
こんにちは!
今回はギリシャ神話より雷霆の神ゼウスを紹介するよ!



ついにきた最高神の紹介ね
改めて、彼はどんなキャラクターなの?



彼は農耕の神クロノスと大地の女神レアの末子で、
ティタン神族を滅ぼして全ギリシャ世界に君臨した神なんだ!



色々とネタにされがちな最高神じゃが、
その偉大さと受けた崇敬の篤さはガチ中のガチもんだったのじゃ



ではさっそくいってみよう!
このシリーズでは、忙しいけど「ギリシャ神話」についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。
雄大なエーゲ海と石灰岩の大地が生み出した、欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。
人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。
今回は、農耕の神クロノスと大地の女神レアのあいだに誕生したオリュンポスの神々の初期メンバーで、父の世代を打ち倒してギリシャ世界の最高神に君臨し、尊敬されるがゆえにあちこちで子種をばら撒く浮気おじさんにされてしまった天空と雷の神ゼウスをご紹介します!



忙しい人はコチラから本編にすっ飛びじゃ
この記事は、以下のような方に向けて書いています。
- ギリシャ神話にちょっと興味がある人
- ギリシャ神話に登場する神さまのことをざっくり知りたい人
- とりあえず誰かにどや顔でうんちく話をしたい人
- ギリシャ神話に登場する「雷霆の神ゼウス」について少し詳しくなります。
- あなたのエセ教養人レベルが1アップします。
そもそも「ギリシャ神話」って何?
「ギリシャ神話」とは、エーゲ海を中心とした古代ギリシャ世界で語り継がれてきた、神々と人間の壮大な物語群です。
夏には乾いた陽光が降り注ぎ、岩と海とオリーブの木が広がる土地に暮らした人々は、気まぐれで情熱的、そして人間以上に人間らしい神々を生み出しました。
神々は不死である一方、人間と同じように嫉妬し、愛し、怒り、そしてときに残酷な運命に翻弄されます。
現代に伝わる物語の多くは、ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』、ヘシオドスの『神統記』などの古代叙事詩を原典としています。
王族の愛憎劇に始まり、神々の争いや英雄たちの冒険、時に神と人間の禁断の関係まで——
あらゆる欲望と感情が渦巻くギリシャ神話の世界は、きっとあなたの心を掴んで離さないでしょう。


14世紀ギリシャの写本 PD
「ギリシャ神話」の全体像は、以下で解説しているよ!


