こんにちは!
今回はギリシャ神話より
半人半馬の部族ケンタウロスを紹介するよ!
今回はクリーチャー枠の紹介ね
彼らはどんなキャラクターなの?
彼らは人間の上半身に馬の胴体をもつ神話上の生物で、
数多くの物語に登場しているんだ!
一部の例外を除き、短絡的で好色な
治安の悪い輩どもだったのじゃ
ではさっそくいってみよう!
このシリーズでは、忙しいけど「ギリシャ神話」についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。
雄大なエーゲ海と石灰岩の大地が生み出した、欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。
人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。
今回は、ラピテス人の王イクシオンと雲の精霊ネフェレの間に誕生した半人半馬の種族で、神話の数多くの物語に登場するも、短絡的で粗暴、酒と女を好む荒っぽい性格から、ほとんどの場面で英雄たちにシバかれる役回りとなった、意外と治安の悪い神話生物ケンタウロスをご紹介します!
忙しい人はコチラから本編にすっ飛びじゃ
この記事は、以下のような方に向けて書いています。
- ギリシャ神話にちょっと興味がある人
- ギリシャ神話に登場する神さまのことをざっくり知りたい人
- とりあえず誰かにどや顔でうんちく話をしたい人
- ギリシャ神話に登場する「半人半馬の部族ケンタウロス」について少し詳しくなります。
- あなたのエセ教養人レベルが1アップします。
そもそも「ギリシャ神話」って何?
「ギリシャ神話」とは、エーゲ海を中心とした古代ギリシャ世界で語り継がれてきた、神々と人間の壮大な物語群です。
夏には乾いた陽光が降り注ぎ、岩と海とオリーブの木が広がる土地に暮らした人々は、気まぐれで情熱的、そして人間以上に人間らしい神々を生み出しました。
神々は不死である一方、人間と同じように嫉妬し、愛し、怒り、そしてときに残酷な運命に翻弄されます。
現代に伝わる物語の多くは、ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』、ヘシオドスの『神統記』などの古代叙事詩を原典としています。
王族の愛憎劇に始まり、神々の争いや英雄たちの冒険、時に神と人間の禁断の関係まで——
あらゆる欲望と感情が渦巻くギリシャ神話の世界は、きっとあなたの心を掴んで離さないでしょう。


14世紀ギリシャの写本 PD
「ギリシャ神話」の全体像は、以下で解説しているよ!


