絶しました。
第5の功業の詳細はコチラ!




「アウゲイアスの厩舎を掃除するヘラクレス」 3世紀頃
出典 CC BY-SA 3.0
ちなみにヘラクレスはこの冒険において、オレノスの王女ムネシマケー(Μνησιμάχη)に無理やり求婚した(とされる)、ケンタウロスのエウリュティオン(Ευρυτιων)をぶっ飛ばしたりもしています。


【第6の功業】ステュムパロスの鳥の討伐
ヘラクレスは第6のミッションとして、アルカディアの沼沢地に生息するという、ステュムパロスの鳥(Ορνιθες Στυμφαλος)の駆除を命じられました。
人間の鎧すらも容易に貫通するほどの鋭い嘴をもち、その獰猛な性質で周辺地域を恐怖に陥れたとはいえ、所詮「鳥」は「鳥」。
ヘラクレスの相手になるような存在ではありませんでしたが、問題となったのは、気が遠くなるようなその「数」でした――。
どうにも手を出しあぐねた英雄は、戦いの女神アテナ(Αθηνη)より「青銅製のラトル」*を授かり、その爆音で動物たちを驚かせます。
※振ると音が鳴る赤ちゃん用のおもちゃ、「ガラガラ」のこと
ヘラクレスは、一斉に空へと飛び立った害鳥たちを一羽ずつ弓矢で叩き落し、無事に今回の功業をやり遂げました。
第6の功業の詳細はコチラ!




『ステュムパロス湖のヘラクレス』 1875-1880年頃 PD
【第7の功業】クレタ島の雄牛の捕獲
ヘラクレスは第7の課題として、海神ポセイドン(ΠΟΣΕΙΔΩΝ)によって地上にもたらされたという、クレタ島の雄牛(Κρὴς ταῦρος)の捕獲を命じられました。
この動物は、王妃パシパエ(Πασιφάη)と交わって牛頭人身の怪物ミノタウロス(Μινώταυρος)の父になったともされる、なかなかの曰くつき物件です。
とはいえ、中身は多少凶暴な性格をしているだけの単なる雄牛。
ヘラクレスはその生け捕りになんなく成功し、最終的に行き場を失った牛は、再び野に放たれることとなりました。
その後、彼はマラトンの地で暴れまわり、若き日のアテナイの王テセウス(Θησεύς)によって討伐されたと伝えられています。
第7の功業の詳細はコチラ!




『ヘラクレスとクレタの牡牛』 1634年 PD
【第8の功業】ディオメデスの人喰い馬の捕獲
ヘラクレスは第8の試練として、トラキアの蛮族王ディオメデス(Διομηδης)が所有する人喰い牝馬の捕獲を命じられました。
この4頭の馬たちは、餌として「人肉」を与えられていたため、次第に狂気じみた獰猛な性質を有するようになったのだとか。
軍勢を率いて現地に乗り込んだヘラクレスは、部下の一人を失いながらも、いつも通り危なげなく戦いに勝利。
ディオメデス王の遺体を貪った牝馬たちは、ここでようやく正気を取り戻し、人間たちの指示に従うようになったと言われています。
第8の功業の詳細はコチラ!




『自らの馬に喰い殺されるディオメデス』 1866年 PD
【第9の功業】アマゾンの女王ヒッポリュテの腰帯を入手
エウリュステウス王は娘アドメテ(Ἀδμήτη)の願いを叶えるため、ヘラクレスに第9の課題として、アマゾンの女王ヒッポリュテ(Ἱππολύτη)が所有する「魔法の腰帯」を持ち帰ることを命じました。
戦う気満々で部隊を編成した半神の英雄でしたが、そんな彼に一目惚れした女王は、まさかの二つ返事で「腰帯」の譲渡に同意します。
しかし、ヘラクレスが労せず任務に成功することを良く思わなかった神々の女王ヘラ(Ἥρα)が、アマゾンの女性たちの間に不穏な噂を流布させ、結局は両陣営が武力衝突する事態へと発展しました。
英雄は、混乱するヒッポリュテの「命」と「目的物」を奪い取り、足早に現地を後にしたと伝えられています。
第9の功業の詳細はコチラ!