雷霆の神ゼウスってどんな神さま?
雷霆の神ゼウスがどんな神さまなのか、さっそく見ていきましょう。



いくぜっ!
簡易プロフィール
正式名称 | ゼウス ΖΕΥΣ |
---|---|
名称の意味 | 明るい 日 など諸説あり |
その他の呼称 | クロニデス(Cronides) クロニオン(Cronion) |
ラテン語名 (ローマ神話) | ユピテル(Jupiter) |
英語名 | ジュピター(Jupiter) |
神格 | 全知全能の最高神 神々の王 天空の神 雷の神 嵐の神 雨の神 正義の神 法と秩序の神 王権の神 家族の神 財産の神 貧者の神 運命と宿命の神 |
性別 | 男性 |
勢力 | オリュンポス12神 |
アトリビュート (シンボル) | 雷霆 稲妻 王笏 玉座 樫の葉の冠またはオリーブの冠 樫(オーク)の木 オリーブの木 コルンコピア(豊穣の角) アイギス(Αιγίς) ※魔除けの力をもつ山羊皮製の腕当てまたは盾、あるいは胸当て |
聖獣 | 鷲 牡牛 |
直属の部下 | 伝令の神ヘルメス(Ἑρμης) 勝利の女神ニケ(Νίκη) 威力の神クラトス(Κρατος) 競争の神ゼロス(Ζῆλος) 腕力の女神ビア(Βία) 法の女神テミス(Θέμις) 運命の女神モイライ(Μοῖραι) 季節の女神ホーライ(Ὧραι) 憤怒の女神ネメシス(Νέμεσις) |
敬称 | ネフェレゲレタ(黒雲寄せる君) アフェシオス(雨を降らせる君) マイマクテス(荒れ狂う君) パンヘレニオス(すべてのギリシャ人の神) ほか多数 |
主な拠点 | オリュンポス山 |
信仰の中心地 | 全ギリシャ |
親 | 父:農耕の神クロノス(Κρόνος) 母:大地の女神レア(Ῥέα) |
兄弟姉妹 | 炉の女神ヘスティア(ΕΣΤΙΑ) 豊穣の女神デメテル(ΔΗΜΗΤΗΡ) 結婚の女神ヘラ(Ἥρα) 冥界の王ハデス(ΑΙΔΗΣ) 海神ポセイドン(ΠΟΣΕΙΔΩΝ) 異母兄弟として ケンタウロスの賢者ケイロン(Χείρων) |
配偶者 | 知性の女神メティス(Μῆτις) 法の女神テミス(Θέμις) 結婚の女神ヘラ(Ἥρα) ほか、浮気相手として 母性の女神レト(Λητώ) 星の精霊マイア(Μαῖα) 豊穣の女神デメテル(ΔΗΜΗΤΗΡ) テーバイの王女セメレ(Σεμέλη) 水の女神エウリュノメ(Εὐρυνόμη) 記憶の女神ムネモシュネ(Μνημοσύνη) アルカディアの精霊ティムブリス(Θυμβρις) 月の女神セレネ(Σελήνη) 牧神の妻アイクス(Αιξ) 豊穣の女神カルメ(Καρμη) 大地の女神ガイア(Γαῖα) 冥界の女王ペルセポネ(ΠΕΡΣΕΦΟΝΗ) シチリア島の精霊タレイア(Θαλειη) アルゴスの王女ダナエ(Δανάη) ミュケナイの王女アルクメネ(Ἀλκμήνη) スパルタの王妃レダ(Λήδα) フェニキアの王女エウロペ(Εὐρώπη) アルゴスの王女イオ(Ῑ̓ώ) ヒュリアの王女アンティオペ(Ἀντιόπη) 処女神の侍女カリスト(Καλλιστώ) 水の精霊アイギナ(Αἴγινα) 愛と美と性の女神アフロディーテ(ΑΦΡΟΔΙΤΗ)とも 憤怒の女神ネメシス(Νέμεσις)とも 忘却の女神レテ(Λήθη)とも 叙事詩と弁舌の女神カリオペ(Καλλιοπη)とも 蛇の怪物ラミア(Λάμια) トロイアの王子ガニュメデス(Γανυμήδης) などほか無数 |
子孫 | メティスとの間に、 戦いの女神アテナ(Αθηνη) テミスとの間に、 運命の女神モイライ(Μοῖραι) 季節の女神ホーライ(Ὧραι) 黄昏の娘たちヘスペリデス(Ἑσπερίδες)とも ヘラとの間に、 青春の女神ヘベ(Ἡβη) 戦いの神アレス(ΑΡΗΣ) 出産の女神エイレイテュイア(Ειλειθυια) 鍛冶の神ヘパイストス(Ἥφαιστος)とする場合も 争いと不和の女神エリス(Ἔρις)とも レトとの間に、 狩猟の女神アルテミス(ΑΡΤΕΜΙΣ) 光明の神アポロン(ΑΠΟΛΛΩ) マイアとの間に、 伝令の神ヘルメス(Ἑρμης) デメテルとの間に、 冥界の女王ペルセポネ(ΠΕΡΣΕΦΟΝΗ) セメレとの間に、 酩酊の神ディオニュソス(Διονυσος) エウリュノメとの間に、 美と優雅の女神カリテス(Χάριτες) ムネモシュネとの間に、 芸術の女神ムーサイ(Μοῦσαι) ティムブリスとの間に、 牧神パン(Παν) セレネとの間に、 満月の女神パンデイア(Πανδεια)またはネメア(Νεμεα) 露の女神エルサ(Ερσα)またはヘルセ(Ἕρση) アイクスとの間に、 牧草地の精霊アイギパン(Αιγιπαν) カルメとの間に、 狩猟と漁業の女神ブリトマルティス(Βριτομαρτις) ガイアとの間に、 両性具有の神アグディスティス(Αγδιστις) キプロス島のケンタウロス(Κενταυροι Κυπριοι) ペルセポネとの間に、 冥界の女神メリノエ(Μηλινοη) 秘儀の神ザグレウス(Ζαγρευς) タレイアとの間に、 間欠泉と温泉の神パリコイ(Παλικοι) ※単数形でパリコス(Παλικος) ダナエとの間に、 半神の英雄ペルセウス(Περσεύς) アルクメネとの間に、 半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής) レダとの間に、 スパルタの王女ヘレネ(Ἑλένη) 英雄ポリュデウケス(Πολυδεύκης) エウロペとの間に、 クレタ島の王ミノス(Μίνως) クレタ島の王ラダマンテュス(Ῥαδάμανθυς) リュキアの王サルペドン(Σαρπήδων) イオとの間に、 エジプトの王エパフォス(Ἔπαφος) ビザンツ建国の母ケロエッサ(Κερόεσσα) アンティオペとの間に、 テーバイの王アムピオン(Ἀμφίων) テーバイの王ゼトス(Ζῆθος) カリストとの間に、 アルカディアの王アルカス(Ἀρκάς) アイギナとの間に、 アイギナ島の王アイアコス(Αἰακός) アフロディーテとの間に、 生殖と豊穣の神プリアポス(Πρίαπος)とも ネメシスとの間に、 英雄カストール(Κάστωρ)とも 英雄ポリュデウケス(Πολυδεύκης)またはポルックスとも ※2人合わせてディオスクロイ(Διόσκουροι)、「ゼウスの子」の意 スパルタの王女ヘレネ(Ἑλένη)とも ミュケナイの王妃クリュタイムネストラ(Κλυταιμνήστρα)とも レテとの間に、 酩酊の神ディオニュソスとも カリオペとの間に、 武装した踊り手コリバンテス(Κορυβαντες)とも その他、 雲と雨の精霊ネフェライ(Νεφελαι) 真実の女神アレテイア(Αληθεια) 妄想と愚行の女神アテ(Ατη) 時刻の神カイロス(καιρός) 祈りの女神リタイ(Λιται) 河神ファシス(Φασις)とも ほか、神々の子孫も人間族の子孫も無数 |
対応する星 | 木星(Jupiter) :ローマ神話名のユピテルより |
概要
ゼウスは、ギリシャ神話に登場する天空の神にして、すべての世界を統治する全知全能の最高神です。
オリュンポス山の宮殿に居住し、「神々と人間の父」と呼ばれた彼は、
- 「嵐」や「雷」、「雨」などの天候
- 「正義」と「法」、そして「秩序」
- 「運命」と「宿命」
- 「王権」と「財産」の守護
- 「家族」と「弱者」の保護
などの事柄を司りました。


『神々の父ゼウスとテティス』 1811年 PD
また、ゼウスは、すべての不死なる存在が従う最高権威として古代ギリシャ世界に君臨し、
- 民衆の集会
(アゴライオス:Αγοραιος) - 評議会の会合
(ブーライオス:Βουλαιος) - 家と家族
(ヘルケイオス:Ἑρκειος)
の尊厳を守るとともに、
- 神聖なる誓約
(ホルキオス:Ὅρκιος) - 歓待の法
(クセニオス:Ξενιος)
※訪問者を快くもてなすこと - 嘆願者の保護
(ヒケシオス:Ἱκεσιος)
の遵守を人々に徹底させ、不正を行う者たちに天罰を与えたとも言われています。



上記の用語は、すべてゼウスに贈られた
敬称や称号でもあるんだ!