半人半馬の部族ケンタウロスってどんな存在?
半人半馬の部族ケンタウロスがどんな存在なのか、さっそく見ていきましょう。
いくぜっ!
簡易プロフィール
| 正式名称 | ケンタウロス Κενταυρος 複数形でケンタウロイ(Κενταυροι) | ||
|---|---|---|---|
| 総称の意味 | 雄牛を屠る者 など諸説あり | ||
| その他の呼称 | ヒッポケンタウロス(Ἱπποκενταυρος) ヒッポケンタウロイ(Ἱπποκενταυροι) フェレス(Φηρες) ※「獣たち」の意 ケンタウリス(Κενταυρις) ケンタウリデス(Κενταυριδες) ※女性のケンタウロスを指す総称 | ||
| ラテン語名 (ローマ神話) | ケンタウロス(Centaurus) ケンタウロイ(Centauri) ケンタウリス(Centauris) ケンタウリデス(Centaurides) | ||
| 英語名 | ケンタウロス(Kentauros) ケンタウロイ(Kentauroi) ケンタウリス(Kentauris) ケンタウリデス(Kentaurides) | ||
| 神格 | 半人半馬の部族 | ||
| 性別 | 男女ともに存在 | ||
| 勢力 | クリーチャー | ||
| 主な拠点 | テッサリア地方マグネシア ペリオン山 ペロポネソス半島アルカディア地方 フォロエ山など | ||
| 関連する星座 | ケンタウルス座(Centaurus) | ||
| 親 | 父:ラピテス人の王イクシオン(Ἰξίων) 母:雲と雨の精霊ネフェレ(Νεφελη) ほか、独自の出自をもつ個体も存在 | ||
| 既知個体の名称 | ケイロン (Χειρων) ※「外科医」の意 ポロス (Φωλος) ※「洞窟の」の意 ネッソス (Νεσσος) ※おそらく「アヒル」の意 エウリュティオン (Ευρυτιων) ※「上質な流れ」の意 ロイトス (Ροέτος) ※おそらく「ザクロのワイン」の意 アスボロス (Άσβολος) ※「薄暗い」の意 ヒュライオス (Υλάιος) ※「森の」の意 モニュコス (Μονύχος) ※「猪」の意 ディクティス (Δίκτυ) ※「狩猟網」の意 ヘロプス (Χέλοπς) ※おそらく「声もなく」の意 ラトレウス (Λατρεύς) ※「奴隷状態」の意 ドリュアロス (Δρύαλος) ※「オークの木」の意 ペリメデス (Περιμήδης) ※「計画」の意 ダプニス (Δάφνις) ※「月桂樹」の意 アルゲイオス (Αργείος) ※「銀髪」の意 アンピオン (Αμφίων) ※おそらく「悪いワイン」の意 ヒッポティオン (Ιππώτιος) ※「騎手」の意 オレイオス (Ωρεός) ※「山の」の意 イソプレス (Ισόπλα) ※「数が等しい」の意 メランカイテス (Μελανχαΐτες) ※「黒い(何らかのもの)」の意 テレウス (Θηρέας) ※「獣のような」の意 ドゥポン (Ντούπον) ※「重々しい音」の意 フリクソス (Φρίξος) ※「逆毛」の意 ホマドス (Ὁμαδος) ※「騒乱」の意 アグリオス (Αγριος) ※「獰猛」の意 アフィダス (Αφιδας) ※おそらく「容赦のない」の意 | エラトス (Ελατος) ※「叩かれた」の意 アンキオス (Αγχιος) ※「撤退する」の意 ピレノール (Πυληνορ) ※おそらく「峠」の意 ペトライオス (Πετρέους) ※「岩の」の意 ロイコス (Ροικος) ※「曲がった」の意 ミマス (Μιμας) ※「物まね師」の意 アルクトス (Αρκτος) ※「熊」の意 ペウケウス (Πευκευς) ※「松の木」の意 アミュコス (Αμυκος) ※おそらく「染みのない」の意 エウリュトス (Ευρυτος) ※「上質な角杯」の意 ギルネウス (Γυρνευς) ※おそらく「堂々巡り」の意 オルネイオス (Ορνειος) ※「ワインマドラー」の意 リュカバス (Λυκαβας) ※「年次」の意 メドン (Μεδων) ※「計画する」の意 タウマス (Θαυμας) ※「不思議な」の意 ペイセノール (Πεισηνορ) ※「牧草地の」の意 メラネウス (Μελανευς) ※「黒」の意 フォボス (Φοβας) ※「恐怖」の意 アバス (Αβας) アスティロス (Αστυλος) ※「支柱」の意 リュキダス (Λυκιδας) ※「狼の子」の意 アレイオス (Αρειος) ※「好戦的な」の意 インブレウス (Ιμβρευς) エウリュノモス (Ευρυνομος) ※「広い牧草地」の意 クレナイオス (Κρηναιος) ※「春の」の意 アファレウス (Αφαρευς) ※「素早い」の意 リュカス (Λυκας) ※「狼のような」の意 | クロミス (Χρομις) ※「馬のいななき」の意 ビエノール (Βιηνωρ) ※「強き者」の意 ネディムノス (Νηδυμνος) ヒッパソス (Ἱππασος) ※「騎手」の意 リフェウス (Ριφευς) ※「投擲者」の意 リュコペス (Λυκοπης) ※「狼の目」の意 デメレオン (Δεμελεων) ※「獅子の身体をもつ」の意 ヒュレス (Ὑλης) ※「森の」の意 フレグライオス (Φλεγραιος) ※「焼けた」の意 イフィノウス (Ιφινοος) ※「機転の利く思考」の意 クラニス (Κλανις) ※おそらく「泣き叫ぶ」の意 ドリュアス (Δολυας) ※おそらく「ずる賢い人」の意 キュラロス (Κύλαρος) ※「曲がった」の意 テレボアス (Τηλεβοας) ※「大声で叫ぶ」の意 クトニオス (Χθονιος) ※「地球の」の意 パイオコムス (Φαιοκομης) ※「白髪」の意 ヒュロノメ (Υλονόμη) ※「森林牧草地」の意 ピレトス (Πυρετος) ※「燃焼」の意 エケクロス (Εχεκλος) ※おそらく「大食い」の意 ピラモン (Πυραιμων) ※「炎の者」の意 エリグドゥポス (Εριγδουπος) ※「大きな音」の意 アンティマコス (Αντιμαχος) ※「力による抵抗」の意 エリュモス (Ελυμος) ※「矢筒」の意 ブロモス (Βρομος) ※「轟音」の意 ステュフェロス (Στυφελος) ※「粗暴な」の意 |
| 配偶者 | 個別記事を参照のこと。 | ||
| 子孫 | 個別記事を参照のこと。 | ||
概要と出自
ケンタウロスはギリシャ神話に登場する伝説上の生物です。
※複数形でケンタウロイ(Κενταυροι)
彼らは、人間の上半身(頭・腕・胴)と馬の下半身(四本の脚・胴体)をもち、低い鼻に尖った耳を備える半人半馬の種族でした。
※人間と変わらない顔つきをしている場合も