『ヒッポリタのベルトを手に入れるヘラクレス』 1650年 PD
ちなみにこの冒険では、本題をクリアする前後に、以下のような紆余曲折が生じました。
- パロス島(Πάρος)に寄航した際、クレタ島の王ミノス(Μίνως)の息子たちの手によって、2名の船員の命が奪われる。
- 報復のために軍勢を派遣して敵を囲んだヘラクレス、手打ちとしてアルカイオス(Ἀλκαῖος)とステネロス(Σθένελος)の身柄をもらい受ける。
※今回の遠征の手伝いをさせている - ミュシアの王リュコス(Λύκος)の客人となり、ベブリュクス人との戦争に手を貸して多数の敵を討伐、獲得した土地を彼に与える。
※リュコスはその地全体を「ヘラクレイア(Ἡράκλεια)」と呼んだ - トロイアの王ラオメドン(Λαομέδων)の依頼で海の怪物ケトス(Κητος)を討伐するも、報酬の支払いを反故にされる。
※『12の功業』が終わった後にきっちりと報復している - アイノスの王ポルテュスの客人となるが、帰り際に彼の兄弟であるサルペドン(Σαρπήδων)の命を奪う。
- タソスに住むトラキア人を征服し、その土地をアルカイオスとステネロスの兄弟に与える。
※行きの道中で船団に加わった2人 - トロネに住むポリュゴノスとテレゴノスに相撲勝負を挑まれたので、返り討ちにして命を奪う。
トロイアでのゴタゴタの詳細はコチラ!


【第10の功業】ゲリュオンの牛の群れの捕獲
ヘラクレスは第10の功業として、三位一体の怪物ゲリュオン(Γηρυών)が所有する「赤い牛」を連れ帰ることを命じられました。
この世界の西の果て、大洋の神オケアノス(Ωκεανός)*の向こうにあるとされるエリュテイア島(Ερυθεια)を目指した英雄の一行は、太陽神ヘリオス(Ἥλιος)との出会いなどを果たしつつも、着実に目的地へと歩を進めます。
※大地を流れる川のような形で存在している
ついに伝説の島へと到達したヘラクレスは、そこで平和に牛を飼っていただけのゲリュオンと、番犬を務めた双頭の犬オルトロス(Ορθρος)、そして牧夫のエウリュティオン(Εὐρυτίων)を葬り、お目当ての牛の群れを奪い去って行きました。
第10の功業の詳細はコチラ!




「ヘラクレスと戦うゲリュオン」1894年
上部中央に矢で射られたオルトロス
出典:ニューヨーク公共図書館 PD
ちなみに今回の冒険の帰途においては、以下のようなミニイベントも発生しています。
- 海神ポセイドン(ΠΟΣΕΙΔΩΝ)の息子であるイアレビオンとデルキュノスが牛を奪おうとしてきたので、2人まとめてシバき上げる。
- 1頭の牝牛が海に飛び込んでシシリーに泳ぎ渡ったことが、「イタリア」という地名の由来となる。
※一部の人々は牝牛を「イタロス(Italos)」と呼んだとされることから - これまたポセイドンの子であるエリュモイ人の王エリュクス(Ερυξ)が牛をパクろうとしたので、3度の相撲勝負で負かしたうえで命を奪い、目的物を奪還する。
- 火を吐く巨人カクス(Κακος)にも牛をパクられたので、いつも通り暴力で相手をねじ伏せ、目的物を奪還する。
- 結婚の女神ヘラが牛の群れに虻を送り込み、トラキアの山の麓で散り散りとなって頭数を減らす。
- ストリュモン河(Στρυμών)の流れを岩で塞いで道を切り拓く。




【第11の功業】ヘスペリデスの黄金の林檎を入手
本来は、「10」の仕事をやり遂げれば解放されたはずのヘラクレスでしたが、うち2つの功業がエウリュステウス王によって「ノーカン認定」されたため、英雄はさらに2件の課題を押し付けられることになりました。
こうして11番目のミッションとされたのが、「ヘスペリデスの園」にあるという「黄金の林檎」を持ち帰ること――。
この物語には、大きく分けて以下の2つの展開が存在します。
- 自力で目的地にたどり着いたヘラクレスが、林檎の樹を守る百頭の竜ラドン(Δρακων)をぶちのめし、普通に目的物を持ち帰る
- 黄昏の娘たちヘスペリデス(Ἑσπερίδες)の父親である天を支える巨人アトラス(Ἄτλας)に依頼し、林檎の実を持ってきてもらう
※ヘラクレスはアトラスに嵌められかけたが、機転を利かせて窮地を脱している
第11の功業の詳細はコチラ!