『ギリシャ悲劇の物語』よりゼウスの戦車
1879年 PD
さらに彼は、
- すべての人々の行いと苦しみを見守る者
- あらゆる「預言」の力の源泉
- 善悪を問わず、あらゆる事象を引き起こす根源
- 自らの選択によって、人間に「善」と「悪」の結末を与える者
として、「運命」そのものすらも、自らの権威に従属させました。



まさに「神々の王」、そして
古代世界の「風紀委員長」的な存在じゃのぅ



ゼウスと言えば、浮気性の絶倫おじさんのイメージ
があるけど、その辺はどうなっているのかしら?



それはおいおい説明するから!
今はこの比類なき権威に平伏しときんさい!!
ゼウスは古代ギリシャ美術において、逞しい体格と黒い髭をもつ、威厳のある成熟した男性として描かれました。
彼を示す最も特徴的な要素には、手に握る槍のように様式化された「稲妻」―いわゆる「雷霆」―や「王笏」、「アイギス(Αιγίς)*」と呼ばれる防具などが挙げられるでしょう。
※魔除けの力をもつ山羊皮製の腕当てまたは盾、あるいは胸当て。戦いの女神アテナ(Αθηνη)が持つ場合も。
また、ゼウスは、長いローブやマントを身にまとって玉座に腰かけ、頭にはオリーブの葉で編まれた冠を戴き、傍らには愛鳥である鷲を従える姿でも描写されました。


出典:ニューヨーク公共図書館 PD
ゼウスの波乱万丈な誕生秘話!
そして「全ギリシャの王」となるまでの道のり!
雷霆の神ゼウスは、農耕の神クロノス(Κρόνος)と大地の女神レア(Ῥέα)のあいだに第六子として誕生。
しかし、「自分の子どもたちに王権を奪われる」という予言に囚われたクロノスは、レアが赤ん坊を生むたびに、それを片っ端から飲み込んでしまいます。
ゼウスの兄姉には、
が生まれていましたが、結局は5人とも父・クロノスの胃袋に押し込められ、そこで幼少期を過ごすことになりました。
その後、6番目に生まれたゼウスだけは、機転を利かせた母が身代わりの「石」を夫に飲み込ませたことで、唯一難を逃れてクレタ島のディクテオン洞窟(Δικταίου Άντρο)へと亡命。


彼はそこで、自然界の精霊ニンフ(Νύμφη)たちの手によって養育され、すくすくと健康に成長します。
※ゼウスの出生地や養育地については諸説さまざまある
女性たちは歌を歌ったり踊ったり、槍や盾をガチャガチャと打ち鳴らすことで騒音をたて、赤ん坊の泣き声がオリュンポス山に届かないように注意を払ったのだそうです。



幼いゼウスを守るために「黄金の犬」
が飼われたとする記録も残っているそうだよ!
やがて立派な青年となったゼウスは、まだ会ったこともない家族たちを助け出すべく、ある日唐突に一念発起。
彼は、知性の女神メティス(Μῆτις)から授かった催吐剤をクロノスの飲み物に盛ることで、見事5人の兄姉の救出に成功しました。
この際、父クロノスは飲み込んだのと逆の順番で子どもたちを吐き出したので、ゼウスは6人の兄弟姉妹のなかで、「末子にして長男坊」という立ち位置にもついています。
その後、ゼウス率いる6神は、横暴な父クロノスに対して宣戦を布告、「ティタノマキア(Τιτανομαχία)」と呼ばれる、10年にも及ぶ大戦争が始まりました。


『オリュンポス、巨人族の戦い』 1764年 PD



親父ィィィィィィィ!!
命もろたでぇぇぇぇぇ!!!!


立ち上がった神々は、原始の奈落タルタロス(Τάρταρος)に投獄されていた単眼巨人キュクロプス(Κύκλωψ)や、百手巨人ヘカトンケイル(Ἑκατόγχειρ)たちを解放。
この際、鍛冶や細工を得意とするキュクロプスは感謝のしるしとして、
- ゼウスには、万物を破壊し燃やし尽くす「雷霆」
- ポセイドンには、大海と大陸を支配する「三叉の鉾」
- ハデスには、姿を消すことができる「魔法の兜」
を贈ったと伝えられています。



うわはははは!!
逆らう者は全員、消毒したるでぇぇ!!
文字通りの神アイテムを授かったゼウス一派は、解き放たれた巨人族の力を得てさらに勢いを増し、ついにクロノス率いるティタン神族を撃破します。


出典:ニューヨーク公共図書館 PD






敗北した先代の神々はタルタロスの囚人となり、世界の頂点には、ゼウスを筆頭とするオリュンポスの神々が君臨する運びとなりました。
この際、ゼウス、ポセイドン、ハデスの3兄弟は、それぞれがどの領地を治めるのかを「くじ引き」にて決めることとし、
- ゼウスが「天界」
- ポセイドンが「海」
- ハデスが「冥界」
を支配する形になったとされています。



わしはくじ運も良かったんじゃなぁ~


また、ゼウスは手始めに、先の戦争においてオリュンポス勢力を散々に手こずらせ、明らかに悪目立ちした巨人のアトラス(Ἄτλας)に対し、



お前はぁ、世界の西の果てに立って、
これから永遠に「天空」を支えるんだよ
と、特別に重い刑罰を言い渡したりもしました。


ゼウスらオリュンポス勢力と、クロノスらティタン神族の最終決戦が行われた場所は、ペロポネソス半島にあるアルカディアの平原だと言われています。
この地域では地面を掘ると、先史時代のゾウやサイの巨大な骨が数多く出土したのだとか。
古代ギリシャ人たちは、これらを見て、



こいつぁ、ティタン(巨人)神族の骨に違ぇねぇ!