『ケンタウレス』
1887年 PD
山岳や森林地帯にある洞窟に住んだ彼らは、岩石や木の枝といった原始的な武器を用いて野生動物を狩る生活を送り、その性格は粗暴かつ野蛮、さらには酒好きで好色な傾向があったとされています。
一般的には、あまり頭が賢くない、
オラオラ系の方々だったようだね!
ところで、ケンタウロスといえば、なんとなく男性的なビジュアルをイメージする方が多いかもしれません。
しかし、古代文学における言及こそ非常に少ないものの、この部族にもちゃんとした(?)女性個体が存在し、彼女たちはオスの個体と区別して「ケンタウリス(Κενταυρις)」あるいは「ケンタウリデス(Κενταυριδες)」と呼ばれました。
※女性ケンタウロスは水の精霊や女性戦士アマゾネスのような姿をしていたとも。また、体毛は白や栗毛などさまざまだったらしい。


西暦120年-130年頃 PD
そんなケンタウロスの一族は、ラピテス人の王イクシオン(Ἰξίων)と雲と雨の精霊ネフェレ(Νεφελη)の子孫として誕生。
彼らの起源譚には、なんとも間の抜けた以下のようなエピソードが残されています。
- 最高神ゼウス(ΖΕΥΣ)に気に入られたテッサリアの王イクシオンが、ある時、オリュンポスの神々の食事会に招かれる。
- 神々の女王である結婚の女神ヘラ(Ἥρα)に一目惚れしたイクシオン、ワンチャン狙いで彼女を誘惑し、ベッドを共にしようと画策。
- 貞節を司るヘラは誘いを拒絶し、事の次第を夫ゼウスに報告する。
- ゼウスは真相を確かめるため、その辺にあった「雲」の塊をこねて人型を作り、やがて妻ヘラにそっくりな姿をした1柱の精霊ネフェレを創造した。
- 主神が送り込んだネフェレを受け入れたイクシオン、疑うことなく大喜びで彼女と交わり、さらにはその事実を方々で自慢する。
- ゼウス激おこ、イクシオンを原始の奈落タルタロス(Τάρταρος)に投獄して、永久に終わることのない刑罰を与える。
- イクシオンとの子を宿したネフェレ、半人半馬のケンタウロス族を出産する。
なーるほど
だからあの連中は、基本的に短絡的で色狂いなのね
二人の間に生まれた一頭のケンタウロスが、マグネシアの
牝馬と交わることで子孫を増やした、ともされとるぞぃ


