こんにちは!
忙しい人のための神話解説だよ!
この記事では、忙しいけどエジプト神話についてサクっと理解したいという方向けに、有名どころの主要なストーリーをざっくりと紹介していきます。
とりあえず主だった神さまの名前とストーリーラインだけ押さえておきたいという方向けのシリーズとなります。
可能な限り細かい解説はすっ飛ばすわよ
すでに忙しいあなたはコチラから
さっそく本題に飛べるぞい
詳細については、神さま個々人(?)の紹介記事があります
興味がわいたら見てみてね!
今回は記念すべき第1回ということで、「そもそもエジプト神話ってどんな神話なの?」をテーマに解説していきます。
ゆっくりしていってね!!!
この記事は、以下のような方に向けて書いています。
- エジプト神話にちょっと興味がある人
- エジプト神話に登場する神さまのことをざっくり知りたい人
- とりあえず誰かにどや顔でうんちく話をしたい人
- エジプト神話の全体像をさっくりざっくり把握できます。
- あなたのエセ教養人レベルが1アップします。
まじで忙しい人のための結論
本気で忙しいあなたのために、この記事の概要を箇条書きでざっくりまとめておきます。
何ならここを読むだけでもOKじゃぞ
「エジプト神話」とは、
- ナイル川流域で栄えた古代エジプト文明の人々が信じた神さまの物語
- 少なくとも5,000年くらいの歴史がある
- キーワードは「生と死」「太陽」
- 「ピラミッド・テキスト」と「死者の書」が原典史料
- 政治に翻弄され、1つのまとまった話にはなっていないので矛盾も多い
- 創世神話からして4種類もあり、そこからさまざまな物語に発展する
- 人間くさい神さまが引き起こす、すったもんだの大騒動の物語
です!!
お疲れさまでした!!
そもそも「エジプト神話」って何?
さっそくエジプト神話の概要を解説していくよ!
雄大なナイル川の流域で語られる神々の物語
エジプト神話は、ナイル川流域で栄えた古代エジプト文明の人々に信仰された神さま達の物語です。
鳥やカエルなど、動物をモチーフにしたユニークな神さまも数多く登場する多神教の世界です。
神さまとは言ってもまったく全知全能感はなく(失礼)、人間よりも人間くさい神々があらゆる騒動を起こします。
主に以下のあたりの地域で信仰された神話です。
ナイル川の流域に住み着いた古代エジプト人たちは、自分たちの住む世界を「生の世界」であるナイル川周辺と、「死の世界」であるナイル川の外の2つに分けて考えました。
この「生と死」の二元論は彼らの価値観や世界観にも大きな影響を及ぼし、エジプト神話の物語の多くも、この「生と死」の対比をベースに語られます。
またナイル川がもたらす肥沃な土という恩恵のもと、農業が主要な産業であり続けた古代エジプトにおいて、「太陽」は熱烈な崇拝の対象でした。
エジプト神話には太陽にまつわる神さまがそれはたくさん登場しますが、こういった点もその個性を強めている要因と言えるでしょう。
何とも言えない独特の世界観はここから来ているのね
「生と死」「太陽」はキーワードといえるかもね!
エジプト神話の物語は他の神話と異なり、体系立ててまとめられたことがありません。
いろいろな時代・地域で伝えらえた物語の集合体という認識が最も近いかもしれません。
それゆえに設定にかなりの矛盾や混乱がみられますが、それもまるっと含めて「エジプト神話」という、割とおおらかで寛容な物語群と言えます。
政治的な影響を受け続けて多様な姿に
エジプト神話がこのような形式をとっているのは、現実の古代エジプトの環境が大きく影響しているからだと言えます。
ナイル川を中心に栄えたエジプトは、ある時点までは大きく「上エジプト」と「下エジプト」という2つの国に分かれていました。
ナイル川の上流で、肥沃な土に恵まれ緑が生い茂る「上エジプト」は、地図で見ると南側の内陸に位置します。
一方川の下流で、岩がちな風景が広がるデルタ地帯は「下エジプト」と呼ばれ、地図で言うと北側、地中海に面した地域です。
だいたいこんな感じじゃ
ちなみに中エジプトという括りもある
この状況下で、上エジプトにナルメルというファラオ(王)が現れます。
彼は下エジプトに戦いを挑みこれに勝利、紀元前2850年頃に初の全エジプト統一王朝が誕生することになります。
これ以降エジプトは31の王朝が興亡を繰り返す王朝時代に突入し、この歴史の中でエジプト神話の物語が語られていくことになるのです。
神さまと言えど政治的な変動の影響を受けないわけにもいかず、その立ち位置やストーリーが変化したり、ばらつきが生じたりするのもこういった事情があるからなのです。
かくしてエジプト神話は、時代の流れに合わせてそれなりに統一していく方向には進むものの、1枚岩の体系的な物語にはなりえなかった(あるいはなる必要がなかった)のでした。
見る立場によって善神か悪神かも変わってくるからね
