【崇拝された割に各地で人質にされた苦労人の貴公子】富と豊穣の神ニョルズ【北欧神話】

このシリーズでは、忙しいけど「北欧神話」についてサクっと理解したいという方向けに、「かんたん・わかりやすい」がテーマの神々の解説記事を掲載していきます。

厳しい自然環境が生み出した、欲望に忠実な神々による暴力的でありながらもどこかユーモラスな物語群が、あなたに新たなエンターテイメントとの出会いをお約束します。

人間味溢れる自由奔放な神々の色彩豊かで魅力的な物語に、ぜひあなたも触れてみてくださいね。

今回は、富と豊穣、漁業や海運業を守護する裕福な貴公子である一方、人生を通して人質にされがちだった苦労人のヴァン神族の神、ニョルズをご紹介します！

この記事は、以下のような方に向けて書いています。

• 北欧神話にちょっと興味がある人
• 北欧神話に登場する神さまのことをざっくり知りたい人
• とりあえず誰かにどや顔でうんちく話をしたい人

そもそも「北欧神話」って何？

「北欧神話」とは、北ヨーロッパのスカンジナヴィア半島を中心とした地域に居住した、北方ゲルマン人の間で語り継がれた物語です。

1年の半分が雪と氷に覆われる厳しい自然環境の中で生きた古代の人々は、誇り高く冷徹で、勇猛で死もいとわない荒々しい神々を数多く生み出しました。