『ユノに欺かれるイクシオン』
1615年頃 PD
なお、ケンタウロスの起源については、他にも複数の説があり、
- イクシオンと牝馬の交わりによって生まれた。
- 馬に変身したゼウスが、イクシオンの妻であるディア(Δία)と交わって生まれた。
- もともと、山に住む野蛮な人間の部族だったものが、後に神話的な生き物として解釈された。
- 古代テッサリア人が騎馬民族であったため、馬に乗る人間を初めて見た他の部族が、彼らを人馬一体の生物と誤解した。
- 木や岩から勝手に生まれてきた。
といった伝承も語られました。
その後、テッサリアのぺリオン山に棄てられた初期のケンタウロスたちは、自然界の精霊ニンフ(Νύμφη)や、賢者ケイロン(Χειρων)*の娘たちに養育され、順調にその数を増やしていったとされています。
※ケイロンもケンタウロス族だが、出自が全く異なる別次元に賢い存在。


「岩を運ぶケンタウロス」
紀元前510年-500年頃 PD
彼らの住環境は非常に素晴らしく、豊かな大自然に美しい洞窟があり、清らかな泉も湧いていたのだとか。
また、周辺にはトネリコの木が多く自生しており、ケンタウロス族は早い時期から、この木材を槍の柄に用いたことでも知られています。
※まっすぐで折れにくい性質から、古代世界では武器の材料に使われた。
子どものケンタウロスは身体の形が完全には定まってなくて、成長と共に体毛や鬣、蹄が生えてきたそうだよ!
ケンタウロスの分布と厳密な種族
さて、ここまで一口に「ケンタウロス族」として紹介してきた半人半馬のクリーチャーですが、実は、彼らには大きく分けて3つの系統があることをご存知でしょうか。
ケンタウロスには、厳密には以下の3種族がおるのじゃ
| 系統 | 分布地域 | 特徴と概要 |
|---|---|---|
| テッサリア系 | テッサリア地方 マグネシア ペリオン山周辺 | 最も有名な集団で、通常ケンタウロスといえば彼らのこと。 |
| 祖先を同じくするラピテス人と戦争を起こしたことで知られる。 | ||
| アルカディア系 | ペロポネソス半島 アルカディア地方 フォロエ山周辺 | 半身の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)とトラブルを起こしたことで有名なケンタウロスの一族。 |
| キプロス系 | キプロス島周辺 | 牛の角をもつケンタウロスが住んだとされる。 |
※ケンタウリデスを個別の一族と見なすか、彼らのなかの女性陣と見なすかは微妙なところ


『ケンタウロスの戦い』
1870年-1920年
出典:メトロポリタン美術館 PD
よく混同される彼らだけど、
本来は別系統の集団と考えられているそうよ
まぁ、ゆるーく神話を楽しむうえでは、
特に気にする必要はないわね
代表的なケンタウロスと判明している名称
ここでは、数多くの神話に登場するケンタウロス族のうち、特に有名な個体や、文献に名前が残っている個体のデータを一覧にまとめています。
もし興味があれば、
ささーっと目を通してみてね
ケンタウロスの賢者ケイロン
| 名称 | ケイロン(Χειρων) |
|---|---|
| 概要 | 農耕の神クロノス(Κρόνος)とぺリオン山の精霊ピリュラー(Φιλυρα)の間に生まれた、別系統のケンタウロス。 |
| 一般個体とは異なり、医術をはじめとするさまざまな知識に精通した賢者で、非常に文明的な人物。 | |
| 半神の英雄アキレウス(Ἀχιλλεύς)や医療の神アスクレピオス(Ασκληπιος)など、ギリシャ神話に名を残す数多くの英雄たちを育て上げた。 |


『投げ槍を習うアキレウス』
1776年頃 PD


ケンタウロスの友人ポロス
| 名称 | ポロス(Φωλος) |
|---|---|
| 概要 | 酒神の老従者シレノス(Σιληνός)とトネリコの精霊メリア(Μελια)の間に生まれた、別系統のケンタウロス。 |
| 一般個体とは異なり、多種族ともまともに意思疎通ができるほどの高い知性を備えていた。 | |
| 半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)の友人として『12の功業』の物語に登場した。 |