ここでゼウス様の雷に打ち滅ぼされたから、
こんなにたくさんのでっけぇ骨が埋まってんだぁ!
と考えたようです。
※アルカディアの平原は、最も雷が落ちやすい地域の一つらしい
現実世界の自然環境や地理的な条件が、伝説上の種族や物語の誕生に強く影響したという側面も、神話を楽しむ上での重要なポイントとなるでしょう。
最高神ゼウスの普段のお仕事と崇拝、そして部下たち
「ティタノマキア」の大戦争を戦い抜き、父クロノスが率いるティタン神族を排斥したゼウスは、ついに全世界の権力の頂点に立ちました。
彼は、ギリシャ全土や植民地で広く崇拝され、後のローマ時代には、同じく最高神のユピテル(Jupiter)と同一視されたと言われています。
主神のポストに就任したゼウスは、これ以降、冒頭に記載した通り「法と秩序の維持」や「王権と財産の保護」など、種々様々な事柄を司りました。


出典:ニューヨーク公共図書館 PD



とはいえ、いくら全知全能の神といっても、
すべての仕事を1人でこなすのは無理があるんじゃないの?
神々の王として、古代ギリシャ世界の運営を一手に担ったゼウスは、直属の部下として複数の優秀な神々を従えたと伝えられています。
ここでは、そんなゼウス内閣の閣僚に抜擢されたイ〇れたメンバーを、ざっくり概要で押さえてみましょう。
※彼らの親子関係や出自については、記事の後半部分でも概説しています
主神の「最側近」4柱
オリュンポス山の玉座に侍り、ゼウスの最側近を務めたのが、以下の4柱の神々です。
彼らは戦闘と武芸の神パラス(Παλλας)と憎しみの女神ステュクス(Στυξ)の間に誕生した兄弟姉妹で、それぞれが、最高神の有する様々な特徴を体現しました。
神名 | 体現した要素 |
---|---|
威力の神クラトス (Κρατος) | 「野蛮な力強さ」や「権力」 ゼウスの暴力的な側面の執行者 |
腕力の女神ビア (Βία) | 「暴力的な力」と「武勇」 ゼウスの暴力的な側面の執行者 |
勝利の女神ニケ (Νίκη) | 「勝利」と「栄光」 ゼウスの戦車の御者や使い魔的な立ち位置 |
競争の神ゼロス (Ζῆλος) | 「熱意」や「大志」そして「競争心」 |
4兄妹の父パラスは、実はゼウスの天敵であるティタン神族の1人でしたが、時勢を正確に読んだ母ステュクスが、子どもたちを連れて真っ先にオリュンポス勢力に寝返ったため、彼らはこの名誉ある職に就くことができたのです。
主神の「私設秘書」兼「外交官」
ゼウスの個人的なメッセンジャー、外交官、特使、そして神々の意志を広く伝える代理人としての役割を果たしたのが、主神の息子でもある伝令の神ヘルメス(Ἑρμης)です。


『メルクリウス』 1611年 PD
彼は、四六時中ギリシャ世界を忙しく飛び回り、単にメッセージや神託を伝えるのみならず、父ゼウスがやりたい放題に引き起こす様々な騒動や色恋沙汰の尻拭いを担当しました。


より古い時代の伝令神には虹の女神イーリス(Ἶρις)がいましたが、彼女はより貴族色が強い事務的な連絡係で、神々の女王・結婚の女神ヘラの直属の部下としての色合いが強かったようです。


主神の「良心」にして「ブレーン」
知性の女神メティス(Μῆτις)はもともとゼウスの妻でしたが、「生まれた子に王権を奪われる」という予言を信じた夫に―かつて誰かがやったのと同じように―丸呑みにされ、最高神の腹の中で生き続けるという数奇な運命を辿りました。
古代ギリシャ人は、「思考」と「感情」の源が「脳」ではなく「腹」にあると信じていたため、彼女を体内に取り込むという行為は、「賢明な助言」と「明晰な思考」を自らの内に宿すことを意味していたのです。
ゼウスはこの出来事以降、より賢くなり、その全知全能っぷりにより磨きをかけたとされました。



メティスに関わる紆余曲折は、
記事後半の親子関係の項目でも紹介しとるぞぃ


オリュンポスの「最高法務顧問」
最高神ゼウスの高位顧問を務めたのが、法の女神テミス(Θέμις)です。


彼女はオリュンポスの玉座の傍らに座り、主神との間に生まれた6人の娘たち、
と協力して、「季節」や「時間」の流れ、人々や神々の「運命」など、古代ギリシャ世界を構成する「宇宙の秩序」の維持を担いました。
テミスはまた、ゼウスの宮廷にすべての神々を召集する役割も任されていたと言われています。



法律的な意味での「法」というより、
「世界の理」的なイメージだよね!