時の権力によって神さまの立場は乱高下したのじゃ
エジプト神話の原典史料
エジプト神話が各地でばらばらに発展した経緯があると言っても、原典となる資料がないわけではなく、文字史料としては大きく2つが存在します。
- ピラミッド文書(ピラミッド・テキスト)
-
ファラオの墓であるピラミッドの壁面に書かれているあらゆる記録の事です。
初期のエジプトの思想を知るうえで、最も重要で包括的な資料であるとされています。
第3王朝から第5王朝の間に編集されたと考えられており、使用されている言語は「古エジプト語」で、文字は全て縦書きで書かれています。
- 『死者の書』
-
古代エジプトで副葬品として故人と共に埋葬されたアイテムで、パピルス(古代エジプトで使われた紙)に書かれた巻物のようなものです。
死後の世界でのふるまい方が書かれており、「死者の審判」をクリアして楽園に行くために必要なものだと考えられていました。
霊魂が冥界(ドゥアト)を通過する際の注意点や、魂の個々の要素を保存・保護する方法などを多数の祈祷文や呪文という形で具体的に記載してあったようです。
ことと名前からしてわくわくするわね
ヒヒ『るるぶ死後の世界』とか『冥界じゃらん』みたいなもんじゃ
とと(父)「死者の審判」については以下でも解説しているよ
【世界最古の巻き込まれ系主人公】冥界の王オシリス-Osiris-【エジプト神話】 | パパ、ときどきトト 今回はエジプト神話の冥界の王「オシリス」をご紹介!エジプト神話の顔と言っても良い彼は、実は巻き込まれ系主人公の元祖みたいな存在だった?!
19世紀以降にこれらの史料の解読が進んだことによって、魅力的な神々の物語が現代に蘇ることになったのです。
良い時代に生まれた
エジプト神話は起源の特定が難しいと言われます。
古代エジプト文明成立の時期から考えても、約5,000年前には神話に登場する神さま達への信仰があったようです。
とてつもなく長い歴史を持つ、ミステリアスな魅力あふれる物語です。
4種類の『創世神話』がある
さまざまな物語が残るエジプト神話ですが、その世界の始まりを描く「創世神話」にはなんと大きく分けて4つの物語が存在します。
さっそく特徴が出てるわね~
とりあえずざっくり全体像をつかむのじゃ
最も古い物語のひとつであり、エジプト神話の中でも特にメジャーと言って良い創世神話です。
多くの神々の信仰の中心地であった、ヘリオポリスという都市を中心に発展しました。
古代エジプトで統一王朝が出来る以前から神話として確立していた物語で、ほぼ正式な続編として『オシリス神話』があります。
だいたいこの辺
古代エジプト最初の統一王朝の首都メンフィス(ミート・ラヒーナ)で伝えられた創世神話です。
既存の『ヘリオポリス神話』に対抗するような形で発展しましたが、基本的なストーリーラインはそのまま引き継いでいます。
だいたいこの辺
上記2つとは別に、ヘルモポリスという都市を拠点に語り伝えられた創世神話です。
世界の成立過程も主要な神々のメンツもガラッと変わったオリジナルストーリーです。
だいたいこの辺
時代が下って「新王国時代」となり、その首都であるテーベで伝えられた創世神話です。
基本的なストーリーラインは『ヘルモポリス神話』を引き継いでいますが、登場人物たちの立ち位置にアレンジが加えられています。
だいたいこの辺
以上、エジプト神話はご紹介したいずれかの創世神話をベースに、さまざまな物語に発展していく形をとります。
またどの神さまも基本的には、上記のいずれかのストーリーラインに所属する形で登場します。
なかには太陽神ラーのように、有名過ぎていろいろな神話にまたがって登場する神さまも存在します。
土台から4パターンもあればそりゃ複雑な話になるわよね
おわりに
今回は忙しい人のためのエジプト神話シリーズ第1弾として、エジプト神話の概要について解説してみました。
このシリーズではエジプト神話を構成する主だったストーリーを、できるだけ分かりやすく、さくっと把握できるように解説していきます。
その他の物語もどんどんご紹介していきますので、良ければまた読んでもらえると嬉しいです!
しーゆーあげん!
参考文献
- ヴェロニカ・イオンズ 『エジプト神話』 青土社 1997年
- 大林太良 伊藤清司 吉田敦彦 松村一男 『世界神話事典 世界の神々の誕生』 角川ソフィア文庫 2023年
- 沢辺有司 『図解 いちばんやさしい世界神話の本』 彩図社 2021年
- 歴史雑学研究倶楽部 『世界の神話がわかる本』 Gakken 2010年
- 沖田瑞穂 『すごい神話 現代人のための神話学53講 』 新潮社 2022年
- かみゆ歴史編集部 『ゼロからわかるエジプト神話』 文庫ぎんが堂 2019年
他…
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