エウエノス川の渡し守ネッソス
| 名称 | ネッソス(Νεσσος) |
|---|---|
| 概要 | 一般的なアルカディア系ケンタウロスの一頭。 |
| 英雄ヘラクレスに追われてアイトリア地方へと逃れ、エウエノス川の渡し守として生計を立てていた。 | |
| ヘラクレスと偶然再会し、その妻デイアネイラ(Δηϊάνειρα)に襲いかかったことで、毒矢をその身に受けて絶命。 | |
| 実は、ヘラクレスが破滅する直接的な要因を作り出した人物。 |


『ネッソスとデイアネイラ、ヘラクレス』 1701年-1800年頃
出典:ニューヨーク公共図書館 PD


野蛮な求婚者エウリュティオン
| 名称 | エウリュティオン(Ευρυτιων) |
|---|---|
| 概要 | テッサリア系ケンタウロスとしての逸話も、アルカディア系ケンタウロスとしての逸話も残されている一頭。 |
| テッサリアにおいては、ラピテス人の王ペイリトオス(Πειρίθοος)とヒッポダメイア(Ἱπποδάμεια)の結婚式に招待されるも、泥酔して新婦を襲おうとしたため、ブチギレたアテナイの王テセウス(Θησεύς)によって討伐された。 | |
| 後述する大戦争「ケンタウロマキア(Κενταυρομαχία)」勃発のきっかけとなった人物。 | |
| アルカディアにおいては、英雄ヘラクレスに追われてアカイアの地へと逃れ、現地の王女ムネシマケー(Μνησιμάχη)に求婚するも、父王デクサメノス(Δεξάμενος)の相談を受けたヘラクレスによって討伐された。 |


『ヒッポダメイアの誘拐』 1637年-1638年頃 PD


その他、名称が判明している個体の一覧
- ロイトス(Ροέτος)
※おそらく「ザクロのワイン」の意 - アスボロス(Άσβολος)
※「薄暗い」の意 - ヒュライオス(Υλάιος)
※「森の」の意 - モニュコス(Μονύχος)
※「猪」の意 - ディクティス(Δίκτυ)
※「狩猟網」の意 - ヘロプス(Χέλοπς)
※おそらく「声もなく」の意 - ラトレウス(Λατρεύς)
※「奴隷状態」の意 - ドリュアロス(Δρύαλος)
※「オークの木」の意 - ペリメデス(Περιμήδης)
※「計画」の意 - ダプニス(Δάφνις)
※「月桂樹」の意 - アルゲイオス(Αργείος)
※「銀髪」の意
- アンピオン(Αμφίων)
※おそらく「悪いワイン」の意 - ヒッポティオン(Ιππώτιος)
※「騎手」の意 - オレイオス(Ωρεός)
※「山の」の意 - イソプレス(Ισόπλα)
※「数が等しい」の意 - メランカイテス(Μελανχαΐτες)
※「黒い(何らかのもの)」の意 - テレウス(Θηρέας)
※「獣のような」の意 - ドゥポン(Ντούπον)
※「重々しい音」の意 - フリクソス(Φρίξος)
※「逆毛」の意 - ホマドス(Ὁμαδος)
※「騒乱」の意 - アグリオス(Αγριος)
※「獰猛」の意 - アフィダス(Αφιδας)
※おそらく「容赦のない」の意


『パラスとケンタウロス』
1482年頃 PD
- エラトス(Ελατος)
※「叩かれた」の意 - アンキオス(Αγχιος)
※「撤退する」の意 - ピレノール(Πυληνορ)
※おそらく「峠」の意 - ペトライオス(Πετρέους)
※「岩の」の意 - ロイコス(Ροικος)
※「曲がった」の意 - ミマス(Μιμας)
※「物まね師」の意 - アルクトス(Αρκτος)
※「熊」の意 - ペウケウス(Πευκευς)
※「松の木」の意 - アミュコス(Αμυκος)
※おそらく「染みのない」の意 - エウリュトス(Ευρυτος)
※「上質な角杯」の意
- ギルネウス(Γυρνευς)
※おそらく「堂々巡り」の意 - オルネイオス(Ορνειος)
※「ワインマドラー」の意 - リュカバス(Λυκαβας)
※「年次」の意 - メドン(Μεδων)
※「計画する」の意 - タウマス(Θαυμας)
※「不思議な」の意 - ペイセノール(Πεισηνορ)
※「牧草地の」の意 - メラネウス(Μελανευς)
※「黒」の意 - フォボス(Φοβας)
※「恐怖」の意 - アバス(Αβας)
- アスティロス(Αστυλος)
※「支柱」の意