ギリシャにおける法と秩序の「執行者」
世界そのものを構築・維持する神がいれば、そこに住む人々に行動規範を遵守させ、悪しき行為に罰を与える神も存在します。
それが、復讐の女神エリニュス(Ἐρινύς)の3姉妹と、憤怒の女神ネメシス(Νέμεσις)です。


『オレステスの後悔』 1862年 PD
エリニュスは、古代ギリシャ世界で特に重んじられた「血縁の掟」に対する侮辱行為―子が親の命を奪うなど―を徹底的に追求し、厳しい処罰を与える役割をもちました。
また、ネメシスは、人間の神々に対する「不敬」や「傲慢」、著しくバランスを欠いた「不当な幸福」に対して、「災い」という形でペナルティを科したと言われています。
いずれも厳罰主義の恐ろしい神格として畏怖されましたが、彼女たちはあくまでも、「正義」と「秩序」を守ることをその活動の目的としました。
さらにこの「執行者」のメンバーには、上述した季節の女神ホーライ3姉妹より、正義の女神ディケ(Δίκη)も参加しています。




オリュンポス12神
ギリシャの神々の中でも特に重要な存在や、強い影響力をもつ神格は、その他の神と区別して『オリュンポス12神』と呼ばれました。
もちろん、その頂点に君臨するのも今回の主人公ゼウスです。


- 結婚の女神ヘラ
-
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主神ゼウスの正妻で、オリュンポスの頂点に君臨する神々の女王。
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-
「葡萄酒」や「酩酊」、「狂気」や「快楽」を司る若手のホープで、地上の反対勢力を八つ裂きにしたり血祭りにあげたりすることで出世した成長株。
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オリンポス12神の行列がそれぞれの象徴を携えて描かれている
紀元前1世紀-紀元後1世紀 PD



「オリュンポス12神」の1枠には、ヘスティアが入る場合とディオニュソスが入る場合の2パターンがあるのじゃ



ゼウスらオリュンポスの神々が「行政権」を行使するとすれば、悪を罰するエリニュス3姉妹らが「司法権」、法と運命を定めるモイライ3姉妹らが「立法権」として独立しとるイメージかのぅ



統治のベースはしっかりしてるけど、
「オリュンポス12神」が引っ掻き回してるとも言えるわよね
ギリシャにおける「犯罪者収容施設」
古代ギリシャ世界において、ゼウスをはじめとした神々をブチギレさせるほどの悪事を働いた者たちは、奈落の神であり原始の奈落そのものでもあるタルタロス(Τάρταρος)の深淵へと堕とされました。
※死後の世界である「冥界」とは厳密には別物。ただしその一部として位置づけられる場合も。
囚人たちはそこで、永遠に終わることのない種々様々な刑罰に苦しみ続けたとされています。
タルタロスに投獄された有名な犯罪者には、
- 2度にわたって神々と「死」を欺いた、コリントスの王シシュポス(Σίσυφος)
- 息子の肉を食事に提供して神々を試した、リディアの王タンタロス(Τάνταλος)
- 神々の女王ヘラを口説き落とそうとした、ラピテス人の王イクシオン(Ἰξίων)
などが挙げられます。


『シシュポス』 1548年 PD



人間たちも被害者面ばかりはしていられない程度には、
普通に激ヤバなのよね…
また、オリュンポスの神々に敗北したクロノスらティタン神族が監禁された場所も、こちらのタルタロスです。



「網〇刑務所」や「アズ〇バン」を想像すればよいじゃろぅ


その他の主神の部下たち
天上のオリュンポス山では、上記の他にも日々、以下のような神々が働いていました。
- 青春の女神ヘベ
-
オリュンポスの酌取り役で、神々の饗宴において神食アムブロシア(ἀμβροσία)や神酒ネクタル(νέκταρ)を食卓へと運んだ。
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-
半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)との結婚を機に退職したヘベの代わりとして、ゼウスが地上から無理やり連れて来た美少年。
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-
翼をもつ不死の天馬。
飼い主であるコリントスの王ベレロフォン(Βελλεροφῶν)が死亡した後、1人(匹)オリュンポス山に住みつき、ゼウスの「雷」を運ぶ戦車を牽く役割が与えられた。
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-
人間の女性の頭部と鳥の身体をもつ神話上の生物。
「ゼウスの猟犬」とも呼ばれ、地上から人間を連れ去ったり、苦しめたりする任務を与えられた。


「ペガサスに乗るベレロフォン」 1914年 PD
いろいろと言うてますけども、ゼウスが『最高神』の理由って結局なに?



ゼウスがトップに立った経緯とか、
統治の体制とかは分かったけども…



結局のところ、彼が「最高神」とされる所以は何なのかしら?
ギリシャ神話においてゼウスが最高神とされた理由――。
それは、彼が「天候」を操る神だったからです。
夏の乾季には日照りが続き、冬になると嵐が頻発して突然の雷雨に見舞われることも多かったギリシャの土地で、古代人たちは「農耕」と「牧畜」を行い生活の糧を得ていました。
作物を吹き飛ばしてしまう「嵐」や「雷」、あらゆるものを枯らしてしまう「干ばつ」が何よりも恐ろしい存在であった当時の環境において、これらの天候をコントロールし、恵みの「雨」をもたらす存在であったゼウスは、まさに「最高」のポジションにふさわしい神格だったのです。


どれだけ壮大な物語を紡いだとしても、メタ的な視点で見れば、選ばれてリスペクトされる基準は「人間さまの役に立つかどうか」――。
一見、主従関係が逆転しそうな複雑さを呈しつつも、ふたを開けてみればどシンプルな利害関係――。
「神話」って、こういうところも非常に面白いポイントだと思います(筆者談)。