『Hercules Killing the Dragon Ladon』 1550年
出典:ニューヨーク公共図書館 PD
ちなみに今回の冒険では、目的地である「ヘスペリデスの園」に到着する前に、以下のような紆余曲折が生じました。
- 戦いの神アレス(ΑΡΗΣ)と凶暴な盗賊キュクノス(Κύκνος)の親子に喧嘩を売られたので、真正面からぶっ飛ばす。
※ゼウスの仲裁を受けたとする場合も - 眠っていた海の老人ネレウス(Νηρεύς)をシバき上げ、「ヘスペリデスの園」の場所と「林檎」の在り処を吐かせる。
- リビアの巨人王アンタイオス(Ανταιος)に相撲勝負を強制されたので、骨をバキバキに粉砕して屠る。
- 異邦人をゼウスへの生け贄に捧げていたエジプトの王ブシリス(Βουσιρις)に拘束されたので、本人たちをぶっ飛ばして犠牲とする。
- 他人様の牛を勝手に屠って食料としたので、持ち主から呪われる。
※この逸話から、ヘラクレスに犠牲を捧げる際は呪いもセットになったらしい - 暁の女神エオス(Ἠώς)の息子であるアラビアの王エマティオン(Ἠμαθίων)の命を奪う
- 太陽神ヘリオスから「黄金の杯」を授かり、オケアノスの海を渡る。
※三位一体の怪物ゲリュオンの話と被っている? - 先見の神プロメテウス(Προμηθεύς)の肝臓を啄んでいたコーカサスの大鷲(Αετος Καυκασιος)を、得意の矢で射落とす。
- プロメテウスを解放する代わりに、自ら死を望んだケンタウロスの賢者ケイロン(Χείρων)を主神ゼウスに呈する。
【第12の功業】冥界の番犬ケルベロスの捕獲
ヘラクレスの功業の記念すべきラストを飾ったのが、冥界の番犬ケルベロス(Κέρβερος)の捕獲大作戦です。
最後のミッションといえば、難易度的にも最高レベルを誇るのが世の常というもの――。
意を決して恐ろしい死者の国へと降り立つ英雄でしたが、そこを支配する冥府の王ハデス(ΑΙΔΗΣ)は、
武器を使ったり傷つけたりしないなら、別にいいよ~
と言って、意外にもあっさりとケルベロスの貸し出しに同意してくれました。
ヘラクレスは、獰猛な猟犬の姿をエウリュステウス王に見せつけてビビらせた後、約束通りケルベロスの身柄を無傷で冥界へと返還。
こうしてついに、半神の英雄は苦難に満ちた『12の功業』をすべてやり遂げ、ようやく自由の身となったのです。
第12の功業の詳細はコチラ!




『ヘーラクレースとケルベロス』 1634年 PD
ちなみに最後の冒険では、冥界の主であるハデスとの謁見の前に、以下のような紆余曲折が生じました。
- 死者の世界に囚われたアテナイの王テセウス(Θησεύς)とラリッサの王ペイリトゥス(Πειρίθους)を発見し、どうにかテセウスのみ解放に成功する。
※両方助けたとする説も - 冥界の果樹農家アスカラポス(Ασκαλαφος)を封印した岩を転がして除ける
※豊穣の女神デメテル(ΔΗΜΗΤΗΡ)を怒らせて封じられた人物で、この後「みみずく」の姿に変えられる - 冥府の牝牛を1頭屠って犠牲に捧げる
- 牝牛の飼い主であるメノイテス(Μενοΐτης)に相撲勝負を挑まれたので、脇の骨を粉々に砕く




ぐぬぬ…
この無茶振りの過程で、あやつめが
亡き者となればと思うたが……
口惜しや……
ヘラの怒り再び!まだ許されぬヘラクレスの苦労は続く!
かの有名な『12の功業』を全クリしたヘラクレスは、テーバイの地を訪れ、オイカリアの王女イオレ(Ἰόλη)を妻に得るために、王主催の弓術大会に出場します。
この地を治めていた人物は、かつて半神の英雄に弓の技を伝授した、エウリュトス王(Εὔρυτος)その人でした。
成長した弟子は、元師匠とその一族をいとも簡単に打ち負かし、王女との結婚の権利を獲得しますが、ここで意外なリアクションが返ってきます。