「ヴィーナスを挟む女性ケンタウロスたち」
紀元2世紀
出典:Giorces CC BY 2.5
- リュキダス(Λυκιδας)
※「狼の子」の意 - アレイオス(Αρειος)
※「好戦的な」の意 - インブレウス(Ιμβρευς)
- エウリュノモス(Ευρυνομος)
※「広い牧草地」の意 - クレナイオス(Κρηναιος)
※「春の」の意 - アファレウス(Αφαρευς)
※「素早い」の意 - リュカス(Λυκας)
※「狼のような」の意 - クロミス(Χρομις)
※「馬のいななき」の意 - ビエノール(Βιηνωρ)
※「強き者」の意 - ネディムノス(Νηδυμνος)
- ヒッパソス(Ἱππασος)
※「騎手」の意 - リフェウス(Ριφευς)
※「投擲者」の意 - リュコペス(Λυκοπης)
※「狼の目」の意 - デメレオン(Δεμελεων)
※「獅子の身体をもつ」の意 - ヒュレス(Ὑλης)
※「森の」の意 - フレグライオス(Φλεγραιος)
※「焼けた」の意 - イフィノウス(Ιφινοος)
※「機転の利く思考」の意 - クラニス(Κλανις)
※おそらく「泣き叫ぶ」の意 - ドリュアス(Δολυας)
※おそらく「ずる賢い人」の意 - キュラロス(Κύλαρος)
※「曲がった」の意


「ケンタウロス」
紀元前500年頃
出典:Marie-Lan Nguyen CC BY 2.5
- テレボアス(Τηλεβοας)
※「大声で叫ぶ」の意 - クトニオス(Χθονιος)
※「地球の」の意 - パイオコムス(Φαιοκομης)
※「白髪」の意 - ヒュロノメ(Υλονόμη)
※「森林牧草地」の意 - ピレトス(Πυρετος)
※「燃焼」の意 - エケクロス(Εχεκλος)
※おそらく「大食い」の意
- ピラモン(Πυραιμων)
※「炎の者」の意 - エリグドゥポス(Εριγδουπος)
※「大きな音」の意 - アンティマコス(Αντιμαχος)
※「力による抵抗」の意 - エリュモス(Ελυμος)
※「矢筒」の意 - ブロモス(Βρομος)
※「轟音」の意 - ステュフェロス(Στυφελος)
※「粗暴な」の意


「ケンタウロス」紀元前575年-550年頃
出典:メトロポリタン美術館 CC0 1.0
まったくもって、覚える必要はないぞぃ
ケンタウロスが関わった主なストーリー
ケンタウロスの活躍を見てみよう!
本項では、ケンタウロスが種族単位で登場する神話の名場面を、ざっくりダイジェストでまとめています。
興味がある方は、詳細な解説をしている個別記事もぜひご覧ください。
半神の英雄ヘラクレスに喧嘩を売り、
敗北して方々に逃走する!
これは、半神の英雄ヘラクレス(Ηρακλής)が、有名な『12の功業』のひとつである「エリュマントスの猪(Ἐρυμάνθιος κάπρος)の捕獲」に取り組んだ時のお話です。