信じる人々がおるからこそ、神は力をもつんじゃのぅ~
ギリシャ全土で崇拝された「最高神ゼウス」は、元々はそれぞれの国ごとに複数存在したか、少なくとも3系統の別個の神として認識されていたと言われています。
しかし、それらは時が経つにつれ、古代ギリシャ人の中でひとつの偉大な「国民的神」として統合されていき、やがて現代の私たちも良く知る全知全能の雷おじさんになったのだとか。
ここでは、そんなゼウスの古い時代の情報を、補足として簡単にまとめています。
アルカディアのゼウス (Ζευς Λούκαιος) | アルカディア地方のパルハシオン山やリュカイオン山のクレテイアで誕生したとされるゼウス。 |
---|---|
ニンフのテイソア、ネダ、ハグノに育てられた。 | |
現地の王リュカオン(Λυκάων)や、彼が狼に変身したという伝説が有名。 | |
ドドナのゼウス (Δωδώνιος Ζευς) | トマルス山近くのエペイロスのドドナに由来をもつとされるゼウス。 |
やっぱり現地のニンフに育てられた。 | |
主に預言の神として崇拝され、樫の木が聖木とされた。 | |
クレタ島のゼウス (Ζευς Δικταίος) | 女神レアがクロノスから隠して、ディクテオン洞窟にて産んだとされるゼウス。 |
クレテス及び、ニンフのアドラステイアとイダに育てられ、山羊アマルテイアの乳と蜂蜜で養われた。 | |
イダ山、クノソス、ゴルティンなどで信仰された、メジャーな話に一番近いパターン。 | |
ギリシャの国民的神 ゼウス | 前述の3神が統合された、みんながよく知る最高神としてのゼウス。 |
エリスのオリンピアにあるゼウス神殿の近くでは、4年毎の競技祭オリンピックが行われた。 | |
物理的な「天空」と同一視されることもあったらしい。 |


『オリンピアのゼウス像』 1815年 PD
ゼウスが関わった主なストーリー



ゼウスの活躍を見てみよう!
さすがは最高神!?
神々の王ゼウスの派手過ぎる女性関係と子孫たち
古代ギリシャの頂点に君臨したゼウスは、正妻である女神ヘラ以外にも様々な女性と―神か人間かを問わず―関係をもち、世界秩序の維持に影響を及ぼす数多くの重要な神格や、派手な武勇伝を後世に残す英雄たちの父となりました。
ここでは、そんな彼が築き上げた、もはや収拾のつかないゼウスファミリーのイ〇れたメンバーたちをご紹介します。



とはいえその数は膨大なので、
主要なメンバーに限定させてもらっておるぞぃ



名前をクリックすると個別記事に飛ぶから、
良ければそちらも見てみてね
※現時点ではまだ書いてないやつもあります



わはははは
ここからがわしの本領発揮じゃ~い
相手女性 | 子孫 | 摘要 |
---|---|---|
知性の女神 メティス (Μῆτις) | 戦いの女神 アテナ (Αθηνη) | 実はゼウスの最初の妻は彼女。 |
「生まれた子どもに王権を奪われる」と予言されたゼウスは、妊娠中のメティスを飲み込み、彼女は夫の腹の中で生き続けることになった。 | ||
成長したアテナは、父ゼウスのかち割られた頭部から、雄叫びをあげて外の世界に飛び出した。 | ||
法の女神 テミス (Θέμις) | 運命の女神 モイライ (Μοῖραι) 季節の女神 ホーライ (Ὧραι) | ゼウスの2番目の妻が彼女。 |
「時間」や「季節」の流れ、神々や人間の「運命」など、この世界の根本的なルールを司る娘たちが誕生した。 | ||
一家そろってオリュンポス山の重要ポストに就いている。 | ||
結婚の女神 ヘラ (Ἥρα) | 青春の女神 ヘベ (Ἡβη) 戦いの神 アレス (ΑΡΗΣ) 出産の女神 エイレイテュイア (Ειλειθυια) | ゼウスの正妻といえば彼女だが、意外にも実は3番目の妻。 |
新婚初夜が300年にわたって続いたことで有名。 | ||
子どもたちはギリシャ世界のツートップの間に誕生したのに、思ったよりぱっとしないことでも有名。 | ||
これ以降の女性たちは基本的に、ヘラの嫉妬と憎悪を受けてえげつない目に遭っている。 |


『ゼウスとヘーラー』 1597年 PD
相手女性 | 子孫 | 摘要 |
---|---|---|
豊穣の女神 デメテル (ΔΗΜΗΤΗΡ) | 冥界の女王 ペルセポネ (ΠΕΡΣΕΦΟΝΗ) | 説によっては娘とすらも交わって子孫を残している。 |
水の女神 エウリュノメ (Εὐρυνόμη) | 美と優雅の女神 カリテス (Χάριτες) | ― |
記憶の女神 ムネモシュネ (Μνημοσύνη) | 芸術の女神 ムーサイ (Μοῦσαι) | ― |
母性の女神 レト (Λητώ) | 狩猟の女神 アルテミス (ΑΡΤΕΜΙΣ) 光明の神 アポロン (ΑΠΟΛΛΩ) | ブチギレたヘラがギリシャ全域での出産を禁じたので、神話史上最大の難産となった。 |
星の精霊 マイア (Μαῖα) | 伝令の神 ヘルメス (Ἑρμης) | ― |
テーバイの王女 セメレ (Σεμέλη) | 酩酊の神 ディオニュソス (Διονυσος) | ブチギレたヘラの策略によって妊娠中のセメレが焼け死んだので、ゼウスは自分の太ももに胎児を縫い込んで月が満ちるまで待った。 |
この経緯があるため、ディオニュソスは人間の母をもちながらも完全な不死の神となった。 | ||
アルゴスの王女 ダナエ (Δανάη) | 半神の英雄 ペルセウス (Περσεύς) | ゼウスは「黄金の雨」に変身して乙女の部屋に侵入し、執念の密会を果たした。 |
ミュケナイの王女 アルクメネ (Ἀλκμήνη) | 半神の英雄 ヘラクレス (Ηρακλής) | ブチギレたヘラの妨害によりとんでもない難産となったうえ、息子の方も過酷なイビリを受け続けた。 |
処女神の侍女 カリスト (Καλλιστώ) | アルカディアの王 アルカス (Ἀρκάς) | ブチギレたヘラとアルテミスのダブルパンチで、熊に変えられて森を彷徨う羽目になった。 |