かつてヘラクレスが、妻メガラとその息子たちを手に掛けたような事件が再発してはたまらない――。
そう考えたエウリュトスが、当初の約束を反故にし、娘イオレを妻として差し出すことを拒否したのです。
師弟関係に深い亀裂が入ったこのタイミングで、さらなる悲劇がヘラクレスを襲いました。
神々の女王ヘラが不義の子に対する怒りを再燃させ、再び彼を狂気へと陥れたのです。
かつてのように暴走した半神の英雄は、唯一彼を信じてくれたオイカリアの王子イフィトス(Ἴφιτος)を、ティリンスの高い城壁から投げ落としてしまいました。
わ、わしはまた…
なんちゅうことを……
その後、正気に戻ったヘラクレスは改めて自らの抱える狂気に絶望し、罪の穢れを浄めてもらうため、以下の通りに各地を転々と放浪します。
※古代ギリシャでは過失で人を死なせてしまった場合、その地を離れて、しかるべき人物に罪を浄めてもらうという風習があった


- ピュロスの王ネレウス(Νηλεύς)のもとを訪ねるも、彼はエウリュトスの友人だったため「浄め」を断られる。
- アミュクライでデイポボス(Δηΐφοβος)の「浄め」を受けるも、イフィトスの命を奪った咎で酷い病気にとりつかれる。
- 神託の地デルフォイを訪れるも、巫女ピュティア(Πυθία)が何の託宣も授けてくれない。
- 自分の神託所を建てるためにデルフォイの神聖な「三脚台」を持ち去ろうとして、光明の神アポロンと大喧嘩になる。
※主神ゼウスの仲裁により強制終了
ここまでのお話の詳細はコチラ!


こうした紆余曲折を経て、ようやく
3年間だれかのもとで奉公し、
その対価を賠償金として支払えやぁ
という神託を受けたヘラクレスは、伝令の神ヘルメスの仲介で、リディアの女王オムパレー(Ὀμφάλη)に奴隷として仕えることになりました。
※エウリュトスは賠償金の受け取りを拒否したが、やることはやったのでヘラクレスの病は癒えている


『オンファレの足元にいるヘラクレス』 pd
半神の英雄はこの時期、美しき女帝のもとで、以下のような仕事に取り組んでいます。
- 国内を荒らす盗賊一般を徹底清掃する。
- リディアの各地で盗みを働いた、二匹の猿人ケルコプス(Κέρκωψ)を捕縛する。
※彼らのジョークが面白かったので、すぐに解放したとする説も - 通行人に強制労働をさせていたアウリスの男シュレウス(Συλεύς)と娘のクセノドケ(Ξενοδίκη)をシバきあげ、彼らの葡萄畑ごと焼き払う
- ドリケー島にて名匠の息子イカロス(Ἴκαρος)の亡骸を発見。
彼の墓を建てて葬り、その島を「イカリア島(Ικαρία)」と呼んだ。 - 息子の処遇に感謝した伝説の工匠ダイダロス(Δαίδαλος)が、ピサの地にヘラクレスの像を建立。
しかし、夜間に現物を見た本人はそれを生き物と勘違いし、像に向かって石を投げつける。 - オムパレーの領土を侵したイトネス族の拠点を襲撃し、住民を奴隷にしたうえで都市を徹底的に破壊する。
- リディアのサガリス周辺を荒らしたマイオニアの竜(Δρακων Μαιονιος)を討伐する。
- 英雄イアソン(Ἰάσων)が率いる「アルゴナウタイ(Ἀργοναῦται)」の船団に参加し、コルキスへの航海に同行する。
※仲間のヒュラス(Ὕλας)が脱退したことを受け、自身も船を降りている






この後、ヘラクレスの常軌を逸した活躍ぶりと勇気―そしておそらく、その出自―に感銘を受けた女王オムパレーは、彼を奴隷の身分から解放し、自らの夫として迎え入れました。
2人の間には、王子アゲラオス(Ἀγέλαος)あるいはラモス(Λάμος)という息子が誕生したと言われています。
※説によっては他にも数人の子どもが生まれたとされる


『ヘラクレスとオムファラ』 1754年 PD
さて、そろそろ身を固めて落ち着いても良さそうなヘラクレスですが、彼は主神の血を引く息子、当然ながらそうはなりません。
半神の英雄はここから、各地に残してきた遺恨を清算するかのように、血生臭い「復讐」と「略奪」の旅を開始しました。
ありゃぁ、一ヶ所に留まっておけない性質の生き物ね…
しゃぁないわ
ここまでのお話の詳細はコチラ!