『ヘラクレスとエリマンスの猪』
1634年 PD
友人ポロス(Φωλος)のもとを訪ねたヘラクレスは、一晩の歓待を受けた際、酩酊の神ディオニュソス(Διονυσος)から授けられたという葡萄酒が飲みたいと所望します。
ポロスはこれを承諾しますが、ワインの甘い香りに誘われた野蛮な方のケンタウロス族がぞろぞろと集まりだし、やがて大規模な宴会が始められました。
当初は和やかな雰囲気で盛り上がったものの、泥酔した一部のケンタウロスがヘラクレスに襲いかかったことで状況は一変――。
激怒した英雄が雨のように毒矢を放ち、あっという間に数多くの馬たちを葬ってしまいます。
※母ネフェレが援護で雨を降らせたが、それでもヘラクレスが強かったらしい
生き残った個体は蜘蛛の子を散らすように敗走し、ネッソス(Νεσσος)はアイトリア地方、エウリュティオン(Ευρυτιων)はアカイアの街へと逃げ落ちました。


それでも怒りが収まらぬヘラクレスは、逃げた生存者を追ってペロポネソス半島南端にあるマレア岬へと至り、そこで、賢者ケイロン(Χειρων)に匿われたケンタウロスの残党を発見します。
敵を殲滅すべく再び矢を放ったヘラクレスでしたが、なんとその一本が、討伐対象ではないケイロンに命中してしまいました。
本来なら即死するレベルの猛毒を受けた彼は、不死の存在であったことが災いし、終わりのない激痛に苛まれ続けることになります。
責任を感じたヘラクレスは、後に先見の神プロメテウス(Προμηθεύς)の釈放を願い出る際、引き換えにケイロンの「不死」を神々に捧げると宣言――。
※本人もそう望んでいた。
この願いは聞き入れられ、プロメテウスは3万年ぶりに自由の身となり、ケイロンも永遠の苦痛から解放されて、――そもそもヘラクレスの過失が原因ではあるものの――三者Win-Winの結末を迎えたと伝えられています。


『プロメテウスの解放』
1864年 PD
この物語の詳細はコチラ!
他人様の結婚式を台無しにしてシバかれ、
大戦争「ケンタウロマキア」が勃発する!
これは、ラピテス人の王ペイリトオス(Πειρίθοος)とヒッポダメイア(Ἱπποδάμεια)の結婚式が執り行われた時のこと――。
来賓には、同じくイクシオンを父にもつケンタウロス族も招待され、披露宴の式次はつつがなく進められていました。
しかし、その族長とされたエウリュティオンが泥酔して暴れ出し、あろうことか新婦ヒッポダメイアに襲いかかってしまいます。
すると、これまでは平静を保っていた他のケンタウロスも連動するように「野生スイッチ」をオンに切り替え、楽しかったはずの祝いの席は、一瞬にして凄惨な修羅場へと変わり果てました。


「ラピタイ族と戦うケンタウロス」
紀元前447年-438年頃
出典 CC BY-SA 3.0
この状況に激怒したのが、ペイリトオスの無二の親友でもあった、アテナイの若き王テセウス(Θησεύς)です。
彼は、新郎と共にケンタウロスと戦い、エウリュティオンを筆頭とした複数の個体を葬りました。
その場はどうにか収まりましたが、この後、逃走したケンタウロスが同胞を率いて報復に現れ、ラピテス人との間で戦争が勃発します。
後に「ケンタウロマキア(Κενταυρομαχία)」と呼ばれるこの戦いは、当初こそケンタウロス族優勢で推移するも、テセウスやペイリトオスといった英雄たちの働きによって戦況は移り変わり、最終的にはラピテス人側の勝利で幕を閉じました。
敗走したケンタウロスはペロポネソス半島のアルカディア地方、フォロエ山の周辺へと逃げ落ち、最後には半島南端のマレア岬まで追いやられたとも伝えられています。