『我が子に驚くアルクメーネー』 1676年 PD
相手女性 | 子孫 | 摘要 |
---|---|---|
スパルタの王妃 レダ (Λήδα) | スパルタの王女 ヘレネ (Ἑλένη) 英雄 ポリュデウケス (Πολυδεύκης) | ゼウスの人口削減政策の一環として、「トロイア戦争」の引き金となるヘレネが生み出されたとも言われる。 |
フェニキアの王女 エウロペ (Εὐρώπη) | クレタ島の王 ミノス (Μίνως) クレタ島の王 ラダマンテュス (Ῥαδάμανθυς) リュキアの王 サルペドン (Σαρπήδων) | 息子のうち2人はゼウスの兄ハデスのもとに就職して、「冥界の審判官」となった。 |
アルゴスの王女 イオ (Ῑ̓ώ) | エジプトの王 エパフォス (Ἔπαφος) ビザンツ建国の母 ケロエッサ (Κερόεσσα) | ― |
ヒュリアの王女 アンティオペ (Ἀντιόπη) | テーバイの王 アムピオン (Ἀμφίων) テーバイの王 ゼトス (Ζῆθος) | ― |
水の精霊 アイギナ (Αἴγινα) | アイギナ島の王 アイアコス (Αἰακός) | 息子はゼウスの兄ハデスのもとに就職して、「冥界の審判官」となった。 |
蛇の怪物 ラミア (Λάμια) | 何人かいたが全員死亡 | ブチギレたヘラによって子の命を奪われ、狂って蛇の怪物となった。 |
トロイアの王子 ガニュメデス (Γανυμήδης) | ― | 可愛い男の子をオリュンポスに拉致して、給仕係に任命した。 |
ほか無数、「簡易プロフィール」の方も参照してみてね


『エウロペの誘拐』 1560年-1562年 PD
浮気だらけのスーパー絶倫おじさんゼウス!その設定の真意とは!?
皆さんのなかにはもしかすると、上述した主神ゼウスの家族関係を見て、



なんなのこのおっさん…
奥さんがいながら不倫ばっかりして……



サイッテー…
と思ってしまう方もいるかもしれません。
確かに、下半身がやや奔放過ぎる感は否めませんが、本当に彼は最低最悪の浮気野郎、そして女性の敵だったのでしょうか。
そして、本来は最高神の地位にふさわしくない、倫理観に欠けたクソ野郎だったのでしょうか。



ノーンノンノンノン…
実は、ゼウスにまつわるこうした設定は、すべて「原因」と「結果」が逆なのです。
彼は本当に偉大な最高神で、全ギリシャ人から篤い崇敬を集めていました。


1872年-1887年
出典:ニューヨーク公共図書館 PD
しかし、ご存じの通り古代ギシリャには、一つの国家に統一されておらず、各地に都市国家(ポリス)が乱立していたという事情があります。
それゆえに、各都市の人々が、リスペクトするゼウスとの血の繋がりをこぞって求め、



うちの守護神はさぁ、あのゼウス様の息子なんだぜェ~



いやいや、わしらの町にもゼウス様の
血を引く神さまがおりまっせぇ!



いやいやいやいや、それを言うたら私らのとこだって…
と、好き勝手に起源を主張。
その結果、ゼウスはいつの間にか、ギリシャのあちこちに子種をばら撒いた超絶絶倫おじさんということになっていたのです。
これは、誰もが好きに物語を紡ぐことができた、極めて自由なギリシャ神話ならではの展開といえるでしょう。
※もちろん、周囲を納得させる説得力は必要だった


『アテーナーの誕生』 1688年 PD



わしのキャラはね、尊敬されまくったがゆえの「結果論」なの



分かったぁ?!



どうでもいい話だけど、ゼウスが自分で致した時に漏れた体液が地面に落ちて、そこからアーモンドの木が生まれた、という伝承も残っているよ!
偉大な最高神ゼウス、世界の秩序を整えギリシャの支配権を完全なものとする
主だった敵はすべて排除し、ギリシャ世界の理を司る重要な神々を生み出した主神ゼウス。
しかし、彼の統治体制を盤石とするための下準備は、これだけでは終わりませんでした。
ここでは、ゼウスが古代ギリシャ世界における支配権を絶対的なものとするまでの流れを、ダイジェストで押さえてみましょう。


出典:ニューヨーク公共図書館 PD
「人類」をめぐる価値観の相違でプロメテウスと衝突する
ギリシャ神話の世界観において「人類」を創造したのは、先見の神プロメテウス(Προμηθεύς)であるとも言われています。
当然ながら彼は大の「人間推し」で、人々に最初の「火」を与えたほか、「建築技術」や「気候の観測方法」など、さまざまな叡智を惜しみなく地上に普及させました。
一方で最高神ゼウスは、油断すればすぐに神々に対する敬意を忘れ、欲望に負けて互いに滅ぼし合うこの「人類」という生き物を、まったくもって信用していなかったようです
彼は、プロメテウスの人間贔屓を再三にわたって咎めましたが、当の本人がまったく態度を改めなかったため、その身柄を拘束。
プロメテウスをコーカサス山脈の岩に縛り付け、凶暴な大鷲から永遠に内臓を啄まれるという残酷な刑罰を与えました。
このお話の詳細はコチラ!!




『縛られたプロメテウス』 1847年 PD
やっぱり「人類」が嫌いなゼウス、地上に最初の「災厄」をもたらす
プロメテウスの一件以来、好き勝手に文明レベルを上げていく人間たちにイライラした主神ゼウスは、鍛冶の神ヘパイストス(Ἥφαιστος)に命じて、人類最初の女性パンドラ(Πανδώρα)を創造させました。
「絶対に開けてはならない箱」*を携えて地上へと送り出された彼女は、プロメテウスの弟である後知恵の神エピメテウス(Ἐπιμηθεύς)と結婚します。
※正確には「ピトス(πίθος)」と呼ばれる壺
夫婦生活にも慣れ、やや退屈さを覚え始めたパンドラはある日、嫁いできた際に授かった「例の箱」の蓋を、好奇心に負けて開いてしまいまいした。
すると、なんということでしょう。
人類が暮らす地上の世界には、「戦争」や「貧困」、「嫉妬」や「飢餓」など、ありとあらゆる「悪」が蔓延り、彼らの人生の難易度を大幅に引き上げる結果となったのです。
すべては、「火」を持ち去った人類に対する、ゼウスがもたらした過酷な報復でした。
このお話の詳細はコチラ!!