吹っ切れた英雄、各地で「報復」と「略奪」を繰り返す!
病もすっかり癒え、3年間の奉公もきっちりとこなしたヘラクレスは、優秀な志願者たちからなる軍勢を率いて、やり残した仕事の「清算」と新たなる「戦い」に身を投じます。
ここからはしばらく怒涛の展開が続くので、
ざっくり箇条書きで一気に紹介するよ!


『ケンタウロスと戦うヘラクレス』 1883年 PD
出典:ニューヨーク公共図書館 PD
- 18隻の軍船を率いてトロイアへと向かい、ラオメドン王(Λαομέδων)とその息子たちを血祭りにあげる。
※海の怪物ケトス(Κητος)討伐の報酬を支払わなかったことに対する報復 - コス島へと侵攻し、戦いの末にエウリュピュロス王(Εὐρύπυλος)の命を奪う。
※戦士カルコドン(Χαλκώδων)の手によって負傷するも、ゼウスのサポートにより勝利 - 戦いの女神アテナの召喚を受けてプレグライに来り、オリュンポスの神々と共に巨人族ギガンテス(Γίγαντες)を打ち破る。
※このタイミングで「ギガントマキア(Γιγαντομαχία)」が勃発したことになる - アルカディア人などから志願兵を集めてエリスへと侵攻し、病に倒れて休戦を挟みつつも、双子の戦士モリオニダイ(Μολιονιδαι)らとの戦いに勝利する。
- 再びエリスに侵攻してアウゲイアス(Αυγειας)とその息子たちを滅ぼし、王子フィレウス(Φυλεύς)を王位に就け、ピサ(Πῖσα)近郊で「オリンピック競技祭(Ὀλύμπια)」を創設する。
※家畜小屋掃除の報酬を支払わなかったことに対する報復 - 対抗意識からなにかと突っかかってきたレプレウムの王レプレウス(Λεπρευς)を、一騎打ちの果てに討滅する。
- メッセニアの都市ピュロスへと進軍し、変身術を得意とする王子ペリクリュメノス(Περικλύμενος)を討伐した上、敵軍の援助に現れた冥界の王ハデス(ΑΙΔΗΣ)を負傷させる。
- スパルタへと侵攻し、ちょっとしたいざこざで敵対していたヒッポコオーン王(Ἱπποκόων)とその息子たちを滅ぼすが、この戦いで兄弟のイピクレスを失う。
※テゲアの王ケペウス(Κηφεύς)に協力を求めた際、その娘ステロペ(Στερόπη)に魔法アイテム「メドゥーサ(Μεδουσα)の髪の毛」を渡している - テゲアの地で王女アウゲ(Αὔγη)を妊娠させ、棄てられた赤ん坊は神々の手によって救われてテレポス(Τήλεφος)と名付けられる。
ヘラクレスの航海を邪魔したヘラが、ゼウスによってオリュンポス山から吊るし下げられたりもしたわよ
割と割愛されがちな局面じゃが、
とんでもない猪突猛進っぷりじゃのぅ


『火を吐くカクスを倒すヘラクレス』 1545年 PD
美しきデイアネイラとの結婚、そして破滅の足音!
古今東西を旅したヘラクレスはカリュドーンへと辿り着き、この地で美しき王女デイアネイラ(Δηϊάνειρα)を見初めます。


『デイアネラ』 1878年 PD
彼女に結婚を申し込む半神の英雄ですが、そこには、以前から何度も姫君にアプローチをかけていた、とあるライバルが存在しました。
それが、河神アケロオス(Ἀχέλῷος)――。
アイトリア地方を南北に流れる、西ギリシャ最大の全長(約220km)と最古の歴史を誇った同名の川の化身です。
は…?
だから何?
「権威」なんぞに屈しないヘラクレスは、アケロオスと取っ組み合いの大喧嘩を演じ、「蛇」や「雄牛」など様々な姿に変身する彼の角を叩き折って、見事に勝利をつかみました。
ふぇぇ、すんませんでしたぁ…


『ヘラクレスの功業』より、ヘラクレスとアケローオス 1608年
出典:メトロポリタン美術館 PD
本当は偉大な河神の詳細はコチラ!