『ケンタウロスとラピテース族の戦い』
1500年-1515年頃 PD
このお話だと、テッサリア系とアルカディア系の
ケンタウロスが同一種族、ということになるわね
この戦争では、キュラロス(Κύλαρος)とヒュロノメ(Υλονόμη)
というケンタウロス同士の悲恋も描かれたのじゃ
この物語の詳細はコチラ!
ケンタウロスのその他の登場シーン
ケンタウロスは上記のほかにも、以下のような場面に登場しています。
- 若き日のプティアの王ぺレウス(Πηλεύς)がケンタウロスに襲われ、ケイロンによって救出される。
この縁から、後にぺレウスの息子であるアキレウス(Ἀχιλλεύς)がケイロンに師事することになった。 - 酩酊の神ディオニュソス(Διονυσος)の従者となり、酒と音楽と狂乱のパレードに参加したとも。
- 毒矢により負傷したケンタウロスが水で傷を洗ったため、そこは悪臭を放つ「アニグロス川」と呼ばれるようになった。
※ケイロンかピレノール(Πυληνορ)を指すと思われる。 - 俊足の女狩人アタランテ(Ἀταλάντη)を襲ったヒュライオス(Υλάιος)とロイコス(Ροικος)の二頭が、返り討ちに遭って葬られる。
- ヘラクレスから逃げたケンタウロスがティレニア海付近に辿り着き、海の怪物セイレーン(Σειρήν)の歌声に惑わされて死亡した。
- 九頭の毒蛇ヒュドラ(Ὑδρα)や合成獣キマイラ(Χιμαιρα)といった面々と共に冥界の門に描かれ、冥王ハデス(ΑΙΔΗΣ)の守護者的存在とも見なされた。


『Centauresse et Faune』
フランス・リヨンのテトドール公園内
出典:Flexikon CC BY-SA 3.0
ギリシャ神話をモチーフにした作品
参考までに、「ギリシャ神話」と関連する
エンタメ作品をいくつかご紹介するよ!
おわりに
今回は、ギリシャ神話に登場する半人半馬の部族ケンタウロスについて解説しました。
なんとなーく、
特別な神話的生物のイメージがあったけど…
基本的には、短絡的で女好きなチンピラ集団なんだよね!
パパトトブログ-ギリシャ神話篇-では、雄大なエーゲ海が生み出した魅力的な神々や彼らの物語をご紹介していきます。
神さま個別のプロフィール紹介や神話の名場面をストーリー調で解説など、難しい言葉はできるだけ使わずに、あらゆる角度から楽しんでもらえるように持って行こうと考えています。
これからも「ギリシャ神話」の魅力をどんどんご紹介してきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!
また来てね!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヘシオドス(著), 廣川 洋一(翻訳)『神統記』岩波書店 1984年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 上』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『イリアス 下』岩波書店 1992年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 上』岩波書店 1994年
- ホメロス(著), 松平 千秋(翻訳)『オデュッセイア 下』岩波書店 1994年
- アポロドーロス(著), 高津 春繁(翻訳)『ギリシア神話』岩波書店 1978年
- T. ブルフィンチ(著), 野上 彌生子(翻訳)『ギリシア・ローマ神話』岩波書店 1978年
- 吉田 敦彦『一冊でまるごとわかるギリシア神話』大和書房 2013年
- 阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』新潮社 1984年
- 大林 太良ほか『世界神話事典 世界の神々の誕生』角川ソフィア文庫 2012年
- 中村圭志『図解 世界5大神話入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2020年
- 歴史雑学探究倶楽部『世界の神話がわかる本』学研プラス 2010年
- 沢辺 有司『図解 いちばんやさしい世界神話の本』彩図社 2021年
- かみゆ歴史編集部『マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話』西東社 2019年
- 鈴木悠介『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』日本文芸社 2021年
- 松村 一男監修『もう一度学びたいギリシア神話』西東社 2007年
- 沖田瑞穂『すごい神話―現代人のための神話学53講―』新潮社 2022年
- 杉全美帆子『イラストで読む ギリシア神話の神々』河出書房新社 2017年
- 中野京子『名画の謎 ギリシャ神話篇』文藝春秋 2015年
- 千足 伸行監修『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』東京美術 2006年
- 井出 洋一郎『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』中経出版 2010年
- 藤村 シシン『古代ギリシャのリアル』実業之日本社 2022年
- 中村圭志『教養として学んでおきたいギリシャ神話』マイナビ出版 2021年
- かみゆ歴史編集部『ゼロからわかるギリシャ神話』イースト・プレス 2017年
- THEOI GREEK MYTHOLOGY:https://www.theoi.com/
他…