『パンドーラー』 1882年 PD
ついに「人類」にブチギレたゼウス、地上を滅ぼし「リセマラおじさん」と化す
主神の父・農耕の神クロノスの治世は、ギリシャ神話の世界観において「黄金の時代」と呼ばれました。
次いで、ゼウスが世界の覇権を握ると、それ以降の期間は「銀の時代」と表現されるようになります。
しかし、この当時の人々は、次第にオリュンポスの神々に対する敬意を忘れていったため、ブチギレたゼウスの手によって完全に滅ぼされてしまいました。
その後、再び人類の文明が地上の世界に芽吹き、後に「青銅の時代」と呼ばれる年代に入りますが、やはり人間たちは武器を作って互いに争い、すぐに敬虔な心を忘れ去ってしまいます。
2度目のブチギレを見せたゼウスは、海神ポセイドンと共にとんでもない大洪水を引き起こし、またしても人間の世界を滅ぼし尽くしました。
ところが今回は、デウカリオン(Δευκαλίων)とピュラー(Πύρρα)という名の夫婦が、唯一難を逃れて生存。
彼らは真面目な信仰心をもつ人間だったので、ゼウスは2人を見逃し、この夫婦を起点に次なる世代の人類が改めて発展することとなります。


『デウカリオンとピュラ』 1636-1637年 PD
こうして幕を上げたのが、「英雄の時代」――。
ペルセウスやヘラクレスといった有名人が大活躍を果たす、最もドラマにあふれた時代です。



ちなみに、現代の私たちが生きているのは、
「英雄の時代」から続く「鉄の時代」なのよ



古代ギリシャの歴史は、
5つの時代区分に分けられとったのじゃ
このお話の詳細はコチラ!!


ティタン神族の処遇をめぐって大地母神ガイアが激怒、宇宙最大の戦争が始まる
クロノスが率いるティタン神族が敗れたことで、古代ギリシャ世界はようやく平和を迎えることができたかに思われましたが、実際にはまったくそんなことはありませんでした。
主神ゼウスが父の世代をまるごと原始の奈落タルタロス(Τάρταρος)にぶち込んだことで、彼らの母親でもある大地の女神ガイア(Γαῖα)が激怒。
巨人族ギガンテス(Γίγαντες)の一団を率いて、オリュンポスの神々に戦いを挑んできたのです。
これは「ギガントマキア(Γιγαντομαχία)」と呼ばれる、宇宙の支配権をかけた史上最大規模の大戦争となりました。


-バチカン美術館にあるローマ時代のレリーフの挿絵 PD
ゼウス率いるオリュンポス勢力は、半神の英雄ヘラクレスの協力なども得て順調に勝利を重ね、徐々にギガンテスの数を減らしていきます。
これに対し、大地母神ガイアは最終兵器として、最大最強の怪物テュポン(Τυφών)を召喚し、実の孫でもあるゼウスへの刺客としてこれを放ちました。
戦いは熾烈を極め、さすがの最高神も一度は足の腱を切られて拘束されるなどのピンチを迎えますが、伝令の神ヘルメス(Ἑρμης)と牧神パン(Παν)の見事な活躍により復活。
最終的にゼウスはテュポンを討ち滅ぼして勝利し、これまではちょいちょい介入してきたガイアをも完全に沈黙させ、ついにギリシャ世界における絶対的な支配権を確固たるものとしました。
この大戦の終結をもって、ようやくゼウスは真の意味で「神々の王」となったのです。
このお話の詳細はコチラ!!






-テュポーンと戦うゼウス 1795年
出典:メトロポリタン美術館 PD
絶対的な権力者として古代ギリシャ世界に君臨したゼウスですが、そんな彼も一度だけ反乱を起こされたことがありました。
その明確な理由は分かっていませんが、若かりし頃の彼はかなり傲慢で気まぐれな性格をしていたとも言われています。
それゆえか、はたまた別の理由からか、いずれにせよ正妻ヘラや海神ポセイドン、戦いの女神アテナや光明の神アポロンといった面々が共謀して主神ゼウスを拘束。
彼は完全に無力な状態となりました。
しかし、唯一、最高神の味方をした海の女神テティス(Θέτις)が、タルタロスの底にいるヘカトンケイル(Ἑκατόγχειρ)の1人ブリアレオス(Βριάρεως)に救援を要請。
解放されたゼウスはブチギレで謀反の参加者を罰し、他の神々はそれ以降、決して彼に逆らわないようになったと伝えられています。


-オリンポスに召喚されたブリアレオス 1795年 PD
ギリシャ神話をモチーフにした作品



参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!
おわりに
今回は、ギリシャ神話に登場する雷霆の神ゼウスについて解説しました。



さすがは最高神、とてもじゃないけど
すべての情報を詳細に書くのは無理だったわね



ゼウスについては、彼と関わった神々の個別記事でも
詳しく解説しているから、良ければそちらも見てみてね!
パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。
神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。
これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!



また来てね!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
- アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
- T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
- 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
- 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
- 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
- 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
- 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
- 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
- かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
- 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
- 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
- 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
- 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
- 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
- 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
- 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
- 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
- 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
- かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
- THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/
他…