こうして、無事にデイアネイラを妻に迎えることができたヘラクレスは、さらに以下の通りの旅路を歩みます。
- カリュドーン人を率いて、ピュラス王が治めるテスプロティアに進軍し、エピュラ市を攻略する。
- 現地で王女アステュオケ(Ἀστυόχη)と交わり、息子にトレポレモス(Τληπόλεμος)を得る。
- テスピアイの王テスピオス(Θέσπιος)に使者を派遣し、50人の子どものうち7人を自分(ヘラクレス)のところに、3人をテーバイに、残りの40人を植民地建設のためにサルディニア島に送るよう伝える。
- オイネウス王の宴に出席した際、手に水を注いでいたアルキテレスの息子エウノモス(Εὔνομος)を、誤って指の節で打ち死なせてしまう。
- 不慮の事故であったため周囲の人間は彼を許そうとするが、ヘラクレス自身は法に従って追放されることを望み、デイアネイラを伴ってトラキスの王ケユクス(Κήϋξ)のもとへと旅立つ。
いきなり浮気しとるが、そこは古代の世界観だから、
で流しておくのじゃ


そんなこんなで2人がエウエノス河の畔に差しかかると、そこには
私自身の徳の高さゆえに、神々より「渡し守」
の役割を仰せつかっとる者ですねん
と自称する、ネッソス(Νεσσος)という名のケンタウロス(Κένταυρος)*の青年がいました。
※ギリシャ神話に登場する半人半馬の種族で、複数形はケンタウロイ(Κενταυροι)
実は彼、ヘラクレスが『第4の功業』の時に
蹴散らしたケンタウロスの1人なんだ!
屈強なヘラクレス自身は1人で河を渡りましたが、彼はそのケンタウロスに報酬を渡し、妻を安全に向こう岸へと運ぶよう依頼します。
ところがこのネッソスとかいう馬野郎、ヘラクレスが河の向こう側にいるのをいいことに、その隙を突いて美しいデイアネイラに乱暴をはたらこうと画策しました。
ぐへへへ~、
たまには異種族間っちゅうのも乙なもんやろがぃ~
ギャァァァァァァ‼‼あんたぁぁぁーーー‼‼
ムムッ‼
今夜は桜鍋に決定のようだな…‼
ふんぬっ!!


『ネッソスに略奪されるデイアネイラ』 1620年-1621年 PD
異変に気付いた半神の英雄は即座に弓を構え、妻を襲う下等な獣に向けて、九頭の毒蛇ヒュドラの致死性の猛毒が塗布された必殺の一矢を放ちます。
ギェェェェーーーー‼‼
心臓に矢を受けたネッソスは、その死の間際、狼狽えるデイアネイラに向けてこう言い残しました。
お、お嬢さん……
実はわしの血液は、一種の「媚薬」のようなもんでのぅ……
この血と少しのオリーブオイルを
混ぜて小瓶にとっておきんさい……
※精液を混ぜるとする説も
夫が浮気しそうになったら、これを下着に塗って渡し、
身に着けさせるのじゃ……
さすれば、汝は愛する男の
貞節を守ることができるじゃろう……
グフッ……
何言ってんだこの変態馬野郎‼
…………
自分を手籠めにしようとした汚らわしい野獣の言うことなど、信用できるものか――。
頭ではそう理解しているデイアネイラですが、彼女の手は本人の意識とは裏腹に、息絶えたネッソスの血液を空いた小瓶に注ぐべく、そそくさと的確に動いていました。
※ネッソスの血が染みた布の切れ端を持ち帰ったとも
それが、愛する夫ヘラクレスと、ほかでもない自分自身を破滅へと導く、ほぼ直接的な引き金となることも知らずに――。


地味に決定打を放ったケンタウロスの詳細はコチラ!


英雄ヘラクレスの最期!そして彼は神となる!
ヘラクレスとデイアネイラはその後も、以下のような果てしなき旅路を進みました。
- ドリュオプス人の地を通過している最中に食料が底を尽きたので、牛追いのテイオダマスが所有する牛を屠って食べる。
- トラキス王ケユクスのもとに到着し、彼と共にドリュオプス人を征服する。
- ドーリス人の王アイギミオスの味方となって、将軍コロノスが率いるラピテス人と戦い、国境紛争を勝利に導く。
- 光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ)の神域で宴を行った、ドリュオプス人の王ラオゴラスとその息子たちを全滅させる。
- 戦いの神アレス(ΑΡΗΣ)と凶暴な盗賊キュクノス(Κύκνος)の親子に喧嘩を売られたので、真正面からボコボコにして死なせる(父親は逃走)。
※彼らの襲撃タイミングは、『12の功業』の途中の場合もある - オルメニオンの地にて、通行を妨害しようとしたアミュントール王(Ἀμύντωρ)とその軍勢をぶっ飛ばす。
- 志願兵を募集してかつての弓術の師、オイカリアの王エウリュトス(Εὔρυτος)に報復を実行。
同市を略奪した後、王女イオレ(Ἰόλη)を捕虜として連行する。
※彼女を妻として与えるという約束を反故にされたことに対しての報復 - 数名の戦死者を弔った後に、エウボイアのケーナイオン岬に停泊し、そこで主神ゼウスを祀る祭壇を築く。
ヘラクレスはこの時点で、デイアネイラとの間に
- ヒュロス(Ὕλλος)
- クテシッポス(Κτήσιππος)
- グレノス(Γλένους)
- オネイテス(Ονίτες)
といった息子たちをもうけていましたが、彼はその他にも、各地に数多くの私生児を残していました。
そこにきて現れたのが、オイカリアの美しき王女であるイオレです。
聞くところによると、もともと彼女はヘラクレスの妻となる約束でもあったのだとか――。


『イオーレとヘラクレス』
出典:Sailko CC BY-SA 3.0
アバババババ…
わしへの愛が、わしへの愛が
他所に向いてしまうかもしれん……
わしの息子たちが優遇されへんかったら、
えらいこっちゃで……
あのイオレとかいう女に彼を取られたら、
わしゃぁもう終いじゃぁ……
デイアネイラの不安は日に日に増大し、やがてそれは猜疑心と呼べる代物へと成長します。
ある日、そんな彼女の脳裏にかつて交わした、とある会話の記憶がよぎりました。
お、お嬢さん……
実はわしの血液は、一種の「媚薬」のようなもんでのぅ……
これを使えば、汝は愛する男の
貞節を守ることができるじゃろう……


『ネッススとデイアニラ』 1888年 PD
デイアネイラは、ヘラクレスの矢を受けて命を落とした、ケンタウロスのネッソスの言葉を思い出したのです。
そして彼女は、この時に採取した彼の血液を、今もこっそりと保管していました。
………
冷静さを失ったデイアネイラは、「媚薬」とされたその血液を夫の下着に塗り、これを使者のリカース(Λίχας)に預けます。
というのも、ちょうどその時、主神ゼウスに犠牲を捧げる祭儀を行うために、ヘラクレスが真新しい衣服を必要としていたからです。
※イオレのために祝宴を催していたとも
ヘィ旦那、ご所望のブツをお持ちしやしたぜぃ
そうそうコレコレ
神聖な儀式の際には、パリッとしたシャツで決めとかないとね
………ん?
ギャァァァァァァァァァァァ‼‼
痛っでぇぇぇぇぇぇぇ~!!


『ヘラクレスの功業』の版画より 「ヘラクレスにネッソスの衣服を運ぶリカス」
1542年-1548年 PD
何の疑いも抱くことなく下着を身に着けたヘラクレスは、その瞬間、全身を貫くようなとんでもない激痛に襲われました。
そう、この布には、かつて自身が討伐した怪物ヒュドラの致死性の猛毒を含んだ、ネッソスの血液が塗られていたのです。
夫の貞節を守る「媚薬」など、死に際のケンタウロスが苦し紛れに吐いた、真っ赤な嘘に過ぎませんでした。
アダダダダダダダダダダ‼‼
毒によって全身がじわじわと腐食しはじめた半神の英雄は、苦しみのあまり、下着を持ってきたリカースの両足を掴んで抱え上げ、彼をエウボイアの岬から投げ落としてしまいます。
わしが何したっちゅうねーーーーーーーーーーーん!!!!!


『ヘラクレスとリカス』 1849年 PD
アバババババ…
わ、わ、わ、わ、わしは……
わしは、なんちゅうことをしてしまったのじゃ……
事件を知ったデイアネイラは、自らがなした恐ろしい行為に絶望し、一人首を縊ってその生涯の幕を閉じました。


その後、満身創痍のヘラクレスは、長男ヒュロスに
ゼェゼェ…
お、お前が、成人したら、イオレを妻に迎えるのじゃぞ…
と命じ、トラキスにあるオイテー山(Οίτη)へと赴きます。
彼はそこで、自らを荼毘に付すための火葬壇を築き、その上に寝そべって、
さ、さぁ、もう限界じゃぁ!!
誰ぞ、このわしに火を付けるのじゃぁ!!
と言いました。
しかし、当然ながら、そんなことをしたがる人物は一人たりともいるわけがありません。
誰もが黙りこくっていると、そこをたまたま通りかかったのが、羊の群れを探して歩いていた友人のポイアス(Ποίας)です。
あぁ~、これはもう助からんじゃろぅ
早ぅ楽にしてやらんと酷っちゅうもんやで
彼はそう言ってヘラクレスとその火葬台に火を放ち、引導を渡してくれたお礼にと、英雄が愛用した「弓」を受け取りました。


はぁ、思えば生まれた時から、
邪悪な力によって人生を邪魔された気がするが…
ここまで頑張って、こんな最期なんじゃのぅ……
「人生」とは……
不義の子として生まれたが故に神々の女王の恨みを買い、家族をもてばすぐに奪われ、大事なタイミングで気を狂わされ、偉大な仕事を成し遂げても、待ち受けているのは次なる戦いと死の喪失ばかり――。
ヘラクレスが、そんなことを思いやりながら、自らを燃やす炎を見つめていると、突如、天から雷鳴が鳴り響き、雲の間からオリュンポスの偉大なる神々が現れました。


『ヘーラクレースの火葬』
1697年-1700年頃 PD
はっ…
彼らは「半神の英雄」を天界に連れて行くと、その存在を「不死の神」として再び蘇らせます。
さらに、これまでヘラクレスを散々にイビリ倒した結婚の女神ヘラ(Ἥρα)も、
まぁ、ここまでよう頑張った方やろ
許すわ…
と言って、2人はようやく仲直りを果たしました。


彼は、地上の世界を生きた半神半人ながら、正真正銘の「神」となり、主神夫婦の娘である青春の女神ヘベ(Ἡβη)と結婚。
息子に城塞の守護者アニケトス(Ανικητος)とアレクシアレス(Αλεξιαρης)を得て、ついに平穏な生活を手にしたと伝えられています。


お父は「オリュンポス12神」のポストを
用意してくれると言うとったんじゃが…
これ以上のトラブルも御免じゃし、そこは辞退しておいたのよ
こうして、「ヘラクレス」の名は、とうとうその真の意味―つまり、「ヘラの栄光」―を、名実ともに体現することとなったのです。


『神格化されたヘーラクレース』
1700年頃 PD
一方、地上に残されたヘラクレスの子孫たち「ヘラクレイダイ(Ἡρακλεῖδαι)」は、これからミュケナイの王エウリュステウス(Εὐρυσθεύς)をはじめとした人物たちとの泥沼の抗争に突入しますが、それはまた別のお話。
最後に、今回の主人公ヘラクレスが活躍したその他のちょっとした物語を、ざっくりダイジェストでご紹介しておきます。
- 詳細な物語はすでに失われているが、老年の神ゲラス(Γῆρας)と取っ組み合いの戦いを繰り広げたかもしれない。
- 詳細な物語はすでに失われているが、海の神トリトン(Τριτων)と取っ組み合いの戦いを繰り広げたかもしれない。
- 冒険の途中で出会ったスキタイの雌竜 (Δρακαινα Σκυθια)と交わり、後のスキタイ王朝の祖となる息子を得る。
- ボイオティアに戦争を仕掛けたエウボイアの王ピュライクメス(Πυραιχμης)を破り、その身体を馬に縛り付けて引き裂く。
- フォロエ山近郊で盗賊稼業を働いたサウロス(Σαυρος)を、仕事のついでに討伐する。
- 恋人の青年ソストラトス(Σωστρατος)を若くして失ったので、その遺体を町の外に葬る。
- 親切な友人となったテッサリアの王アドメトス(῎Αδμητος)のために、死の神タナトス(Θανατος)と取っ組み合いの大喧嘩をする。


「ウラニアの鏡」に描かれたヘラクレス座
1825年頃 PD
ギリシャ神話をモチーフにした作品
参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!
おわりに
今回は、ギリシャ神話の物語『ヘラクレスの冒険』を紹介しました。
さすがはギリシャ一の英雄ヘラクレス…
オリュンポスのどの神々の記事よりも
膨大なボリュームに仕上がったわ…
もし、通しで読んでくれた猛者の方がいたら、
本当にマジでありがとうだね!
パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。
神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。
これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!
また来てね!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
- アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
- T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
- 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
- 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
- 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
- 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
- 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
- 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
- かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
- 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
- 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
- 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
- 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
- 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
- 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
- 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
- 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
- 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
- かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
- THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/
他…

























